「来ヶ谷唯湖…覚悟!!!」

「むっ…君は沙耶くんだったか」

許せない…

よくも…よくも理樹くんを!

「ふむ…事情は分からないが私も襲われて大人しくしている程お人好しではないのだよ」

「何を、ぐっ!」

こちらの攻撃を紙一重で避けての、すれ違い様の攻撃。

力強い一撃はあたしの意識を奪うには十分すぎる威力だった。

ごめんね、理樹くん…あなたを助けられなかったよ。






「なかなかそそるな、お姉さんはもう辛抱たまらんよ」

「はっ!?」

何故か強烈に悪寒を感じて飛び起きた。

自分の防衛本能を心から賛美したい気がするのは何故だろうか。

「ちっ…目覚めたか、気分はどうだね?」

「舌打ち!?って来ヶ谷唯湖!?」

思わずつっこんでしまったが目の前にいるのは私が最も憎むべき人物。

あたしから理樹くんを奪った張本人だ。

あたしはベッドから素早く抜け出すとすぐに戦闘態勢に入った。

「ちょっと落ち着いたらどうだ、沙耶くん…私は君に攻撃される覚えなんて無いんだが」

「しらばっくれないで!あたしから理樹くんを奪っておいてまだそんな事を!」

例え否定してもネタは上がってるんだから!

理樹くんはあたしの彼氏なのに…なのに何日もずっと二人で行動してて。

用事があるって言ってデート出来なかった日も一緒にいるのを見たんだから!!!

「もしかして、君は少年の特訓の事を言ってるのかね?」

「特訓?」

呆れたような口調で言うので毒気を抜かれてしまった。

「実はな、少年が「彼女を守る力が欲しい」って言うものでな、お姉さんが稽古をつけてたのだよ」

「な!?」

じゃあ何?理樹くんがあたしのためにしていた事を勝手に勘違いして、挙句に協力してくれた人を襲って…

「笑えるわよね…笑えばいいでしょう、勝手に勘違いしてこの様よ、ごめんなさいでしたー!」

本当に馬鹿みたい…

「…………お姉さんはまったく笑えないのだが」

「ちょっと!?謝るから!何その手!?」

「私はお人良しではないと言っただろう?なーにちょっとお姉さんを楽しませてくれればいいのだよ」

「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!」




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