
煎茶といえば、日本人にとっては余りにもポピュラーなお茶であることは間違いないでしょう。最近はコーヒー等にするケースが増えているとはいっても、やはり家庭やオフィスには必ず常備しているお茶だと思います。
特に和食の後や大福などの和菓子をいただく時などは、濃い目にいれた香り豊かな煎茶を飲んで、ホッと一息つきたいと思う人は多いのではないでしょうか。
しかしあまりにも身近な存在のために、そのいれ方にこだわっている人は意外と少ないような気がします。エスプレッソはマシンまで揃えて本格的に作ったりするのに、日本の代表的なお茶である煎茶がきちんといれられないのは、ちょっと残念なことです。
かく言う私も、独身OL時代にお茶当番になった時、いつもすごく適当ないれ方をしていて、その度に薄かったり濃すぎたりしていたため、先輩や上司によく怒られたものです。
今とは時代が違うのもありますが、「お茶の一つもちゃんといれられないようじゃ、嫁の貰い手がないぞ」などとしょっちゅう課長に言われて、給湯室で同僚と愚痴っていたものでした。
そんな私も無事に結婚でき、日常的に煎茶をいれるようになったわけですが、そこで改めて気づいたのは、やはりいれ方ひとつでお茶は全然味が違うということです。
沸騰したての熱湯よりも、面倒でもちゃんと湯冷まししたお湯を使った方が、確かに適度な渋みと旨みが出て美味しいし、きちんと蒸らし時間をとるのととらないのでも大違いです。
まず湯冷ましのために湯飲みに8分目までお湯を注ぎ(茶碗を温めるのも兼ねる)、急須に煎茶の茶葉を入れます。この茶葉の量は3人分で約6g(大さじ1杯半程度)です。
そして先ほどの湯飲みのお湯を急須に注ぎます。この時点でお湯はだいたい80~90℃程度まで下がっているので、煎茶の抽出温度としては最適なのです。
そして蒸らして抽出を待つこと1分(深蒸し茶の場合は約30秒)、しっかり茶葉が開いているのを確認したら、味や濃さが均一になるように湯飲みに回し注ぎします。
この時に大切なのが、最後の一滴までしっかり注いでしまうこと。この最後の一滴に煎茶の旨みが凝縮しているとも言われており、しかもこうすることで2煎目以降も美味しく飲むことができるのです。
さらにこだわる方の場合、外気温の違いによって器の温度やお湯の冷め方も変わってくるため、その季節に応じた最適の湯温や湯量、抽出時間でいれるのだそうです。
若い頃はたかがお茶のいれ方なのに、と反発ばかりしていたのですが、こうして家族や自分自身のためにゆっくり煎茶をいれるようになった今は、やはり多くの人が長年伝えてきた「基礎」というものには意味があるのだなと思うのでした。