黒毛和牛“豊後牛”の飼育シリーズその7
子牛の去勢
肉質を良くすることを主目的に、雄の子牛は去勢が行われます。
こうすることで雌牛と同じような柔らかい肉質になるといいますが、ここではこれ以上触れないことにします。
試練と云えば
試練1、生まれてから自力で母牛の乳房に辿り着くこと
試練2、早くも母親の乳房から離されること
試練3、牛の弱点、鼻に「鼻グリ」が通されること
そして、
肉牛の雄に生まれた子牛の第4の試練、それも、今までの最大の試練になるかも知れません。
この時は、流石に麻酔を使うといいます。
首の静脈に注射で麻酔をすると、十数秒後には脚がふらつき
座り込んで動かなくなります。
首を触ると、大きな静脈が簡単に見つかると云いますが
子牛の首の皺(しわ)や、脂肪ばかりが感じられ、やっぱり素人には分りません。
静脈に注射針を刺す時、一般に“赤牛”は、ブツッと音がするといい
“黒毛和牛”は、すんなり通ると、自慢げに離してくれました。
身や皮膚の硬さの違いを云いたかったのでしょうが、ホンマかいな と、笑ってしまいました。
麻酔の量を間違えて、子牛が眠ってしまわないように
注意しなければならないと云います。
両手両脚を縛り、首も曲げられて丁度丸くなるようにして動けないように
縛りあげてしまいます。この時は既に「鼻グリ」が付けられており、早速役立つ訳です。
袋にメスが入れられ、精巣が出されシゴかれて、根元を糸できつく縛ります。
その後、鋏で切り落として、元に戻します。この作業も牛の苦痛を少しでも早く終わらせるため手際よく行われます。
糸は絹糸が使われるといいます。それまで畜産指導員の元でいろいろ試したといいますが
それ以降の経過で問題が出なかったのは絹糸だけだったことから採用が決まったようです。
残念ながら、筆者は、この作業を見逃してしまいました。
後で、その切り落とした睾丸はどうなったのか と、訪ねると
堆肥保管場所に無造作に放られていました。
まだ子牛のため、成長途上のそれでしたが
しっかり、2個認めた時には、思わず自分の股間に手がいき防御態勢をとっていました。
因みにメスを入れた袋は、中身が無くなったわけで
そのまま、縫ったりせずに放置して、自然に傷口は塞がるのだそうです。
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