
KAMUI
2話・憂鬱(後編)
「・・・ちっ」
カムイは結局シデンに眠りを邪魔されて眠気が覚めてしまったようだ。
すこしイラッとした様子で不機嫌そうな顔で窓から学園の外を見ている。
大体先生の言ってることはわかっているようで暇で仕方が無い様子。
窓側は日差しがうっとうしいが良い事がある。
暇なとき外を眺められるからだ。
廊下側だったら寝るしかなかっただろうが結局シデンに邪魔をされそうだ。
「ん・・・?」
授業中なのに生徒が外を歩いてるのが見える。
「どの学校にもそういう奴はいるんだな・・・」
外を歩いている生徒と目が合ってしまった。
もの凄く嫌な感じなってしまった。
この時にどのタイミングで目をそらせばいいか考えてしまう。
とりあえずノートくらい書くか・・・、と徐に机からノートを取り出すとカムイはサラサラ黒板に書いてある内容を書き写していく。
字の綺麗さはあまり自信ないが書く速度ならそれなりに自信があるようで、
数十秒で黒板いっぱいの計算式や呪文を書き写してしまった。
「シデン。ノート見せろ」
「あいヨー。その代わり後でジュースおごってくれヨ」
「・・・足元見やがって」
しぶしぶ交換条件に合意してカムイはノートを受け取って写し始めた。
写し終わってシデンにノートを返すとジュースを奢った後カムイはまた机で寝てしまった。
結局今日もこうした調子で放課後を迎えてしまった。
カムイは眼を覚まして軽くため息をつく。
ふと壁に張ってあるポスターに目がいく。
"東洋魔術研究部 部員募集中!"
"魔法剣研究部 部員募集中!"
部活の部員募集のポスターだ。
この学園では1年生は夏までに何かしらの研究部に入らないといけない。
カムイはまったくやる気が起きなかったが流石にこんなところで内申点を悪くするわけにもいかない。
カムイはとりあえず活動してる研究部の様子を見に行くことにした。
とにかくシデンとは一緒になりたくないようで、前もって聞いていた部活は見に行かないことにした。
気の向くまま歩いたカムイは"魔法剣研究部"にたどり着いた。
――――――――――――
予想通り。
部活担任はカムイやシデンのクラス担任でもあるジャハナ先生だ。
ジャハナ先生は槍に炎をまとわせる技で若いころはその技で魔法使いの護衛なんかを仕事にしていたらしい。
普通そこまでの実力ならぜひ指導してもらいたいものなのだが・・・
「おい貴様!詠唱が遅い!そんなんでは敵に切られるだろうがぁ!!」
「すいません〜!!」
普段物静かな先生とは思えない怒号に部員がひるんでいる。
武器を持つと性格が変貌するあの二面性がとても印象的かつビックリする・・・
気づかれる前に退散しておこうと思ったカムイはこっそりその場を去ろうとした。
「ん?そこにいるのはカムイじゃないか!!」
「・・・」
気づかれたようだ。
散々入部をしろと言われたがやはりやる気が無いカムイは急いでその場を後にした。
あの先生に放課後毎日しごかれると思うだけでも鳥肌が立ってくるらしい。
結局入りたい部活が見つからないカムイは学校の中庭のベンチに座り込む。
あまり人と関わりたくないカムイにとってはどの部活も入る気が無いのだろう。
ふと気づくとどこからか冷たい風が吹き付けてきた。
カムイはゆっくり立ち上がると風の吹く方向に歩き始める。
「ここは・・・?」
しばらく歩くと目の前に大きな温室が現れた。
魔法花研究部とかいう部活の部室だろう。授業でも何度か来ていたので大体中の構造もわかっていた。
温室は多くの部屋があり、寒いところで咲く花や暑いところで咲く花、その他の特殊な環境で咲く花とありとあらゆる植物を育てられる世界にも認められる大温室である。
新聞にも載って一時期は一般公開していたほどに地元では有名な温室らしい。
しかしながら部活自体はとても地味そうだ。
だがカムイは地味なのほうがありがたいのだろう、地味であればそんなに部員もいないだろうと考えたのだ。
「入ってみるか・・・」
Copyright (c) 2007 D All rights reserved.
-Powered by HTML DWARF-