ぶるる。
手の中で携帯電話が震える。
たくさんの色が示しているのはメールの着信。
ディスプレイには「直枝理樹(彼氏さんv)」と言う文字が出ている。
その文字だけで何故か心が暖かくなる。
そそくさとぱちんと携帯を開け、メールの受信箱を開く。
リトルバスターズと別けられて置かれている「直枝さん」というフォルダ。
そのフォルダにNEW!の文字が躍っている。
ぽちっとボタンを押して中身を読む。

「明日はどこにいこうか?」

短い素っ気無いメール。
だけど何故かそれが直枝さんらしくて何と無く納得。
明日に思いを馳せる。
公園で二人でゆっくりと横になって。
遊園地で二人ではしゃいで。
街で直枝さんに似合う服を選んで。
色々したいことはあるけど別に直枝さんと一緒ならそれだけでいいことに気づく。
直枝さんに任せますか。
いえ、私が決めるのが億劫なのではなく直枝さんのデートのスキルをレベルアップさせるためですから。
と、誰にでもなく言い訳。
メールの本文を考える。
文学は好きですけど…どういう文章を送れば直枝さんが喜んでくれるか…考えて何度も何度も書き直す。
携帯電話はずっと握っていたせいで暖かくなってしまっている。
結局、直枝さんと同じく凄く短い文章になってしまった。
お詫びに最後に大好きって入れてみよう。

「直枝さんと一緒なら何処でも楽しいですよ。大好きです」

うん、何と無く愛してる感が出た。これでよしと。
ぽちっと送信のボタンを押す。
にやにやが止まらない。
まだ…かな?
まだかな?
返信まだ…来ないのでしょうか…。
数分置きにセンター問い合わせをしてしまう。
私と同じでどういうメールを送ろうか考えてくれているのでしょうか…。
そうだとしたら、幸せです。
でも、女性を待たせるのは失格ですよ?
早く返信してくださいね。直枝さん…




 戻る