西秩父議員クラブ研修会

2003/9/4(木)

「市町村合併と西秩父の未来」

講師:日本政策投資銀行 地域企画部 参事役 藻谷浩介氏

何で合併?
国のせいなんです。都道府県もなんとかしたいんです。
税収が74兆円なのに地方へは86兆円も使っている。
手段として合併問題になる。

あと10年で国民の貯金=国債残高→国債が売れなくなる→金利負担しているものが潰れる。
→インフレ→預金棒引きになる危険

これ以上公共投資をしろというのは大きな間違い。
総裁選でも大きな投資をと言っている人がいるが大間違い。

世界一金持ち1200万円/1人 で 国債は600万円/1人
国が返すのだからと言っているが、国は国民。国民が返すのです。

武力を持ったって尊重はされない。
世界から日本は1円たりとも借りていない事実。

しかし、特例債を使えば5〜10年でむしり取られることになる。
7割もらえると思ってはいけない。国民皆さんの借金です。
3割は即むしり取られるのです。
■今後人口が減る中で相変わらず土地とハコを増やすと失敗は必然。


秩父市では何を考えているかは分かりません。
さいたま市は合併してひどいものです。
国にも立派な人はいっぱいいるが地方のことなど面倒は見ない。

雁坂が効果無かったとがっかりしているかもしれませんが・・・
東京と自分の地域しか興味がない。が、東京もひどいのです。

江戸時代の前半は人口が一気にふくれた。土木の時代。
後半は建物にかけた。ゼネコンの時代です。
戦後一気に増えた人口と急成長。(土木の時代)
そしてゼネコンの時代になった。
しかし人口は戦前に戻る。
子供を産まないとか結婚しない「若者は何だ」は通用しない。
皆様の時代は人口の増え方が珍しい時代だったのです。
毎年100万都市が1個以上できた計算になる。
■この50年のこうだったの平均値は使えないのです。


秩父はこの50年極めて豊かだった。
さいたま市は50年前はぺんぺん草→今はニュータウン
しかし、これからは50年間でできたものから人が減り空っぽになる。
高麗駅前は今は寂れました。入間の町も小さくなりましたよ。
所沢も輝きが無くなりました。池袋もにぎわいが減っている。
人(子供)が減るのは仕方ないのです。人(若者など)のせいにしてはいけない。
人口を増やそうと論議するのはやめましょう。4割減るのは当たり前なのです。
団塊の世代が多すぎたのです。元に戻るだけです。
教育の世界でも減ってきている。
車を動かす20代の若者が3割も減っているのです。
不景気ではないのです。若い人が減っているだけなのです。
東京のデパートが売れなくなるのは当たり前なのです。
供給過剰だから値段を下げてでも引っ張るの→デフレ→国のせいではない
国はベーシック(基本的)なもので動いている。

人口の減り始める前が恐ろしいですね。
あと20年先は第2次少子化世代が親となり出生は半減。70歳以上が15%も増える。

「東京は元気だ」は大きな間違い。「都の財政が1番悪い」のです。
東京都市圏では若者の減少。153万人減る。
70歳以上が319万人増える。121%増。これは2.2倍です。
一気に増える老人介護問題。これは西秩父より相当大きな問題。
残念ながら、埼玉県は全国一高齢者が増える県となる。

今まで都心部は日本の人口の25%が居ながら、交付税4.6%しかもらっていなかった。
あと20年で東京が衰える。東京の方が地方より大変なのです。
東京やさいたま市などの都市部は税源がない。→交付税をそっちにやらざるを得ない。
すなわち地方への交付税も減る。


寄居町は38000人もいながら、にぎわいもない。
長尾根トンネルも金がかかる。使う必要はない。
派手に使って目立つことはない。
いい時代50年を生きてきたじいちゃん達は危機感が全くない。
これからの金持ちは社会の安定のために金を払わないといけない。


合併したのが悪いのか、合併しないのが悪いのか?
合併はしないと財政再建団体になるでしょう
合併しても、自助努力もしない団体はすぐ潰れるでしょう。
西秩父なら痛みが分かるのでまとまりやすい。
大きな合併は、こっちもこっちもと投資を求めて潰すことになる。
合併してもうまくいかないことが多いのはそういうことだ。

しかし、西秩父でひっぱりっこしたらなおわるい。
高齢化の状況
2000年 2020年
70代以上 70代以上 70歳以上のお年寄り 20〜50代
小鹿野 17% 24%  300人増15%増  1300人減31%減
吉田 19% 23%  100人減12%減(減は珍しい)   800人減32%減
両神 19% 22%   70人増13%増   400人減29%減
西秩父 18% 23%  100人増 3%増  2800人減28%減
秩父市 14% 23% 3000人増36%増  7700人減25%減
広域7市町村 15% 23% 3700人増25%増 13000人減27%減
東京大都市圏  9% 19% 319万人増121%増 153万人減 9%減
日本 12% 21% 1166万人増78%増 961万人減14%減
市町村合併の問題点
  • 合併後も続く、旧町村への均等バラマキ:倉敷や北九州、いわきなどでは、中心市の求心力の範囲を超えた合併を行った。→市民に一体感が無く、市の歳出は旧市町村に均等にまかれ、合併効果減少。
  • 新市街地づくりで市街地が拡散、財政は窮乏:合併前の各自治体の意地の張り合いと、土地投機。人口の割ににぎわいのない市になる。(さいたま市や寄居町が典型)郊外の上下水道・道路整備の負担で財政は窮乏。
  • 「寄らば大樹の陰」意識の横行:合併が進めばすすむほど、各コミュニティの自助努力意識は希薄になる。何でも市任せ。結局行政サービスにかかるコストが上昇。
  • 合併特例債の使い方を間違うとツケが回ってくる:7割で公共工事ができるクーポンであってタダ金ではない。不要不急な工事をすれば残り3割の借金が、後々のしかかってくる。
分析が教えるもの
合理化しなければ行政は持たない。
しかし、合併してバラマキが増えるのも悲惨。
お互いに痛みを分かち合える範囲での合併。

以上、田島昭泉の聞き書きと資料の要約です。多少のニュアンスの違いはご容赦下さい。

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以下は他紙のインタビューからの藻谷氏の言葉の抜粋です。

●街のあり方
 人や店が集積していなければ、お金を落としていかない。丘の真ん中に飲み屋があるのと、そばに新鮮な魚市場があるのとでは、お金の落ち方が全然違う。

●バラマキの合併は注意
 合併は大同団結。地域エゴを言うほど足の引っ張り合いになり、全体として魅力のないまちになる。失敗例は、直江津市と高田市が合併した新潟県上越市。際限なく、ばらまきを続けています。

●地域興しは
  • 1つはミクロの視点。校区ごとに自治組織を置き、住民の幸せに直結するものを自分たちで考え、工夫すればするほど予算がもらえる仕組みにする。競争が生まれ、地域が活性化されます。
  • もう1つはマクロ、グローバルな視点です。 「世界」「環日本海」などといった視点から人を呼べるまちをつくるため、ソフト事業を展開できる地域を徹底的に強化する。地域と言っても、合併したのであれば、旧市町村単位という中途半端な線引きでは駄目です。