「スイーツ」
「へ?」

 朝一番、会うなり僕は小毬さんに指を指された。

「ど、どうしたの小毬さん」
「理樹君スイーツ」

 指を指したまま何故か満面の笑みでこちらを見ている。

「すいーつ?」
「ふふふ、こんなのも解らないなんてやっぱり理樹君はスイーツだね」

 小毬さんはすごく勝ち誇った顔をしている。
 なんだかすごく悔しい。
 なんでだろう。

「あの、小毬さん、ほんとに意味が解らないんだけど」
「なんてスイーツ」

 ていうかこれは小毬さんなんだろうか本当に。
 なんか中に葉留佳さん辺りが入ってそうな気がする。

「んあ? どーしたんだ理樹」
「あ、真人」
「真人くん、おはよ〜」
「おう、小毬」
「あ、あれ?」

 真人に対しては普通に接しているようだ。
 一体さっきのはなんだったんだろうか。

「……まぁ、いいか」

 よくないけど。



「小毬さん?」

 昼休み、やっぱり気になった僕は小毬さんを尋ねることにした。

「うーまーいーぞー!!」
「?」

 いつものように窓から屋上に侵入すると、給水塔の方からそんな声が聞こえてくる。
 この声は小毬さん?

「小毬さん?」

 呼びかけてみるが返事がない。
 やっぱりおかしい。

「この山葉堂のワッフルすごく甘くておいしいよー」
「さん……ようどう?」

 なんだろう、すごく背筋が凍る名前だ。

「あ、スイーツな理樹君」
「何その呼び方!?」

 やっぱり変だ!

「こ、小毬さん、一体どうしちゃったのさ!?」
「どうもしないよぉ〜?それより理樹君もこれ一緒に食べようよ〜」

 ずい、と。
 こぼれ出さんばかりにクリームが入ったワッフルを差し出される。
 何故だろう。
 恐ろしく邪悪な気配を感じる。
 食べてはいけないと僕の身体が警告している……ッ!

「い、いや、僕はちょっと」
「遠慮しないでほら」
「いやだからむぐっ!?」

 あまっ!?
 なにこのあまさ!?

「ほらほらぁ〜♪」
「もがごっ!?がごもごごご!?」

 あ

 なんか

 だんだん

 いしきが……





 翌日。

「おはよーなのです、リキっ」
「おはようクド。スイーツ」
「す、すいーつ?」

 教室には小毬と甘い仲になった理樹がいたとか。








後書き
誰これ。



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