黒毛和牛“豊後牛”の飼育シリーズその8
子牛の出荷 市場
おおよそ8〜10ヶ月の間、飼育され
体重200Kg〜280Kgになると、いよいよ出荷されていきます。
試練1、生まれてから自力で母牛の乳房に辿り着くこと
試練2、早くも母親の乳房から離されること
試練3、牛の弱点の鼻に「鼻グリ」が通されること
試練4、雄の子牛だけ“去勢”されること
そして、第5の試練になりましょうか、子牛は競り落とされて飼育農家から離れ、肥育農家へバトンは渡されます。
目標の体重をクリアした子牛は、2ヶ月毎に開催される市場に出荷して
地元や、佐賀県、福岡県を始め、全国の肥育農家へ仲買を介して引き取られていきます。
その肥育農家に引き取られた先で、地元であれば「豊後牛」、佐賀であれば「佐賀牛」、関西の松阪であれば「松阪牛」の
ブランドが付されることになります。もちろん、肥育農家では、そのブランド毎に、おいしい肉牛に育てるために
いろいろな方法がとられるようですが、このシリーズでは今のところ取り上げる予定はありません。
牛が何処で生まれ、どこで肥育されて枝肉になったかなどの状況は
先に記したトレーサビリティー管理で記録を追い掛けることが出来ます。
焼肉を扱うレストランやお店で、10桁の番号を試しに確認するのも面白いかもしれませんね。
牛を移動させる時は、昔は鼻グリに綱を結わえて引いて歩いていたものですが
今では、トラックに乗せて行くことになります。
この2ヶ月に開催される市場に出すときの牛は
それを知っているのかいないのか
トラックに乗るのを必要以上に嫌がるといいます。そして、面白い習性なのですが
嫌がる牛を動かそうとすると、牛たちは決まって糞をしたりシッコをしたりします。
そこは、心得たもので、筵(ムシロ)を敷いたり対策をして作業に掛かります。
プレッシャーでお腹が緩むのでしょうか?人間でもそんなことがありますよね?
牧場にゆくときは、すんなり乗り込み
牧場から帰るときは、もう寒くなって牛舎が恋しいときであり
これも、すんなり乗り込むようですが
出荷の時は、当該子牛だけが乗せられるので、分るのでしょうか
市場に出される前の日などは、いつもと違う待遇を受け、干し草以外に
おいしい穀物類をもらったり、念入りにブラッシングされたりするので
何か、おかしいと思っていると、今度は自分だけトラックに積み込まれようとする訳ですから
アホな?牛でも、主人がえらい優しい、何かおかしい、と感じるんでしょうね。
こうして、見栄えよくされた子牛は
順番に市場の競り場へ主人の手で引き出され、競りが始まります。
この時の緊張は、飼育した子牛を出している者でないと
分らないといいますが、そうゆう意味が分るような気がします。
手が掛かった子牛ほど、いろんなことを思い出しながら
一方では少しでもいい値が付くよう願っている訳ですし
この競りの後には、もう子牛と別れて帰る訳ですから、いろんなことが交錯するんでしょうね。
競りで値を左右するのは、戸籍・血統だといいます。
年に1回開催される牛の品評会でいい成績を残した雌牛が生んだ子牛とか
いい成績を残した飼育農家が出荷する子牛とか
熱心な仲買さんは、その農家の牛舎まで薮から棒に訪ねて来たりします。
「ちょっと、牛ば、見せちくれんですか!」
どうも、佐賀県の仲買さんが、優勝した親牛を下見に来たようです。
雌が生まれ、これがいい牛だと、品評会に出し、そこでいい成績を残すことが出来ると
この雌が親になって産む子牛はいい値で競り落とされるんですね。
競りの始値からいきなり良い値が付いて、競り上がっていくと云います。
母親牛、種牛などの記録が既に仲買人には情報として出回っており
その牛が引き出されてゆくと、いきなり競りが活況になることで分ります。
でも、品評会で注目される結果を出すには
まず、久住町で優勝し、町を代表して竹田市で優勝し、市を代表して大分県で優勝するという
3度の品評会に出場せねばならず、その度に手が取られるため
丁度、農作業の忙しい時期に重なると、農作業が滞り大変だといいます。
もちろん、それだけではなく、常日頃から手入れをしなければなりませんし
牛の姿勢の訓練もしなければなりません。
良い牛は、たった姿勢そのものが、美しいものです。
和牛の飼育は、元はといえば
1)牛の動力が農作業の担い手だったこと
2)牛の糞尿で堆肥を作って田畑で使うこと
3)産まれた子牛を出荷すること
の3つの目的で飼われていたものですが
いまでは、1はトラクターに取って代わり、2と3のみになっています。
因みに、取材をさせて頂いた農家は
1)お米作り、藁は牛の飼育に活用
2)減反転作田での“高冷地トマト”の栽培
3)黒毛和牛の子牛の生産(飼育)、堆肥は田圃で活用
4)農閑期の作業が主になる“椎茸”の栽培 → ブランド名“どんこ”
と、4つの事業を何と!ご夫婦二人でこなしていました。
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【久住高原スカイパークあざみ台】

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