「直枝さん…次はたこ焼きを食べましょう」

「あっ、うんそうしようか」






西園さんの浴衣に見惚れていた僕は、その言葉で途端に現実に引き戻された。

期待はしていたけど、西園さんの浴衣姿はとても似合っていて、僕はずっと見つめてしまっていたのだ。

「どうしました?直枝さん、考え事ですか?」

「なんでもないよ、それよりたこ焼きだよね」

本当の事は恥ずかしくて言える訳ないから、誤魔化すしかない。

こんな僕でごめんね、と心の中で何度も謝っている。

「へい!たこ焼きお待ち、熱いから気を付けなよお二人さん」

「ありがとうございます」

またも思考モードに入ってる間にたこ焼きが出来上がったようだ。

美味しそうだけど動く鰹節がその熱さを物語る。

「ハフっハフっ…熱いです…」

「食べるの早いよ!?」

まだ一口で食べるには無理があるだろうに、西園さんは勢い良く頬張ってしまったらしい。

飲み込めないようなので急いでさっき買ったウーロン茶を渡してあげる。

「ゴク…ありがとうございます」

「無茶だよ、もう少し冷まさないと…」

「では…直枝さんが冷ましてください」

なんだかすごく恥ずかしい事を言われた気がする。

それはここで俗に言う「ふーふーして冷ます」という行為をしろということだろうか。

「私も恥ずかしいので早くお願いします…」

「う、うん分かった」

西園さんも恥ずかしいらしい。

それが分かると自然と恥ずかしさは薄れて行動出来た。

「ふーふー…はい、あーん」

「あーん…美味しいです直枝さん」




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