エピローグ 「By far after those days」



帰ってくると、フェイトさんがすぐさまに駆け寄ってきてくれて、私とエリオ君を抱きしめた。
その抱きしめている間中「大丈夫だった…?心配で心配でしょうがなかったんだから…。」と少し潤んだ声で私たちの心配をしてくれた。
ふと顔を上げると、なのはさんもいた。
「二人とも無事だった?二人ともいない間、夜は大変だったんだから…。ずっと私にすがりついてきて、『二人とも、向こうで大変な目に遭ってたらどうしよう…昔の私が二人に何かやってたりしないかな…』とか、落ち着かせるの大変だったんだから。」
ため息混じりになのはさんは笑った。
「もう…なのは、それは言わないって約束でしょ?」
照れて顔を赤くしながらフェイトさんは言った。…そんなに心配してたんだ。
「キャロ、エリオお疲れ。」
「あんた達がいなかった間、ポジション別訓練の相手がフェイトさんも加わって凄い大変だったんだから。」
「スバルさん、ティアナさん…。」
笑顔で二人は立っていた。なのはさんとフェイトさんの9歳の時のコンビと一緒に戦ったから、改めてさらに凄さが想像できる。
「あ、そういえばキャロ、なのはさんの小学校の時ってどんな感じだった?」
「こらこらスバル。恥ずかしいから聞かないでって。」
スバルさんがとても目を輝かしていた。その傍らでなのはさんが心なしか苦笑いしていた。
「そうですね…。うーん、禁則事項です♪」
「えー。それに禁則事項ってなに〜?」
「内緒です。」
笑いながら私は言った。これを知っているのは私とエリオ君とそしてあの時にいた、私と戦ってくれたあの時までの記憶を持っていたなのはちゃん達だけだから。
そうやってみんなと話している端で、エリオ君が自分の服の中を見てそわそわしていた。
「エリオ君、どうしたの…?」
私がそう聞くとわっと驚いたように飛び退いた。それにびっくりして思わず私も「きゃっ」って声が出ちゃった。
「な、ななな、ななんでもないよ!奈々ちゃんの新曲がで、出ないかなぁーって思って…あ、あはは…」
誰から見てもエリオ君の様子がおかしかった。
「あれー?エリオどうしたのかなぁ?」
その様子にティアナさんが笑いながらエリオ君に迫っていた。そして、状況的に逃げるのが不可能だと察したエリオ君は観念して、諦めた表情を見せた。そして、腕を袖から自分の服の中に入れて、モゾモゾとやっていた。そして服の中から出てきたのは…下着!?
「エリオ…これはどういうことなの…?しかもこの下着ってキャロの…!?」
「え!?」
私も思わず声を出していた。まさかエリオ君が…。
フェイトさんはショックな色を隠しきれていないようだった。もちろん周りのみんなも少し後ずさっている。
「ち、ちちちちがいます!向こうの時代の時にはやてさんに無理矢理着せられて…」
「あぁ…なるほど。」
その場で私だけが納得していた。そして、私が状況をかいつまんで説明すると納得してくれた。はやてさんがやるということは大体みんな分かっているようだった。
そうして、下着のタグの所を見てみると、『八神はやて』とマジックで丁寧に書かれてあった。
「もう…エリオがそんな趣味に走ったかと思った…もしそうだったら私…これからのエリオへの接し方がわからなかったよ。」
一安心したような表情をフェイトさんは見せていた。私も、もし私の下着をエリオ君がつけていたらということを考えたら……。
「あ、そうだ、フェイトさん。」
「うん、なに?」
「はやてさんは、今いますか?今回の件について報告しないといけないんで。」

一方その頃、はやてはというと…。
「おっ、ここのシーンえぇなぁ。シャリオ、ここキャプチャしといてな。」
「はい、はやてさん♪」
部屋にこもってパソコンやプロジェクタを使って、キャロ達の戦う姿の映像を見ていた。
何故か?
答えは簡単だ。カリストとは、実は八神はやてであるから。はやてが、変身を施してカリストという女性になり、そして向こうの時代に跳んでカリストとしてさらに、ロングアーチスタッフを引き連れて、彼らにキャロたちの動きのウォッチングを任せていた。そして、その映像は全て、はやての所に届く仕組みに。むろん、今回の件はキャロ達に実際の被害が及ばないように、本局からも許可は得ている。今回の目的をごまかしているのに加えてクロノを上手く言い負かせた。という所でとても問題があるが。
そして、はやてとシャリオで編集やキャプチャを行って二人で個人的に楽しむという寸法に。
「おーキャロとなのはちゃんのお風呂シーンや。あーもう、その時の二人と一緒にお風呂入りながら色々教えたかったなぁ…。」
「はやてさん、ちょっとそれは危険な発言ですよ…。」
むしろ暗い部屋で二人、大の大人がニヤニヤしながら映像を眺めているのも危険である。
「おっ…昔の私か。エリオに服を着させとるんやな。昔の私も良いセンスしとるなぁ…そう、それや!その服がエリオには似合うと思うんよ。」
そのまま二人はモニターに時が忘れるほどに夢中になっていた。

私ははやてさんのいる部屋に、懐中時計を持って向かっていた。今回の事件に関する報告とカリストさんが言っていた、今の世界に答えがあるということについて相談するために。
ドアを開けると部屋は暗く感じたけれども、目の前にあったプロジェクタの明かりであまり暗くは感じなかった。
「これって…」
驚いた私がそう呟くと、スクリーンの前に座っていた二人の首がカクカクとこちらに動いて、振り向いた。その二人の表情はとても青ざめていて、あははと苦笑いを浮かべていた。
そして、ちょうど映像のシーンを見てみると、私が戦っている所で映像が止まっていた。しかも、そのシーンは思いっきり下からのアングルで、見せちゃいけないところだった。
「え、えーっと…これはやな…」
「キャロの戦闘時のときの研究ですよ……うんうん。空間把握のためにも、ね?」
「へぇーそうなんですか…。」
「う、うん。そうなんよ。」
もう後は怒りへと身を任せるしかなかった。
「天地貫く業火の咆哮、遥けき大地の永遠の護り手」
「ちょ、ちょっと待ちいや…ここで召喚したら天井突き破るで…」
「我が元に来よ、黒き炎の大地の守護者。」
「キャ、キャロちゃーん…?これ、これって本気なのね?」
「…竜騎招来、天地轟鳴、来よ、ヴォルテール!」
ゴオオオォォォォォ… ドカアアァァァン!

そして、その部屋は映像と共に火の海に葬りさらされた。
─ fin…? ─

設定(問答無用にネタバレです)

・カリスト…唯一のオリキャラ(はやての変装姿ですが)なのですが、名前の由来は名前に悩んでいた時に、適当にギリシャ神話とかそういったサイトを回っていた時に、「よし、これに決めよう!」ということで使わせて頂きました。
・「ベルゾゲルド・アイセス」…はやてちゃんが使った魔法なのですが、英語に略すと「delayed ice」です。今回勝手にオリジナル魔法を作っちゃいました。
・「Magic Enhanced Acceptation」…これもオリジナル魔法です。ストラーダに魔力エネルギー受託補助をさせることによって、「Boost Up Acceleration」以上のエネルギー加速をさせる魔法です。
その他色々と作中に出てきていない部分がありますが、大元の呪文に対象人物など色々を追うようさせたので緩い目で見てやって下さい。