
KAMUI
11話・二人(前編)
翌日。
カムイが学校の正門に行くとすでにホープがいた。
急いでホープに駆け寄るとホープも気づいたようで笑顔で迎える。
「眠そうだね、ちゃんと眠りましたか?」
「まぁ・・・そこそこ・・・」
実際のところは早めに眠ろうとしたのだが結局いつもの時間くらいに寝てしまったのだ。
カムイは目をかるくこすると二人は学校の外に出ようとする。
「ちょっと待て!!」
「・・・?」
カムイが後ろを振り向くとそこには以前温室で戦いを挑んできた風紀委員長、キールの姿があった。
ホープはびっくりした様子で思わずカムイの腕をつかんでしまった。
「貴様、カムイとか言ったな!俺と戦え!」
「なぜそうなる・・・」
「貴様がホープにふさわしい奴か俺が見定めてやるって事だ!!」
「先輩と出かけるのにいちいちお前に確かめられなきゃいけないのか・・・」
意味不明な答えにカムイは馬鹿馬鹿しくてやってられないのかまったく相手にしていないようだ。
その態度はキールの怒りにさらに火をつけたようだ。
「その態度が気に食わないんだよ!」
「・・・!?」
キールは右腕をかざして詠唱をするとどこからともなく雷の轟音が響き渡る。
そしいてキールが右腕を下ろすとともに凄まじい雷がカムイに襲い掛かる。
「なっ・・・」
「炎じゃ雷を防げないだろ!」
「もう、やめて!」
ホープがそう叫ぶとカムイの頭上に大きい氷の塊が一瞬にして現れ、キールの雷を受け止めて砕け散った。
それを目の当たりにしたキールは驚きを隠せない。
ホープは少し厳しい形相をしてキールをにらみつけた。
「お願い・・・放っておいて・・・」
「ホープ・・・」
ホープはカムイの服の袖をつかむと走り出し、カムイと共に去っていった。
「あぁ〜あ、どうすんのよ?」
どこからとも無くトウガがひょっこり現れた。
キールは少し固まっていたが我に戻ってトウガに怒鳴り散らす。
「おい!一部始終見てただろ!」
「まあな、まぁ他には黙っててやるから心配すんな」
「そういう問題じゃねぇ!」
キールはトウガにあたるがトウガは大して動じず笑いながら受け流す。
しばらくして疲れたのだろうかキールは少しおとなしくなった。
「・・・」
「どうだ?言いたい事言ってすっきりしたか?」
「・・・あぁ」
そのころカムイ達はスタジアムの前にいた。
すでにチケットを持っていた二人は並ぶことなくスタジアムに入ってゆく。
そこには多くの観客で賑わいを見せ、まだ試合の始まる30分も前にもかかわらずほとんどの客席が埋まっていた。
あまりの賑わいにホープもうすうす感ずいていたが驚きの表情を見せた。
「すごいにぎわってるね・・・」
「あぁ・・・すごいな・・・」
二人が前のほうの席に座ってしばらくすると試合の合図とともに多くの選手がスタジアム中央に集まった。
筋肉隆々の巨漢から幼げな魔法使いの少女まで選手の年齢から戦闘方法までバラバラだ。
「どう考えても魔法使いが有利じゃないか・・・?」
カムイは腕を組みながら選手を観察する。
ホープはメモ帳を取り出して選手の顔を見ながらなにか書いているようだ。
「魔法使いの詠唱より相手の攻撃が早かったら肉弾戦の人のほうが強いよ、防御型の魔法使いだとわからないけど・・・」
「ふむ・・・」
試合が始まり、二人は黙ったまま時間は過ぎてゆく。
気づけは二人は全試合が終了して帰るまで黙ったままだった。
午後になったころにスタジアムから出た二人はそのままの雰囲気で近くの公園に来た。
とても大きい公園で木々が生い茂り、石畳を歩いていくと広い広場がある。
大きな噴水もあり、カップルや子供連れでにぎわっている。
そよそよと優しい風が公園全体に吹き抜ける。
ホープは深呼吸をするとカムイに微笑みかける。
「どうでした?今後の参考になりました?」
「・・・」
「・・・カムイさん?」
カムイはホープの顔に見とれていたようで、はっと我に返る。
「あぁ、色々参考になることが多かったかな・・・」
「そうですか、それはよかった。お互いがんばろうね、大会。」
カムイはその言葉に驚いた。
「え、出るんですか大会・・・」
ホープは若干恥ずかしそうに頭をかく。
「ははは・・・なんかでることになっちゃった。」
「ははは、って・・・」
するとホープはメモ帳をカムイに差し出した。
カムイはそれを黙ったまま受け取るとホープは歩き出した。
「それ、色々観察しながらメモっておいたから。参考にしてね♪」
カムイはメモ帳を大切にポケットにしまうとホープについて歩き出した。
唐突にホープはカムイに問いかける。
「せっかくだしどこかで何か食べよっか?」
「え?・・・あぁ、そうだな・・・」
その場の雰囲気で二人は近くに店を探しに歩き始める。
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