アメリカのある宗教における
   児童に対する性犯罪の秘密
    --危機にあるエホバの証人--
       <その3>




  7.被告側は児童性的虐待を届け出ず。


  今まで見てきた様々な証拠から明らかなように、被告ものみの塔は、児童性的虐待の訴えがなされると、いつも決まって、それを警察に
  届け出でることはしなかった。 しかし、1997年1月1日付けでカルフォルニア州刑法11165・7(a)(32)の定めによって、エホバの証人達の
  何人かが強制届け出人としてリスト・アップされた。


  被告ものみの塔は、児童性的虐待の事件について共同訴訟として提訴されたことに対して異議申立をし、これに対して原告側は
  それぞれ反論の申立を行なったのであるが、その反論申立資料の8-9ページに、被告ものみの塔の弁解が書かれている。  
  それによると、被告ものみの塔は、カルフォルニア州においては、1997年以前には、児童性的虐待の訴えについて警察への届け出が
  義務付けられていなかったというものである。

  これは、6件の訴訟の内の5件についてなされたものである。(7件目の訴訟が2006年10月に共同訴訟として受理されたが、2005年3月
  になされたナパ郡の裁判所での共同訴訟には含まれていない) 原告側の弁護人は被告ものみの塔の論点を以下のように述べ、
  証拠提出をしている。


     被告ものみの塔がカルフォルニア州刑法11164に従って届け出を求められた唯一の事例は
     シェーン・ペンスの代理人であるダニエル・ウエストの事例である。  残る他の事例において
     被告ものみの塔は児童に対する性的虐待について警察当局に届出ていなかった。 
     これは重大なる過失である。  ものみの塔の組織は、保護を任された子供達を守るため
     何らかの行動を起すことができたのに、子供達の保護を最重要な問題として行動し
     なかった。 代わりに、児童性愛者を保護する方を選んだ。 原告は被告ものみの塔
     の組織が子供達を性的虐待の被害から守らなかったばかりでなく、警察に届出なかったの
     は管理上の重大なる過失責任であると申し立てた。

     原告は、被告ものみの塔のような分別をわきまえた慎重な組織は、児童性愛者が組織内に
     いて、子供達を性的に虐待している事実を原告と、原告の家族及び警察当局に通知すべき
     であったと申立てている。※20

     ※20 被告ものみの塔がすべての共同訴訟を取り消すよう求めた申立に対して、原告側の
         異議申立が2005年3月15日に受理されたが、その異議申立のP9を参照されたい。

     本件、シェーン・ペンスの代理としてダニエル・ウエストの件について申立てられている。
     シェーンは1997年1月1日以降に、加害者によって、性的虐待を受けた。
     1997年1月1日以降、刑法11165.7(a)(32)の定めに従って、組織の長老達は、届出義務
     者としてリスト・アップされた。 シェーンの申立によれば、彼は1992 年頃から1997年までの
     間に、ティモシー・シルヴァによって性的な虐待を受けた。(11-26,27のウエストの修正陳述
     を参照) シェーンは又、被告ものみの塔は、シルヴァが責任ある地位についてから、その立
     場を利用して、面倒を任された子供達を性的に虐待していた具体的な事実を、少なくとも、
     1987年から知っていたと主張している。(11-22,27のウエストの修正陳述を参照)

     カルフォルニア州刑法11164-児童性的虐待と届け出義務に関する法律が、1997年1月
     1日に施行されて、聖職者(長老)は児童性的虐待の疑いのある場合は警察に届出
     ることが義務付けられた。 シェーンによれば、被告ものみの塔は、彼が性的虐待を受ける前も、
     受けた後も、組織上の代理人、エホバの証人シルヴァの不法行為、性的虐待について、警察当局
     に届出ていないと申立てている。(1-58 ウエストの修正陳述を参照)


     シェーンは、刑法11164が施行された後に、性的虐待を受けており、被告ものみの塔は、
     法律に基く届出義務があるにもかかわらず、警察当局に届出なかった。  被告は、法律上の
     義務を確認することをせず、シェーンが虐待され続ける状況を許してしまった。※21


     21 被告ものみの塔がすべての共同訴訟を取り消すよう求めた申立に対して、原告側の
         異議申立が2005年3月15日に受理されたが、その反対申立のP8-9を参照されたい。

  確かに、被告は1997年以前には、法律上の義務がなく、児童に対する性的虐待の訴えについて警察に届けていなかったと陳述
  している。   しかしながら、被告は法律改正後においても、逃げられる場合は、引続き警察に届けることはしなかった。 
  被告ものみの塔およびエホバの証人の宗教団体が、一連の子供に対する性的虐待事件を届出なかった背景にある彼らの理屈は、
  いつも“神の名(エホバ)とその組織”が非難されないことが基本であって、必ずしも、児童性愛者を守るためではないのである。  
  ただしいくつか例外はあるが。  “非難されないように”ということの本当の意味は何であろうか?


  エホバの証人は、信者を増やすために、彼等は本当のクリスチャン愛がある兄弟姉妹としてのグループを維持している;
  そしてエホバの証人はその道徳観においても価値観においても他の宗教の信者よりも優れている。  
  信者達は、エホバの証人の信仰は、より良い夫、妻、子供を造り上げると信じている。  よって、否定的な評判は間違いなく、
  注意深く築きあげてきたイメージを汚し、一般の人達がエホバの証人になるのを妨げることになる。  
  “エホバの証人”のような狭量の宗教は、“世間からの注視”に対して閉鎖的なコミュニティーであって、彼等自身がこの世に対して
  演じているものと異なる姿を知られたくないのである。
  彼らは、丁度、誤った忠実の概念によって家庭内の秘密を守ろうとする身体障害者を持つ家族のように、閉ざされたドアーの奥で
  何が起きているのかを知られたくないのである。


  エホバの証人が児童性的虐待を警察に届けないもう一つの理由は、エホバの証人でない方には理解できないであろうが、エホバの証人
  にとって、児童性的虐待は、犯罪ではなくて“罪”として受けとめられていたのである:児童性的虐待を犯した男は、罪人ではあるが、
  犯罪者ではないのである。 そして罪人に対してどのように対処するかも、組織の規則によって定められているのである。 
  もっとも、この問題については、最近の否定的な評判によって、組織の態度は変わってきたのであるが。  
  エホバの証人の規則について言うならば、ものみの塔の組織においては著名な故リチャード・アブラハムソンが、1994年11月26日に
  王国宣教学校において長老達に次のように教えたのである。 “どんな悪行に対する容疑についても、2人の証人の原則によって裁く
  必要がある。 一方、実態が明らかな児童性的虐待のような場合は、会衆内の他の審理上の悪行容疑と同じように取り扱われるであろう。” 
  これは、明らかに、児童性的虐待の場合、警察当局に届けることが排除されている。


  エホバの証人の組織内で今まで隠されてきた児童性的虐待事件が明らかになった後においても、この宗教組織の聖職者(つまり長老)は、
  警察への届出が義務付けられていない州においては、あえて届出なさいとは指示されていない。  現在に至るまで、組織は、警察への
  届出を勧めていないのが現状である。 

  しかしながら、1970年代になって、ものみの塔の指導者は、非常に具体的な指針を出して、会衆の長老達に、児童性的虐待の訴えが
  あった場合には、ものみの塔本部に報告することが義務付けられた。 さらに児童性的虐待の訴えの内、重要だと思われるものについては、
  会衆の長老はものみの塔本部の“法務部”に電話で、助言を求めなければならないとされた。 長老達は、証拠を集め、証人尋問を行い、
  児童性的虐待者に対して判決をくだすよう求められた。 長老達は、調査の結果を警察に明かすことを禁じられており、その代わりものみの
  塔本部の法務部に報告するよう義務付けられた。 


  しかしながら、これらの方針は、世俗の警察の捜査に対する協力を妨げるように作られていた。
  例えば、ある長老が、本部の法務部に電話をかけたとすると、先ずどこの州に住んでいるか質問された。 住んでいる州の法律が、警察に
  届けることを義務付けられている場合には、ものみの塔本部は、相談をしてきた長老に対して次のようなやり方をするように勧めた。 

  “即ち、問題の会衆の長老が、外の公衆電話ボックスから匿名で、会衆のもう一人の長老に対して、電話をかける。  
  その後、2人の長老は、何日の何時に、誰から誰へ電話があって、何の用件かを記録に残し、2人の長老が署名し、法律に従って児童性的
  虐待の届けがなされた証拠として会衆のファイルに残しなさいというものである。”

  これは、司法当局が、これ以上、彼らに対する踏み込んだ捜査ができないようにするためになされたものであることは疑いない。 
  警察に届出るよう義務付けている州法には、聖職者がどのように報告したらよいかについては書かれていないことから、この電話メモの目的
  は、危険な児童性的虐待者の手から子供達を守ることではなく、ものみの塔の指導者を守ることにあることは明らかである。


  2001年に、NBCの番組“デート・ライン”がものみの塔の組織内における児童性的虐待事件について特集番組を準備していた矢先、
  テネシー州、ファヤットビルにおいて一人のエホバの証人が児童性的虐待の容疑で逮捕された。 被害者の子供達の一人は、私達の友人
  の子供であった。 この事件は今から9年前に起きた。 私はその友人に電話をして聞いたところでは、彼女は最初に、長老に届け出たとの
  ことであった。  長老達は“私達の手に任してください”と言われたので、彼女はそうしたそうである。 しかし9年後になって、テネシー州、
  ファヤットビルで、エホバの証人である犯人が逮捕されたので、彼女は長老達に対して、自分の娘が被害にあった9年前に、警察に届出た
  のかと問い質した。  回答によれば、長老の一人が、公衆電話ボックスから当局に電話するように任されたので、他の長老はその通り届けら
  れたものと思ったとのことであった。 私の友人は、何時までたっても、警察から連絡がないので不思議に思ったが、長老達は正しく対処して
  くれているものとばかり思っていた。 しかし、他の子供が同じ犯人によって児童性的虐待に被害を受けるに至って、勇気を奮い起こして警察
  に連絡したとのことであった。


  私は、公衆電話ボックスから警察に届けると聞いて奇妙に思ったことを覚えている。 王国会館には電話がちゃんとあるのに。  
  長老達だって、自宅にはそれぞれ電話があるのに、何故、公衆電話ボックスなのか?  しかし、カルフォルニア州の一連の裁判記録に
  中から、ものみの塔本部から出された“児童性的虐待の電話メモ”を見つけるに至るまで、私は、それ以上、公衆電話ボックスの件を考えて
  いなかった。  この電話メモは、長老が児童性的虐待事件について報告するため、ものみの塔本部の法務部に電話をかけた時に、法務部
  の担当者が記入し完成する仕組みになっている。 驚いた事に、公衆電話ボックスを使えと言う指示は、電話メモの様式の中にあって、
  州法によって警察への届出が義務付けられている州にある会衆の場合は、公衆電話ボックスを使いなさいという示唆がなされていたのである。


  電話メモの様式による幾つかの質問事項の中に一つ極めて不適切な質問がある。 それは“何人の長老が、被害者の過失によってか、
  又は自ら進んで、児童性的虐待に巻き込まれたと思うか?”というものである。 この質問及び他の幾つかの質問は、いみじくも長老達が
  どの程度まで、調査を行なうことを期待されていたかを明らかに示している。

  原告側の弁護人は、被告ものみの塔から1994年まで実際に使われていた電話メモの白紙用紙4枚を入手することができた。  
  彼らが本当に入手したかったのは、提訴している原告被害者の児童性的虐待について記録された電話メモである。 
  しかし、被告ものみの塔の弁護人マリオ・F・モレノ氏は提出を拒んだ。


     3.原告側の、ものみの塔法務部に関する事実認定申立NO.3に含まれる証拠3によれば、
       電話メモには4つの様式がある。(それぞれ1989年版、1992,1993年版、1993年版)
       それらには、すでにものみの塔ニューヨークによって“機密”とスタンプが押されていた。
       被告ものみの塔は、これら電話メモ様式一つひとつを事実認定の過程の当初に提出した。
       ものみの塔法務部の弁護士達は、1989年から1995年までの間、会衆の長老から組織内の
       児童性的虐待事件について法律上の助言を求める電話を受けるたびごとにこれらの様式の
       一つを使っていたのである。 

       これらの電話メモは、ものみの塔法務部の弁護士もしくはその監督下にある助手達が、依頼人
       であるエホバの証人の会衆の長老達から、機密情報として、又、聖職者としての
特権上、
       知りえた情報を記録し、完成したのである。 記入が完了した電話メモは、もの
みの塔法務部の
       弁護士が、依頼人である会衆の長老に対し行なう法律上の助言及び、
長老に与える法律上の
       助言の書類のために活用していた。 よって、これら記入済み
電話メモにはどれも、ものみの塔
       法務部の弁護士が依頼人である長老達から得た機密
情報及び聖職者特権上の機密情報が
       記録されていることになる。

       従って、この訴訟において、あるいは他の機会においても、これらの記入済み電話メモを開示
       することは、法務部の弁護士とその依頼人との間に交わされた機密情報、聖職者
機密情報を
       開示することになる。 加えて法務部弁護士が機密情報、聖職者機密情報の
要約を作成して
       開示する場合においても、同様に弁護士とその依頼人間の機密情報及
び聖職者機密情報を
       開示することになり得るし、又、弁護士の作品情報を開示する結果
を招くことになる。 ※22

       22 被告ものみの塔の弁護人マリオ・F・モレノ氏の宣誓証言- 原告側のものみの塔法務部に
           対するPMK(最もよく知っている人物)による証言書提出申立に対する被告側の反論

           この被告側の宣誓証言は、2006年9月26日に受理されている。

  2006年10月16日、レイモンド・ガダニュは、「(電話メモの)質問事項から編集された情報は、弁護人の作品であって、知りえるものでは
  ない」として、被告側に有利な判断を下した。 この意味は、記入済み電話メモは、弁護士―依頼人間の固有の情報として保護されると
  いうことである。




法務部              児童性的虐待電話メモ                 サービス_____
1.電話の日時:
2.電話の受け手:
3.電話の相手方と電話番号:
4.会衆の名称、都市、州:
5.加害者の名前、年齢、会衆での地位:
6.被害者の名前、年齢、会衆での地位:
7.性的虐待の性格と程度について簡単に記入して下さい。
8.何時、性的虐待が起きましたか?
9.被害者は加害者と一緒の家にいましたか?
10.被害者を保護するためにどのような努力がなされていましたか?
11.当局に届けましたか?  □はい  □いいえ
12.届けた場合、その内容を報告して下さい。
13.この性的虐待について他に誰が知っていますか?
14.長老または会衆に警察から事情聴取のために連絡がありましたか?  □はい  □いいえ
15.与えられた指示
州法上届け出義務なしの州 □ 州法上届け出義務ありの州 □
長老は、______州児童性的虐待 長老は、______州児童性的虐待届出法により、児童性的虐待
届出法により、児童性的虐待の訴えを届出でる の訴えを届ける義務がある。 長老は直接、加害者と話をして、自白
義務はない。  事実を知っている者が、届出 するつもりがあるかどうか確認し、その気が無い場合は、性的虐待の
るか、法的手続きを取るかは、個人の判断に  事実を知っている者に報告を求めなければならない。 もし誰も事実
よる。 ものみの塔本部の方針は秘密を守る  を知る者がいない場合は、2人の長老がお互いに、公衆電話のような
ことである。 長老が警察から、召喚令状を 中立的な場所から、匿名で電話をすること。 電話をした日と時間、
受けたら先ず法務部に連絡すること。  電話の当事者双方の名前、関連事項について記録に残さねばなり 
本部は、長老がこの件について、他の重大な ません。 そしてこの記録は、2人の長老によって署名し、法律に
悪行と同じように取り扱っても異論はない。  に基いて児童性的虐待の届け出がなされた証拠として会衆の書類
長老は、児童性的虐待の記事(82年6月22日、 として残して下さい。 ものみの塔本部の方針は秘密を守ることである。  
85年1月22日、86年12月22日、83年10月1日) 長老が、警察から召喚令状を受けたら、先ず法務部に連絡すること。  
を参考に家族に適切な霊的助けを与えること。 本部は、長老がこの件について、他の重大な悪行と同じように取り扱
これ以上の性的虐待を防ぐため、積極的な っても、異論はない。  長老は、目ざめよの児童性的虐待の記事
対策を取ること。 長老は他に被害者が出な (82年6月22日、85年1月22日、86年12月22日、83年10月1日)
いように状況を注意深く見守ること。 を参考に、家族に適切な霊的助けを与えること。
16.その他の指示:
17.事後の経過についての指示:
裏面へ
                                   1989年                 WTNY00566


SRS000000092
担当部          法務          サービス
児童性的虐待電話メモ
電話の日付:
電話の受け手:
電話の相手方:
会衆の名称、都市、州
加害者の名前、年齢、会衆での地位:
被害者の名前、年齢、会衆での地位:
虐待の性質と程度について簡潔に記入して下さい:
与えられた指示:
事後の経緯:
1992年
WTNY 00568



法務部               児童性的虐待の電話メモ                 サービス_____
1.電話の日時:
2.電話の受け手:
3.電話の相手方と電話番号:
4.会衆の名称、都市、州:
5.加害者の名前、年齢、会衆での地位:
6.被害者の名前、年齢、会衆での地位:
7.性的虐待の性格と程度について簡単に記入して下さい。
8.何時、性的虐待が起きましたか?                            □自白  □否定  □不明
9.被害者は加害者と一緒の家にいましたか?
10.被害者を保護するためにどのような努力がなされていましたか?
11.当局に届けましたか?  □はい  □いいえ
12.届けた場合、その内容を報告して下さい。
13.この性的虐待について他に誰が知っていますか?
14.長老または会衆に警察から事情聴取のために連絡がありましたか?  □はい  □いいえ
15.与えられた指示
州法上届け出義務なしの州 □ 州法上届け出義務ありの州 □
長老は、______州児童性的虐待届出 長老は、______州児童性的虐待届出法により、児童性的虐待
法により、児童性的虐待の訴えを届出でる義務 の訴えを届出る義務がある。 長老は直接、加害者と話をして、自白
はない。 事実を知っている者が届出でるか、 するつもりがあるかどうかを確認し、その気が無い場合は、性的虐待の
法的手続を取るかは、個人の判断による。  の事実を知っている者に報告を求めなければならない。 もし誰も
ものみの塔本部の方針は秘密を守ることであり、 事実を知る者がいない場合は、2人の長老がお互いに、公衆電話の
長老は1989年7月1日の手紙をご覧下さい。  ような中立的な場所から、匿名で電話をすること。  電話をした日と
警察の捜査が入った場合、当事者に会衆を 時間、電話の当事者双方の名前、関連事項について記録に残さなけ
巻き込まないように勧める。 警察から召喚 ればなりません。 そしてこの記録は3人の長老によって署名し、法律
令状を受けたら、先ず法務部に連絡すること。  に基いて児童性的虐待の届出がなされた証拠として会衆の書類と
本部は、長老がこの件について他の重大な して残して下さい。 ものみの塔本部の方針は秘密を守ることであり、
悪行と同じように取り扱っても異論はない。 長老は1989年7月1日の手紙をご覧下さい。 警察の捜査が入った
長老は1992年3月24日の手紙をよく参照して、 場合、当事者に会衆を巻き込まないように勧める。 警察から召還
児童性的虐待の記事を用いて、被害者家族 令状を受けたら、先ず法務部に連絡すること。  長老がこの件を他
に霊的な助けを与えなさい。(目ざめよ1993年 の重大な悪行と同じように取り扱っても、異論はない。  長老は
10月9日号)  被害者には、最大の配慮と 1992年3月23日の手紙をよく参照して、児童性的虐待の記事を
親切を持って扱うこと。 まだ子供の性的虐待 用いて、被害者家族に霊的な助けを与えなさい。(目ざめよ1993年
の被害者を容疑者と向合わすのは必要なこと 10月9日号)   被害者には、最大の配慮と親切を持って扱う事。
でしょうか?  これ以上の性的虐待を防ぐ まだ子供の性的虐待の被害者を容疑者と向合わすのは必要なこと
ため、積極的な対策を取ること。  でしょうか?  これ以上の性的虐待を防ぐため、積極的な対策を
長老は他に被害者がでないように状況を注意 取ること。 長老は他に被害者がでないように状況を注意深く見守
深く見守ること。 ること。
16.その他の指示:
17.事後の経過についての指示
裏面へ
                                   1993年                 WTNY00569


SRS000000094
18.追記
質問
1.長老はどんな対策を取りましたか?
2.長老は、法務部に電話する前、どの位の期間、この訴えを知っていましたか?
3.下記の手紙を読みましたか?           はい            いいえ
      1989年7月1日                □              □
      1993年3月23日               □              □
      1993年2月3日                □              □
4.この容疑者は以前にも訴えがありましたか?
5.被害者の子供は、医者の診断を受けましたか?
6.この件を長老に訴えたのは誰ですか?
7.被害者の子供との話し合いはどこで行なわれたましたか?
8.長老は直接、被害者の子供と話しましたか?
9.何人の長老が、被害者に過失があったか、もしくは被害者は喜んで行為に及んだと感じましたか?
WTNY 00570



児童性愛者プロフィール
弁護人-依頼人守秘事項
法務部:                         サービス部:                   
1.記入日:                     電話の受け手:
2.電話の相手方の氏名:               電話番号:
  会衆名称:                       都市、州:
3.容疑者氏名:                  会衆内の地位:
  会衆名称:               バプテスマを受けた日:
  誕生日:                           年齢:
  本人は長老、奉仕の僕又は開拓者として奉仕したことはありますか?       □なし  □有
  有の場合、何時ですか? その時の地位は何でしたか?
  容疑者と被害者との関係は何ですか?
4.被害者:                     会衆内の地位:
  会衆名称:                         年齢:
5.報告者:              長老へ最初に報告した者:
  報告者と被害者、又は容疑者との関係は?
6.長老は容疑者と話をしましたか?                           □いいえ  □はい
  どんな状況においてですか?
  罪を認めましたか? 否定しましたか?          □自白した。  □否定した。  □不明
7.性的虐待の性質、程度について簡潔に記入して下さい:
8.どんな性的虐待ですか?
9.何時、起きましたか?
10.現在、同じ家に住んでいますか?                          □いいえ  □はい
11.同じ家に他に子供はいますか?                           
12.被害者を守る為にどんな努力がなされましたか?
13.警察当局に届けましたか?                              □いいえ  □はい
  届け出の詳細について記入して下さい:
14.誰が児童性的虐待について知っていますか?
15.長老に警察から連絡がありましたか?
  どんな指示がありましたか:                         法令全書を参照          
16.その他の指示:
17.意見:
18.事後経過とフォローアップの日付:
1993年
WTNY00571



  児童性的虐待を届け出ない方針
  原告は、被告側に対して、エホバの証人の組織が児童性的虐待の告発について、そして1970年から現在に至るまでの間における
  児童性的虐待の証拠について、どのように取り扱ったか、またその方針について最もよく知っている者(PMK: Person Most Knowledgeable )
  の証言を要求した。 被告ものみの塔は、これに対してサービス部の代表であるギャリー・N・ブロー氏が応じた。 彼は2005年11月15日に、
  原告側の弁護人との間で以下の通り証言した。  児童性的虐待に関する証言は以下の通り。

  

     
Q.しかし、あなたは前に、長老達は司法当局が行なうような尋問方法について訓練を受けて
       いないと言ったではないか?
     A.その通りです。
     Q.私の質問は、---長老以外の誰でもない---他でもない長老達が何をするよう期待されているかということだ。
       単純な話で、なぜ長老は児童性的虐待の訴えを受けたら、直ちに警察に電話して、調べてもらうようにしなかった
       のかということだ?

     A.それは1994年以前においてでの話ですか?
     Q.そうだ。
     A.ええっと、場合によるのでは、多くの州では届けが義務付けられていなかったので。 
       長老団の立場としては、会衆内の個々人の面倒を見るということですから。 しかし、
       その当時は、警察を呼ぶように個々人に指示していました。
     Q. OK

     A. そして家族や、それを知っていた人は、警察に対して保護を求めるために連絡していました。
     Q.しかし1994年以前においては、そのような方針はなかった。 1994年以降の方針が何であるかは言っていない。
       少なくとも、1994年までは、児童性的虐待の訴えがあった
場合、長老達が警察を呼んで、調べるように依頼する
       ことは、エホバの証人の組織の方針ではなかった。 ということですか?

     A.そうです。 確かに方針はなかった。 しかし、それは会衆が子供を守るために何もしなかったということではない。  
       確かに、会衆の人々には、警察に届けることを勧めては
いなかった。※23

      23 証拠2番、2006年9月15日受理:「被告ものみの塔法務部に関して、最も知識のある者(PMK)の証言請求申立」
          申立番号3に含まれている「ギャリー・N・ブローの証言抜
粋」P97〜8, 2005年11月15日



  8.ものみの塔法務部はものみの塔サービス部の権益代表
  ものみの塔法務部と弁護人-依頼人の関係にある米国内の様々な機関、例えば統治体、米国支部委員会、米国内支部の各部門、
  カルフォルニア州を含む米国内のエホバの証人会衆、及びその長老達との関係がどうなっているのか、ほとんど知られていない。  
  この状況から、法務部と他の機関との間の連絡がどのようになされているかを知るのは、ほとんど不可能である。 ものみの塔の弁護士
  マリオ・モレノは、判事に対して次のように説明している。


     ものみの塔法務部はものみの塔ニューヨークの顧問弁護士であり、同様に傘下の組織や
     企業の顧問弁護士としても機能している。 ものみの塔法務部は何人かの弁護士を抱えて
     おり、一般的な又、法律上の相談に応じている。 ものみの塔法務部の依頼人は、米国内
     の様々なエホバの証人の企業、統治体、米国支部委員会、ニューヨークにある米国支部の
     各部、カルフォリニア州の会衆を含む米国内のエホバの証人、これら会衆の長老団等で
     ある。  
     
      従って、ものみの塔法務部は、ものみの塔米国サービス部、会衆、会衆の長老達

     と弁護人-依頼人の関係にある。 ものみの塔法務部は、米国ものみの塔サービス部、会衆
     そしてその長老達との間に交わされる通信は、弁護人-依頼人関係およびその他、適用さ
     れ得る法律上の権利に基いた秘密保持が適用されるものと考える。 会衆の長老として、
     ものみの塔法務部の一般的な相談相手として、私は、米国ものみの塔サービス部及び、
     会衆の長老がものみの塔法務部の弁護士と法律上の助言を得るために交わされた通信
     は、弁護人-依頼人間の守秘義務によって、秘密保持の対象となると信じるものである:
     法務部の弁護士達は、法務部に相談してくる長老達に対して、これらの通信は弁護人-

     依頼人関係に基いて、機密保持されるべきであるとしばしば、念押してきた。※24

      24 2006年9月29日受理された、マリオ・F・モレノ氏の被告ものみの塔を支持する証言
          「ものみの塔法務部に関してPMK(最もよく知っている者)の証言及び証拠提出請求に

          対する抗弁P2」

  上記の理由から、原告側弁護人は、被告ものみの塔ニューヨークの児童性的虐待を記録した電話メモを、証拠として提出する
  裁判所命令を得ることができなかった。


  私は、ものみの塔本部の著作部に所属していた1991年後半に聞いたある事を思い出した。 
  ものみの塔誌のある上級著者が、児童性的虐待の事件が明らかになった件について激昂していたのであるが、その彼が私の
  上司となって、私に次のように話してくれた。  ものみの塔本部のサービス部に送られる組織内の児童性的虐待事件に関する
  通信文は、すべて法務部に送られるとのこと。  彼によると、サービス部は、過去において、事柄を“素晴らしく”、めちゃめちゃ
  にしてしまったので、統治体が介入して、児童性的虐待の訴えについては、すべて法務部に報告するように規則が定められた。  
  
   当時、私はこれは素晴らしいアイデアであると考えていたが、しかし、私は今では、長老達もサービス部もものみの塔法務部の
  依頼人であることから、この取り決めによって、エホバの証人のメンバーは、ものみの塔に対して訴訟を起すことが困難になっており、
  この取り決めは組織を守るために機能していることが分かった。  
  なぜなら、会衆の長老達とサービス部との間で何が行なわれているのかを具体的に明らかにする資料は、普通なら、裁判所に証拠
  として提出されるのであるが、この弁護人-依頼人守秘義務に阻まれて、提出されないからである。

 
   又、逆に、この取り決めは、エホバの証人の組織内の児童性的虐待について、隠さなければならない秘密があることを、物語っている。 
  これは、被告ものみの塔が、16人の被害者との間で、法廷外の和解による解決を選んだことの理由と同じである。  
  ものみの塔の指導者達が、これら傷ついたエホバの証人達の犠牲によって階級組織の主要メンバーを保護し、又、被害にあった証人
  の寄付金によって、統治体をはじめとする指導者達が、“象牙の塔”で生きつづけているのは、何とも異常な事態であると思う。




  9.ものみの塔の首席スポークスマンJ.R.ブラウン氏の証言
   2005年9月15日、被告ものみの塔の弁護人ロバート・J・シュナック氏は、ものみの塔聖書冊子教会ニューヨーク・INC.の広報部の役員
  であったJ. R. ブラウン氏の証言を求める原告側の要請に基く裁判所からの通知を受け取った。  
  続いて、被告側は、J. R. ブラウン氏の証言は必要ないとして裁判所からの命令に対して抗告を求めた。

  2005年9月30日に、被告側弁護人は、他の2つの説明書と共に、“J. R. ブラウンの証言”と題する以下の書類を裁判所に提出した。

      私は、ものみの塔聖書冊子協会ニューヨーク・INC.広報部役員です。 私はすべてにおいて法的行使能力があり、
     私の知りうる限りの情報、知識に基いて以下の通り、証言いたします。

     与えられた情報と私の信じることに基き申し上げます。 2002年の4月か5月頃、ものみの塔広報部は、英国BBC放送の
     ベトサン・ポウイーズ氏からファックスによる質問状を受け取り

     ました。  それによると、BBCはエホバの証人と児童性的虐待の問題についてのテレビ番組を放送する計画であるとの
     ことでした。 
それには、カルフォルニア州の児童性的虐待に関する共同訴訟の件ついては触れていませんでした。  
     2002年5月9日以前には、BBCパノラマのベトサン・ポウイーズ氏宛ての
回答書が用意されました。  

      私は広報部の役員であることから、回答書の手紙に署名する
よう求められ、そうしました。 
     しかしながら、私は、手紙の主題にあったエホバの証人が児童
性的虐待についてどう取り扱っているか、個人的
     にまた特別に知っているわけではなく、又、BBCのベトサン・ポウイーズ氏の質問に答えるために、個人的に
     児童性的虐待について調査をしたわけでもありません。 私の唯一の役割は、広報部役員として回答書に署名
     をすることだけでありました。

     私は、現在、カルフォルニア州で提訴されている共同訴訟において、原告側が、私の証言を求めていることを知っています。 
     私は、カルフォルニア州の共同訴訟について、訴えら
れている事実の一つでも知っているわけではありません。 
     又、私はカルフォルニア州共同
訴訟を担当している訳でもなく、監督しているわけでもなく、何も知らないのです。

      私は、知らされている情報に基き、又、その情報が真実で正確であると信じたもの以外は何ら述べていないことを、
     ニューヨーク州、及びカルフォルニア州の法律の下にここに証言
します。※25

        ※25 2005年9月30日受理、J. R. ブラウンの証言請求申立に対する異議申立を支持するJ. R. ブラウンの証言


      J.R. ブラウンが引用している内容を理解して頂くために、ブラウン氏が英国BBCパノラマ放送のベトサン・ポウイーズ氏に
     対して出した回答書を次のページに掲げた。※26

     記録のために言っておくが、私がものみの塔本部著作部に所属していた1989年から1992年までは、ブラウン氏が証言した
     “エホバの証人が児童性的虐待についてどう取り扱っているか、個人的
にまた特別に知っているわけではなく“ と
     いう点
について、ものみの塔本部ではおおっぴらに議論されていた。 

      雑誌“目ざめよ1991年10月8日号”には児童性的虐待について優れた記事が掲載されたが、
     これが発行された後、ものみの塔本部は、数千もの手紙を受け取った。  これらの手紙の多くは、
     当時、統治体メンバーのロイド・バリー氏が監督してした著作部にあった“読者との通信課”のスタッフから、
     “目ざめよ誌”の編集者ハリー・ペロヤン氏の下に届けられた。

     “読者との通信課”は、私の所属していた著作部と同じ階の反対側にあった。 “読者との通信課”では、
     多くの児童性的虐待に関する手紙が読まれ、内容によって対応が取られ、その後、記録保
管のために
     スキャンされコンピュータに保存された。  

      当時、その課を担当していたのは、J. リチャード・ブラウン氏で、今から数年前には、ものみの塔広報部
     の公式スポークスマンであった。 彼は2005年9月、つまり、この証言書を提出した時に
は、広報部の担当
     役員であった。  私が知っている限り、皆が彼をJ. R.と呼んでいて、 “読者との
通信課”において8人の男性
     と3,4人の女性のスタッフを指揮していたのである。


      私の知っている限り、“読者との通信課”の人達は、ものみの塔聖書冊子協会に宛てられた通信文を読んで、
     内容を検討し、回答する部署であった。  勿論、ものみの塔協会が、回答のために用
意できる資料は、
     その刊行物に限られていたのであるが。  さらにJ. R.のスタッフの幾人かは電話
の対応をしていた。  
     彼らは電話で、ものみの塔の刊行物のどれに該当するかなど、教義上であ
るか否かの質問に関わらず、
     回答をしていた。


      J. R.を含めて、“読者との通信課”のチーム・メンバーは、“目ざめよ誌”の記事に対する多くの反響について
     間違いなく知っていた。  ものみの塔本部に15年以上働いていた2人のスタッフは、電
話でこのような問題、
     つまり児童性的虐待の被害者の後遺症である、抑圧された記憶、多重人格
障害、現在では解離性同一性障害
     とか、言われるそうだが、これらに立ち入るような問題を電話で
の相談に応じることを取りやめるように言われた。 
     この2人は、これらの問題に巻き込まれるなとい
う規則を厳格に守らなかったとの理由から、その職から外された。 

      この2人は、児童性的虐待の被
害者達の苦境に、非常に同情的であったのである。 
     私の知る限り、この2人は個人的な時間をさいて、この問題の様々な側面について勉強していたので、被害者に
     対して助言するのには、組織の中では一番適した立場に居たと言える。 
このような助言をする仕事について、
     ほとんどの統治体メンバーが難色を示していた。


      私はこの2人の方、マイケル・St・ジャンリッキ・ハトソンがものみの塔本部の閑職に追いやられた理由の
     背景に実際、何が起きたのかについて詳しく知っている訳ではない。 しかし、J. R. ブラウ
ンは、間違いなく、
     すべての事情を知っているはずである。  私は、統治体のメンバーであるロイ
ド・バリー氏が、児童性的虐待の
     後遺症に苦しむ被害者に対する心理療法のようなものを止めるよ
うにと命令したにもかかわらず、この2人が従わ
     なかったことが、異動の理由であることを知っている。

     私は、後日、ロイド・バリーから、これは統治体のあるメンバーからの圧力によるものであることを聞いた。

      ハリー・ペロヤン氏は児童性的虐待の被害者からの手紙のほとんどを、私に見せてくれた。
     はじめ、私はハリーがこれらの手紙をどのように手に入れたのか分からなかったが、後になって分かってきた。  
     それは、彼が“読者との通信課”の中に人脈を造った後に、全幅の信頼を置いてい
た私を“読者との通信課”に
     送り込んで、これらの手紙のなかでも特にデリケートなもの、恐るべき内
容のものを取ってくるようにしたのである。  
     ある時、ハリーは私に、J. R. ブラウンの事務所に行く
よう指示した。  

      J. R. ブラウンは、私を見て、椅子から立ち上がって、部屋から出てきて、幾つか
の手紙を手渡した。 
     彼の部下の2人の女性は、私達が立っていた場所から数フィートしか離れて
いない場所に居たのであるが、
     彼女らは、仕事の手を休めて、私達が“目ざめよ誌”の児童性的虐
待の記事に対する驚くほどの多くの手紙が
     寄せられた事や、それらの異常な内容について交わし
た会話に、まったくその通りといった同感の表情を示した
     のであった。 


      ある時、私はJ. R.のスタッフメンバーの一人から、フォルダーに入った1行間隔でタイプされた23ページの手紙を
     受け取った。  この恐ろしい内容の手紙の差出人は、2人姉妹の一人で、彼女等
がまだよちよち歩きの頃から、
     2人が受けてきた性的虐待について書かれていた。  彼女の両親
は悪魔的アルコール中毒カルトとも言うべき
     エホバの証人であったが、排斥されていた。  それに
もかかわらず彼女は成人してから、バプテスマを受けて
     エホバの証人になった。  それは、私が今
まで聞いたこともないような、誠に卑劣極まりない扱いを受けた子供時代
     を生き延びてきたが、結婚
によって幸福と平安が得られたのであるが、それも長くは続かなかった。 
    
       あるきっかけによって、
恐ろしい感情の激昂によって、子供時代の恐るべき記憶を呼び覚まし、激しい精神分裂
     の症状を
引き起こしたのである。  彼女は多重人格障害と診断されてから、長老達が同情し、助けの手を差し伸べてくれ、
     大きな助けとなった。  彼女は、特にものみの塔本部の“読者との通信課”の皆さ
んが電話相談に乗ってくれたことに
     特別の感謝を述べている。  彼は彼女に聖書による相談を勧
めて、彼女はそれによって、神の助けに全幅の信頼を
     置くようにすることを学んだと述べている。 


      又、別の時、彼女が“読者との通信課”に電話をかけたときは、同じ男性が応対して、彼女の話にじっくり、耳を傾けて、
     彼女が信じている悪魔的悩みに寄り添ってくれた。  それは、“読者との
通信課”の助けに対して、心から感謝の意を
     表する特別な手紙であった。  しかし、彼女は、こ
の“読者との通信課”の人達が、上司によって左遷されたことを知る由
     もなかった。


      J. R.ブラウン氏は、エホバの証人が通常、組織内の児童性的虐待事件をどう取り扱っていたか、事態が明らかになって
     どのように事態が展開していたかを、知らないはずがない。  特に彼は
何年もの間、ものみの塔の公式スポークスマンで
     あったし、その前は“読者との通信課”の役員で、
1991年以降は児童性的虐待事件を取り扱っていたからである。


      26                             (レター・ヘッド)
                                  ものみの塔
                                       聖書冊子協会
                                         広報部
                      25コロンビア・ハイツ、ブルックリン、ニューヨーク11201-2483 USA
                          電話:(718) 560-5670      ファックス:718-560-5419
                                  オリジナル ファックス送付済み
                                        2002年5月9日

     ベトサン・ポウイーズ様
     BBCパノラマ

     親愛なるベトサン様,

      2002年4月30日付けの貴ファックスにて、英国放送BBCテレビは、「エホバの証人が児童性的虐待に事件に
     ついてどのように扱っているのか」の番組を準備なさっているとご連絡頂ました。  次の通り回答いたします。

     私どもは、一般論としては、インタビューを受けることに反対するものではありませんが、貴社の放送において、
     出演する人達の内には、現在、何人かのエホバの証人がいるよう
に思われます。
      私達の兄弟姉妹達が、公の場面で結果的に反対者に利用されてしまうのは適切でもなければ、又、聖書的で
     もありません。(Tコリント人への手紙6:1〜8、エペソ人への手紙
4:2)
     あなたが、この点についての私達の立場をご理解頂けるものと信じております。

      私達は、インタビューに応じることはできませんが、あなたがファックスであげられた質問については、喜んで
     お答えいたします。 あなたの質問はもっぱら、私達の組織において
記録している児童性的虐待の記録がどういう
     ものであるかという点に集中しているように思います。 あなたは、“テレビ番組に対してなされた重大な訴えの性格“を
     考慮すると、私達エホバの証人がどのように、内部の児童性的虐待を記録に残しているかが、決定的に重要であると
     言っておられます。  しかし、あなたはどのような訴えか、具体的には示しておられません。 
     とはいえ、エホバの証人が、児童性的虐待の訴えがなされた場合に、どのように取り扱っているかを、最初に申し上げます。
     あなたはこの点について、お尋ねになっていないようですが、私達はこれについて、率直に申し上げることが、本質である
     と思います。


      米国において、エホバの証人の誰かが、もし児童性的虐待の容疑で訴えられた場合、会衆の長老が調べることになります。 
     手順は以下の通りです。 2人の長老が、それぞれ、
訴えた人(被害者)と容疑者に会って、訴えとその反論を聞きます。 
     もし、容疑者が容疑
を否定した場合には、2人の長老は、訴えた人(被害者)と容疑者とを長老2人の立会いのもとで直接、
     対決してもらいます。

     その場でも、容疑者が否認し、更にその容疑を立証する者が誰もいない場合には、長老としては、会衆内においては何も
     行動を起す事はできません。  

     なぜできないのか? 私達は聖書に基く組織でありますので、聖書に定めた通りにする必要があります。 
     具体的には「
人の犯すどんな罪の場合であれ,何かの(とが)、また罪に関し、ただ一人の証人が立ってこれを責めるべき
     ではない。二人の証人の口または三人の
証人の口によってその件は定められるべきである(申命記19:15)」、イエスも、
     この原則を
マタイ福音書18:15-17において確認しています。

      私達の支部が、児童性的虐待の訴えを受け取った場合には、容疑をかけられた者の過去の記録が調査され、他の場所
     に住んでいた時に、同様の訴えがなされたことがあるか
どうかを調べます。 また、別の被害者が、同じ容疑者に対して
     信頼すべき訴えを起した
場合、長老は聖書によって認められた方法によって対処します。

      しかし、長老が会衆として何らかの行動を起す事ができなくても、その国の個人情報保護法上、許されるなら、その国の
     エホバの証人の支部に報告されることになります。

     同様に、個人情報保護法上、許されるならば、児童性的虐待の容疑をかけられた者の記録が、支部に残されます。 
     エホバの証人の各支部は、その所在地の法律によって、許
されている場合は、それぞれ自前の記録を保管しています。  
     米国の場合は、他の国
にいる児童性的虐待の容疑者の記録は持っていません。  
     個人情報保護法によって、
これらの記録を保管することが許されていない場合は、長老は、法律によって許される範囲で、
     子供たちを守る為、どんなことでも行なう。 目的は、個人情報が守られる権利と、
子供たちの安全を守る優先順位の高い
     問題とのバランスをどう取るかであります。
(Tテモテ5:19)

      エホバの証人の支部への報告に加えて、長老は法律に基いて、その訴えがまだ証拠の無いものであっても、警察当局
     に届けることが求められている場合もある。 そのような場
合、長老は法律に従うことが求められ、又、被害者は警察に届ける
     ことができるし、そうす
るのは、彼らの当然の権利である。 米国においては、この法律に基く届け出義務は、州ごとにそれぞ
     れ異なっている。 この届出義務と平行して、取り扱うことは、困難な事では
あるが、ものみの塔法務部は、最大限、努力している。

      訴える者(被害者)と容疑者が、長老の立会いの下で向合った結果、容疑者が罪を認めた場合には、長老は適切な処罰を
     下すことになる。 もし、容疑者が悔改めない場合は、
彼はエホバの証人の会衆メンバーとして留まることは許されない。
     たとえ、彼が心から悔
改めて、今後、一切そのような行為を絶対にやらないと決めたとしても、“ものみの塔誌1997年1月1日号“の
     記事に述べられた原則が適用されます。

     記事には“子供達を守る為に、児童性愛者と認められた者は、会衆において責任ある地位につくことはできません。
     “ 更に、その者はエホバの証人の全時間伝道者である”開
拓者“などの全時間奉仕の役割に付くこともできません。
     (Tテモテ3:2,7-10)

     私達はこのような行動を取るのは、聖書の基準を保つことと、私達の子供を守るためです。  私達の組織に属する者は誰でも、
     この基準に従う、つまり肉体的にも、精神的に
も、道徳的にも、霊的にも汚れのない者となることが期待されています。
     (Tコリント7:1, エペソ4:17-19, Tテサロニケ2:4)

      ごく少ない例として、児童性的虐待の前科がある者が、十年単位の期間の間、模範的なエホバの証人であった場合に、
     会衆での責任ある地位に任命される場合があります。

     すべての状況が注意深く検討されなければなりません。 例えば、ずっと前に16歳の少年であった者が、当時、同じく16歳の
     少女と合意の上で性的関係を持っていたと仮定し
ましょう。 このような事件が起きた場合、米国の法律によっては、長老は
     児童性的虐待と
して、警察に届けなければならない。 そして20年たったとしましょう。 
     その州の児童
性的虐待の法律が変わったかもしれない。 又は、この2人は結婚したかもしれない。
     2人とも、模範的な生活をして、尊敬されているかもしれない。 これら、まれなケースかも知れませんが、このような人は、
     会衆の責任ある地位に任命されることもあり得ます。


      私達の手続は、何年かの間に改良されてきた。 ここ数年の間に採用されている私達の方針によれば、児童性的虐待の
     罪を犯した者が、極めてまれではあるが、もし会衆の
責任ある地位に任命されるに当っては、少なくとも20年以上が経過して
     いなければなら
ない。 聖書によれば、罪を悔改めるなら、“悔改めにふさわしい行いをして、神に向かわなければならない“ 
     そして、私達は、聖書の言う事を受け入れている。(使途26:20)

     また、私達の子供の安全を確保することは、最重要であるから、会衆の長老達が、ずっと昔に、児童性的虐待の罪を犯した者を、
     責任ある地位に推薦する場合には、非常に注
意深くしなければならないと実感しています。

      あなたは、私達の組織が米国内において、23,720人の児童性的虐待者をリストに記録していると言っておられる。 
     これは嘘です。 まず、私達が記録している人数はそれよ
り、かなり低い。 加えて、私達の記録にある人数に注目するのは
     意味がない。 なぜな
ら、私達の記録にあるのは、児童性的虐待の訴えを受けたが、証拠がなくて容疑が明確でない人達も
     多数、含まれているからである。 私達は米国の法律を守るために、これら
の記録を保管しているのです。 
     さらに私達のリストには、多くの専門家が取り組んでいるいわゆる“抑圧された記憶”に基く訴えに関するものも含まれています。 

     そしてまた、このリストには、エホバの証人になる前に児童性的虐待の容疑をかけられた者、そしてバプテスマを受けたことの
     ない者で同じく容疑をかけられた者であるが、エホバの証人と同居しているという理由からリストに載せている者が含まれています。
     (例えば
エホバの証人の子供から、児童性的虐待の訴えを受けたエホバの証人ではない父親や義父などがこれに当たります。)  

      更に保守的に考えて、住んでいる州の法律によって、
児童性的虐待と見なされるかもしれないし、見なされないかもしれない者の
     名前も含めて
います。(例えば、合意の上で15歳の少女と性的関係を持っていた16歳の少年のような場合) 
     更に、覗きの罪、幼児ポルノグラフィーに関係した者などもリストに含まれています。 
     当然の事ながら、事実、児童性的虐待について有罪とされる者もリストに載っています。 私達は、米国において、このリストを
     持っていることについて弁解はしません。

     法律によって求められること以外にも、私達の群れを危害から守るよう努力するためにこのリストは有効だからです。(イザヤ32:2) 
     クリスチャン(エホバの証人)の両親は、児童性的虐待の危害を加える可能性のある者が、会衆の責任ある地位に任命される場合
     には、予め、察知できるように努力が払われていることを知っていれば、安心感を得る事ができます。


      ポウイーズさん、私達の仕組が完全であると結論付けないで下さい。 人間の組織で、完全なものはありません。 
     しかし、私達は児童性的虐待に対しては聖書の教えに基いて堅固な方針を持っていると信じています。  
     児童性的虐待の罪を犯した者は、躊躇なく会衆の責任ある地位から外されますし、又、その罪を知りながら、他の会衆へと異動
     させることは絶対にありません。 


      私達は、児童性的虐待を嫌悪しています。 例え、一人の被害者であっても、非常に多いと考えます。 少なくとも1981年以降、
     私達は、“ものみの塔、目ざめよ”の雑誌に関連記事を掲載して、児童性的虐待から子供達を守ることの必要性と重要性について、
     エホバの証人のみならず一般大衆をも教育してきました。 とりわけ、“ものみの塔誌”1997年1月1日号の記事“
邪悪なことは憎悪
     しましょう”、同じ雑誌の1983年10月1日号の記事“近親相姦の被害者を助ける”、それから“目ざめよ誌”の1993年10月8日号にある
     記事“お子さんは危険にさらされています”、“どうすれば子供を守れるか”そして、“家庭での予防”、同じく“目ざめよ誌”1985年1月
     22日号の記事“児童性的虐待―すべての母親の悪夢”が主なものです。 私達は何年もの間に、この方針が強化されなければなら
     ない地域に気付いていますので、見直してきました。 今後とも、見直していく予定です。


      あなたがこの手紙から多くの情報を得られることと信じています。 お気づきのように、私達としましては、あなたの質問リストにある
     一つひとつのご質問に細かくお答えするよりも、より広い観点からお答えしております。  
     あなたは、同じ質問状を私達のロンドン支部にも送って頂きました。  エホバの証人ロンドン支部は、その内部手続きと英国の法律
     に従って、あなたのご質問にお答えするものと思います。 

     どうぞ宜しくお願いします。

     敬具
     J. R. ブラウン
       (署名)
     ディレクター
     広報部

     JRB:01