「大丈夫、だった?」

 唯湖さんにちょっと引き気味に尋ねる。
 流石にやりすぎた、そんな気持ちが僕の中にあった。

「……理樹君の馬鹿者」

 唯湖さんはそっぽを向けてそう口にした。
 間違いなく怒っている。

「いや、つい、ね」
「ついで済むものか! あんな、あん…あんな…恥ずか…しいことを」

 僕の方へと向きなおして怒るものの、自分で言葉にしているうちに自分がやってしまったことの恥ずかしさを思い出してしまったのだろう。顔が物凄く真っ赤になっていた。
 それも仕方ないことなのかもしれない。僕自身、まさか唯湖さんがあそこまでなるなんて思わなかったし。

「うん、でも僕は満足だよ」
「満足……?」
「唯湖さんの新しい一面を見れたからね」
「なっ……!」

 絵の具の赤色を直接顔に塗りつけたような赤さになってきた。
 心底恥ずかしいのだろう。でも、たとえ気絶してもここはベッドの上だから全く問題はない。

「いやあ、試しに買ってみてよかったよ。ネコロンα」

 またこんな体験ができるのなら、他の商品も買ってみてもいいかもしれない。
 使う相手が唯湖さんなら、きっとどんな道具でも自分が満足いくものになるだろう。

「うう、理樹君はベッドヤクザだ……」
「まあまあ、普段は唯湖さんの方が、ね」

 こんなときくらいちょっと仕返ししたって罰は当たらないだろう。

「私にこんなことまでして……本当に理樹君には責任取ってもらうからな」

 ちょっと涙目な彼女の精一杯の抵抗。
 それは素直に言うよりもちょっとだけひねりの聞いたプロポーズの言葉。
 だから僕は、彼女が返って困るよう、素直に、ストレートに言葉を返した。

「うん、よろこんで」
「なっ……す、素直に応えるな!」

 大分顔の赤みが治まってきていたというのに、再び赤くする唯湖さん。
 ああもう、ほんと、唯湖さんはかわいいなあ。
 絶対にまた、なんかいいもの買ってきて、そして使ってみよう。もっともっと、唯湖さんのこんな顔が見たいから。




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