黒毛和牛“豊後牛”の飼育シリーズその11
親牛の角切り
親牛の角がないですね。
牛も角は、両方の形が揃って恰好いい角の牛や、不揃いな牛がいて
牛を見分けるのに都合が良かったものですが
牛も角という武器を持っていると、気が荒くなります。
角でホグラれる(方言:ホグル→突く、突き上げる の意)危険があるため
長い間、飼う母親牛は、安全のため、今では角を切っることが一般的になっています。
親牛として長い間飼育される雌牛だけの試練です。
角を切ると云えば、奈良公園の「鹿」のそれがありますが、様子は大部違っているようです。
鹿の角は痛みは左程なく、出血もないようですが、牛は違います。
牛のこととはいえ、そうとう痛いらしく、そして出血もします。
そのためと、作業の安全のため、眠らない程度に麻酔をします。
麻酔の要領は去勢の時と同じように、首の静脈注射です。
その後、ぐったりした牛を地面に押さえつけて
糸鋸でゴシゴシ切るといいます。
どうして糸鋸なんでしょうか?
今では機械設備を使って一瞬に 切る方法もあるようですが
角を押し潰す作用が大きくて牛の頭蓋骨に影響を与える心配があること
出血も酷いなどの理由で、あまり採用されていないといいます。
同様に、大きめの鋸で素早く切る方法もあるようですが
糸鋸は、角の毛細血管を潰しながら、細かく切って行くため、出血も比較的少ないことから
採用されているようです。ただ難点は作業に時間が掛かること
痛がる牛を見ながらの作業は大変だといいます。
鹿とは違って、一端切ると、牛の角は多少は伸びてきますが
一生掛けても元通りになることはないそうです。
(残念ながら、この作業も見逃してしまいました。)
無造作に放られた角を見せながら
「 この角で印鑑を作ったらいいのが出来るぞ! 」
とは、主人のセリフ
そう云えば、象牙の印鑑は高価だったような、牛の角はどうなの?
手に取って見ましたが、象牙のように繊維が細かくないため、印鑑は無理ではないの!
角を切られた牛は、血を薄ら滲ませながら、立ち上がってはいましたが
まだ麻酔から完全に立ち直ってない様子でコチラを見る目も虚ろでした。
麻酔が切れて元通りになるには、半日ほど掛かるといいます。
これから、何日かは、切ったあたりに草が触れる程度でも痛がると云いますから
この痛さから、静かにならざるを得ないのかも知れませんね。
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