「じゃあいってくらぁ」
「うん、いってらっしゃい真人」

 バタン、とドアが閉じられる。
 真人が確実に外へ出て行ったことを窓から確認して、僕は重いため息を吐いた。

「いいなぁ」

 それが率直な感想だ。
 そう、何を隠そう真人はデートに出かけたのだ。
 相手は勿論クド。
 傍目にはミスマッチだけど、個人的にはお似合いなんじゃないかと思う。

「謙吾と恭介も今日はいないんだよなぁ。何やろう……」

 僕が重いため息をはいたのはここに一番の原因がある。
 謙吾は二木さんと、恭介は小毬さんとデートなのだ。
 リトルバスターズのメンバーで僕だけが唯一彼女が居ない。
 改めてその事実を突きつけられ、僕のテンションは最低値まで沈んでいた。
 というか謙吾と恭介はわかる。
 同性の僕から見てもかっこいいと思うし、実際に2人はモテモテだった。
 でも、まさか、真人までなんて。
 そして僕は一人だなんて。
 一体どうしてこんなことになったのだろうか。

 ブーン。 ブーン。 ブーン。

「あれ……?」

 落ち込んでいると、携帯に着信が着ているのに気付く。
 どうやらメールみたいだ。
 差出人は……鈴?

 『男は何すれば喜ぶんだかよくわからん
 おしえろ(∵)』

「…………鈴も、デートか……」

 追い討ちをかけるかのようなメールに、僕は最早レスを返す気力すら残っていなかった。
 そのままふらふらとベッドに倒れこむ。

「寝よう……」

 眠れば全てを忘れられる。
 そう、たとえどんなに辛いことがあっても眠っている間だけは忘れられるんだ。
 だから、このまま……









『……学園にて男子生徒の衰弱死体が発見されたことについて、学園側は……』

「世の中まだこんなことがあるんだなぁ」
「どうしたんですか朋也くん?」
「いや、なんでもない。」




 戻る