「宮沢先輩…今日もご指導よろしくお願い致します」

「和泉は筋がいいからな、俺も教え甲斐があるな」

「私などまだまだです、もっと精進しないと」





「なんなのよ、あの娘!私の宮沢様に…」

初めまして、私の名前は…

って誰に説明しようとしてるのよ私は。

そんな事より今はあの娘、1年生の和泉若菜…

折角、部員の目を掻い潜ってこっそりと宮沢様鑑賞と洒落こんでたのに。

宮沢謙吾非公式ファンクラブ主催者としては見逃す訳にはいかないわ!

こういう時こそ会員と一緒に作り上げたこの「要注意人物ノート」が役に立つのよ。

「えっと、和泉若菜…地元の神社の一人娘・容姿端麗・文武両道・クラスメイトからの評判◎…」

なによ、この反則的なハイスペックは。

大丈夫、人間は個性よ個性。

でもこれは何か手を打たないとまずいかしら。





というわけで情報収集開始!

部員達は練習中、悔しいけど宮沢様もあの女に掛かりっきり。

今のうちに宮沢様のロッカーチェックをするわ。

『ストーカーと呼ばないで、あなたが好きなだけ〜♪』

ちょっと、何こんな歌流してるのよ放送室…

監視カメラ付いてるんじゃないでしょうね。

「やっぱり普段からあの恰好だからロッカーの中身は少ないわね…」

あんまりいい情報は得られそうにないなと思いながら手探りで鞄の中を探す。

すると教科書と教科書の間から何か厚い本が出てきた。

「………巫女服大全?」

そしてふともう一度要注意人物ノートを確認する。

『地元の神社の一人娘』

「まさかね…」

私はその嫌な想像を永久に脳内から追放する事に決めて、鞄を元に戻すのだった。




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