ものみの塔内部の児童への性的虐待裁判(5)


1.NBCニュース 2012年6月15日
  記事抄訳

  ものみの塔に、2,000万ドル(16億円)の支払命令
  
 児童性的虐待訴訟の判決



 NBCニュース 2012年6月15日
 カルフォルニア州オークランドの裁判所は、少女に対する性的虐待事件に関してエホバの証人組織(ものみの塔ニューヨーク)の責任を2,000万ドル(16億円)以上の支払いを命じた。 6月14日(木)カルフォルニア州アラメダ郡上級裁判所は、原告(26歳)に対し懲罰的損害賠償金2,100万ドル(16億円)を支払うよう命じた。これは6月13日(水)の判決によって、原告の女性に対して支払われることになった700万ドル(5億6,000万円)の補償的損害賠償金に加えて支払われるものとなる。

 原告側の弁護士リック・サイモン氏によれば、ものみの塔聖書冊子協会ニューヨーク(エホバの証人)法人は、これにより懲罰的損害賠償金2,100万ドル(16億8千万円)の全額及び補償的損害賠償金の40%部分の支払義務を負う。なお、補償的損害賠償金の60%部分は、直接の加害者ジョナサン・ケンドリックに課せられる。
 被害者の原告であるキャンデイス・コンティさんはカルフォルニア州フレモントのものみの塔、エホバの証人会衆と加害者ケンドリックを訴えていた。当社NBCは本来、性的暴力被害者の身元を公表しない方針であるが、今回コンティさんは、同様の被害者がすすんで被害を明らかにしやすくするために、あえて身元を明らかにすることに同意された。
 訴訟の最終目標は、ものみの塔組織に対してこれら児童の性的虐待の加害者達を公表し、エホバの証人会衆が子供達を守るためであるとコンティさんは述べた。第2には、会衆内の被害者が沈黙してないで、勇気をもって被害を明らかにすることによって、エホバの証人会衆内の児童性的虐待の実態の解明とものみの塔組織の隠蔽政策を白日の下にさらすことであると。
 コンティさんが被害にあった当時、コンティさんの両親は共にエホバの証人会衆のメンバーであった。コンティさんは”私はその当時、最良のエホバの証人であろうと努めていた”とNBCのインタビューに答えた。
被告団のメンバー「エホバの証人フレモント会衆」の弁護士ジム・マッカビー氏は”判決は大変なショックだ”しかし上告すると述べた。 さらに”教会の平信徒が訴えた初めての損害賠償訴訟である”とNBCに述べた。 更に、ジム・マッカビー氏は”原告側弁護士のサイモン氏は事実を捻じ曲げている。上告裁の判決がどうなるか見守りたい”と述べた。
 陪審員の事実認定によれば、1990年代に、ものみの塔組織の監督下にあるフレモント会衆(カルフォルニア州)の長老達は、加害者ケンドリックが、過去に他の子供に対しても性的虐待を加えていたことを知っていたが、そのことを会衆メンバーには隠していたと原告弁護士サイモン氏は述べている。 ケンドリックはフレモント会衆所属のエホバの証人であったが、被害者コンティさんが9歳のときから2年以上にわたってわいせつ行為・性的虐待を続けていた。 ケンドリックは2004年にも他の少女に対して性的虐待を加えており、カルフォルニア州の性犯罪者として登録されている。ケンドリックは原告コンティさんへの犯罪については、刑事事件として起訴されていなかったが、現在、当局によって捜査が進められている。

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 ケンドリックは裁判に出廷しておらず、NBCは彼の連絡先をつかめていない。                   カルフォルニア州の性犯罪者登録リストに「よれば、ケンドリックは、14歳以下の少女に対するわいせつ行為、そして拘束された被害者に対する性的暴力の2件の有罪判決を受けている。 
 訴訟では、ものみの塔組織はエホバの証人会衆の長老達に対して、組織が訴えられることを防ぐために児童性的虐待の報告を組織内に留めて外には出さないように指示をしていたとのこと。サイモン氏によれば、”今回の判決は、ものみの塔組織が児童性的虐待の犯罪を隠蔽する方針を持っていたことが明らかにされたということで、非常に重要なものである。” 更に、”宗教組織内に於ける一人の被害者少女に対する性犯罪の訴訟において米国最大規模のものである”と述べた。
 エホバの証人は、聖書の独自の解釈をする自称クリスチャンである。メンバーが家庭から家庭への戸別訪問し伝道活動を行ない、「ものみの塔」や「目ざめよ」の雑誌を配布する活動でよく知られている。
原告被害者コンティさんは、この組織の南カルフォルニア会衆とフレモント会衆に対して、児童性的虐待の秘密方針を変えてもらおうと何度も試みたが受け入れてもらえず、訴訟に踏み切らざるを得なかった。
“原告被害者からは法廷外で和解示談する要求はなかった。原告被害者は組織の秘密方針を変えさせるためには、この訴訟の判決によって、すべてを公にする必要があると感じていた。” また ”お金を負担させることが、エホバの証人組織が会衆内の性犯罪者を隠すことを止めさせるためには、罰金を払わさせるのが、唯一残された方法である。”

 被告側弁護士マッカビー氏は、エホバの証人組織が児童性的虐待を秘密にする方針を否定し、判決は”前代未聞”であると述べた。”判決には大いに驚いた。児童への性的暴力は嫌悪すべきもので、我々は、あらゆる手段で防いている。””マッカビー氏によれば、ものみの塔組織の公の立場にはいないメンバーによる不正行為について、この事件の他には何もないと述べた。また上告について”この事件が解決まで長い道のりとなるだろう”と述べた。
 エホバの証人の組織は、支払命令を実行に充分な不動産はじめ多くの金融資産を持っていると原告側弁護士サイモン氏は述べている。
 以上