「魔法少女メロキュン☆かなたん!」

「という事でゲームスタートです」

「いやいやいや、意味分からないからね」





「理解力が無いですね、直枝さん」

「今ので分かったら凄いと思うんだけど…」

相変わらずのナイスつっこみですね。

日頃からの鍛錬の成果でしょうか。

「で、どういう事なの西園さん」

「実は先程のタイトルで同人誌を出そうかと思いまして」

「えっ?」

む、直枝さんは同人誌をご存知無いのでしょうか。

「いいですか直枝さん、同人誌というのは…」

「それは分かるから、語らなくていいから!」

残念です、これから成り立ちから魅力まで語りつくそうと思いましたのに。

まあいいです、それは別の機会に回しましょう。

「で、なんで佳奈多さんが主役でしかも魔法少女なのさ」

「一番似合うかと思いまして、あとしいて言うなら”需要”でしょうか」

なんでこんなに差が出るのか…

やはり時代はまだツンデレなのでしょうか。

「メタ的な発言はいいから…」

直枝さんがぐったりしながら言いました。

確かに少し脇道にそれすぎましたね。

「本題に入りますと、二木さんにこれを着て欲しいのです」

「これは…」

私が袋から取り出したのは典型的な魔法少女チックな衣装

あえて特徴があるといえば露出が多い点、○ニックフォームと言ったところでしょうか。

「なんでこんな物用意してるのさ、絵を描くだけでしょ」

「リアリティの重要性を舐めてはいけません」

実物を見た方がやりやすいですからね、いろんな意味でネタに出来ますし。

「でも佳奈多さんはこんなの着ないでしょ」

「だからわざわざ男子寮まで来て直枝さんにお願いしているのです、彼氏特権でなんとか出来ないものかと」

いかにクールな二木さんでも直枝さんには甘い、それはもう周知の事実です。

「それに直枝さんだって見たいんじゃないですか?」

「うっ…それは…」

男性ならこの露出の多いこの衣装は魅力的でしょう。

直枝さんだって例外ではないはずです。

「さあ、ご決断を」

「でも……」





「そこまでよ!」

「二木さん…」

意外と早かったですね。

もう少し時間がかかると思いましたが。

「来ヶ谷さんから聞いた時は疑わしかったけど、まさか本当にそんな事を計画してたのね」

「まだ企画段階ですがどうされるおつもりですか?」

まだ、下書きも何も無い状態なので没収される物もありませんが。

「決まってるわ、その服を没収します。それを置いて速やかに自分の部屋へ帰りなさい」

「仕方がありませんね、諦めましょう」

そう言って私は直枝さんの部屋をドアを閉め…

すぐさまドアに顔を付けます。

『もう、なんですぐ断らないのよ』

『ごめん、でもこれを着た佳奈多さんを見たかったから』

『何言ってるのよ、似合う訳ないじゃない』

『可愛いと思うよ、どうしても駄目?』

『しょうがないわね…』




ふふ、見事に作戦成功ですね。

直枝さんの部屋に事前にカメラを仕掛けておいたとは知らずに。

まあ、予定外の内容も入るかもしれませんがそれはそれで良しとしましょう。

本日もミッションコンプリートです。




 戻る