日時

目的地

所在地

2012年3月29日

近庄峠(378m)

鷹取峠(約440m)

鷹取山(454.1m)

坂井市丸岡町上竹田/上久米田

坂井市丸岡町大森

同上

 行動日程

旧(古)道入口(駐車したところ)12:55〜13:30旧道と古道分岐13:30〜13:35古道跡終点13:35〜13:40林道曽谷・豊原線に出る13:40〜13:45近庄峠13:50〜13:55古道と尾根道の分岐13:55〜14:20道が切れ落ちた場所14:20〜14:30切通し道14:30〜14:40鷹取山登山道に合流14:40〜15:50鷹取山山頂15:10〜(巡視路)〜15:25林道曽谷・豊原線に出る15:25〜15:50林道曽谷・豊原線から古道へ15:50〜(新しい作業道)〜16:20旧(古)道入口(駐車したところ)

 参考資料

Web情報:国土地理院/基準点成果等閲覧サービス(三角点情報)

      :電子国土ポータル

文献   :

 過去の山行記録

2008年4月5日2008年11月14日2012年1月22日

地理院地図によるルートマップ

Webサービス by Yahoo! JAPAN

注:この地図はおおよそのルートをトレースしたもので、正確ではありませんので、参考程度にお使い下さい。なお、この地図の登山ルート表示は原則的に下から2番目の縮尺に合わせているため、他の縮尺ではルートと地図にずれが生じる場合があります。地図上の赤線が今回歩いたルート(往路)。オレンジの線は帰りに通ったルートです。

≪注:赤枠で囲った写真にマウスポインターを当てると、ルート表示や説明が現れます。≫

近庄峠から鷹取山に至る古道は、最新の国土地理院地形図にも破線で示されている。近庄峠や鷹取山には何度も登っているが、その間の古道を歩いたことがない。林道工事で古道は切れ落ち、もう歩けないとの情報が伝わっていたので、これまで歩くのを敬遠していた。しかし、最近この道を歩いたとの情報があったので、再度行ってみることにした。近庄峠を豊原寺白山禅定道が通っていたというのが通説になっているが、豊原から近庄峠に至るルートははっきりしていない。豊原から榎峠を越えて、竹田に抜け、一度吉谷千坊に参り、近庄峠を通って、白山に向かったとの説もあるが、豊原から鷹取山近くの山道を通って近庄峠に至ったとの説も捨てがたい。その説を採ると、今日歩く近庄峠から鷹取山に至る古道は白山禅定道だったということになり、一度はこの道を歩きたいと思っていた。

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近庄トンネル(竹田口)

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近庄峠に至る古(旧)道

近庄峠に登るルートはいくつかあるが、この日は近庄トンネルの竹田口の横から登る古道(旧道)ルートを歩いて上がって行くことにした。竹田から近庄峠に至る古(旧)道はほぼ今の国道364号線のルートを通り、今近庄トンネルの竹田口があるところまで行き、その左側の谷筋を通っていたようだ。トンネル近くの路肩に車を止めさせてもらい、旧道に入る。この旧道は昔は上の林道(林道曽谷・豊原線)まで車で登っていけたようだが、今回歩いてみて、車で登っていけるどころか、途中からひどい薮になっており、歩いて登るのも大変な道になってしまっていた。

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対岸には新しい林道(作業道)が

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旧道は薮道となる

旧道の途中から枝分かれする林道(作業道)が新しく出来上がっており、対岸には縦横無尽に林道が走っている。その林道に取り付くまでの旧道は車でも何とか走れそうだが、それから先は全く手入れされておらず、車が通るどころか歩くのも大変な道になってしまっている。道の真ん中には雑木だけでなく、小さな杉が育っているところがあったから、元の自然に戻そうとしているのかもしれない。

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近庄峠へのつづら折の道

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旧道上には樹木が繁茂

旧道は一旦川から離れ、山肌をトラバースする道になるが、その辺りでは道のルートも解からない状態だ。10年ほど前にここを歩いたときはまだ、十分に歩ける道だった。道は一度山肌に取り付くが対岸に渡るためにその後、谷に降りて行き、川を渡り、対岸の斜面を登って行くようになっている。

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古道と旧道の分岐

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古道の様子

その登り道はつづら折になっているのだが、今回その道を歩いてみたら、旧道から枝分かれする古道があることが解かったのでそちらのほうに進んで行くことにした。ここでは近年になって車が通れるようにした道を旧道、それ以前の歩く道を古道と呼ぶことにする。古道は細かく折り返す道となっており、明らかに車が通る道とは違っていたので、ここに林道を整備する前からあった道だと思われる。雪があって良く解からないが、その道はいくらか掘れているようだ。

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古道行き止まり

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上には林道が

何度か折り返すと、道はぷっつり途切れていた。その上を見上げると林道のようなものが走っていたので、林道工事で道跡が消えてしまったようだ。急斜面をよじ登り、その林道に出ると、その道は竹田から近庄峠の下を通り、豊原まで続いている林道曽谷・豊原線だった。

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林道曽谷・豊原線に出てくる

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近庄峠取り付き手前の古道跡

出てきたところは、林道曽谷・豊原線から近庄峠に登って行く入口のすぐ近くだった。近庄峠へ登って行く入口に来ると、その前に浅くU字に掘られたところがあるのを発見。先ほど途切れた道はそこに上がってきていたようだ。林道が出来たため、古道ルートがはっきりしなくなっているが、先ほど途切れた道はこの林道辺りで折り返し、山の斜面を近庄峠のほうに上がっていったものと思われる。

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近庄峠に登って行く古道

林道から峠に登って行く道はかなり深く掘られており、歴史を感じさせてくれる。そこを歩いて行くと、以前来た時より道は荒れており、深く掘れた古道の脇に迂回路が作られていた。5分もせずに近庄峠に着く。

 

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近庄峠

いつもどおり、峠のお地蔵さんが迎えてくれた。お地蔵さんというより、道しるべといったほうが良いかもしれない。竹田から登ってきた道は峠のある尾根筋を越えて、久米田のほうに降っている。その道とは別に尾根筋に道があり、その道が白山禅定道に比定されている。

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山中・竹田みちと刻まれた道しるべ

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同裏(南無阿弥陀仏と刻まれている)

ここの峠のお地蔵さんは四角柱に仏様が彫られたもので、裏には南無阿弥陀仏の名号が刻まれているが隠れキリシタンの謂れも残っている。彫られているのは仏様ではなく、聖母マリア様だというのである。この辺りを江戸中期から明治期まで治めていたのは、キリシタン大名で有名な、あの有馬家である。その城下町である丸岡には実際にキリシタン灯篭なるものが存在している。

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尾根筋に掘れた道が続く

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中越パルプ工業KKと書かれた標識

ここから鷹取山へは右(西)の尾根道を進む。逆に進めば、鶴谷山、冠岳を通って浄法寺山に行ける(今は薮で歩けないが、昔は行けた−−その道が禅定道に比定されている。また、昔は馬草を取りに麓の大森辺りから馬を連れて登ってきた道であり、更に坂井平野から九頭竜川河畔の村々に行くためにこの道が使われたとも言う)。この尾根道も掘れており、昔から使われてきた道だということが解かる。しばらく行くと赤い標識(中越パルプ工業KKと書かれてあった)が木に打ち付けられているところがあり、そこで道が分かれている。尾根筋にも踏み跡があり、昔は道があったと思われるが、掘れた道は尾根を外れ、山の斜面をトラバースして進んでいる。こちらの道が鷹取山に向かう古道であったことは間違いない。今の地形図にもこちらの道が破線で示されている。

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尾根筋と古道の分岐

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掘れた古道

尾根道と古道の分岐からしばらくは掘れた立派な道が続いているがしばらく行くと道が荒れてきて、あやふやになってくる。それでも掘れた道型が残っているので、注意して進めば迷うことはない。

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古道の様子

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古道の様子

しばらく行くと雪が現れた。急斜面に出来た道も切れ込みが細くなり、歩きにくいところが出てきた。

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下には林道曽谷・豊原線が

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この先で道が途切れる

古道の下に林道曽谷・豊原線が見えている。道はその林道と尾根の間をトラバースし続いている。林道から20、30m上、尾根から10、20m下を通っている感じだ。急な崖のところでは道幅が狭まり、緩斜面では道が広くなる傾向にある。倒木などで歩きづらいところがあったが、道跡はかなりしっかりしている。しかし、近庄峠から鷹取山の中間辺りで、道の先が中空に向かって延びていたかと思うと、それから先の道がなくなっている。そこを覗き込むと急な崖だ。どうも、これが噂に聞いていた道が切れ落ちている場所のようだ。

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ここで道が切れ落ちている

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富士写ヶ岳、火燈山、小倉谷山

そこから30mほど下に林道が見える。その林道工事で道が削られてしまったか、崖崩れで道がなくなってしまったかのどちらかだろう。ここからは展望が良く、富士写ヶ岳、火燈山、小倉谷山が綺麗に見渡せた。

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廻り込んで切れ落ちた道を見る

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切れ落ちた先にも古道が続く

仕方がないので、少し斜面をよじ登って、切れ落ちた道の先に廻ってみることにした。倒木などがあり、かなり歩きにくかったが、反対側に廻りこむと、切れ落ちた道の続きがあった。道がなくなっているのは5、6mくらいのものだと思う。上を迂回する道を作れば、登山道としては十分だ。

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掘れた古道

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トラバース道はここで終わり

道が切れ落ちた辺りから道幅はかなり細くなったが、そのうち道が尾根筋に近づいてくるようになると、道幅もまた広くなり歩きやすくなった。そこからしばらく行くと、トラバースして進んでいた道は終わりを告げ、つづら折に切り返し、尾根に登って行くようになった。

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尾根筋を切通しで越える

 

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尾根筋を切通しで越える

その地点では切通しの道となっている。近庄峠から鷹取山に続く尾根を切通し道で越えているのだ。2年ほど前に近庄峠から鷹取山まで歩いたという人の記録によると、最初は掘れた道を歩いたようだが、そのうち尾根道となったと書いてあったので、どこかで尾根道になると思っていたのだが、一向に尾根に出る気配がない。この切通しはその尾根を横切っているのだが、尾根には取り付かず、反対側の斜面に出たかと思うと、また山の斜面をトラバースして進んでいる。どうもその方は古道ではなく、尾根筋を歩かれたようだ。尾根筋を進んで行けばこの切通し道を横切ったはずだがそのレポートには何も書かれていなかった。

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反対側の斜面はひどい薮

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木が道をふさぐ

反対側の斜面は南向きだからか、ひどい薮だ。潅木が道を覆い、歩きにくいことこの上ない。木の下をくぐったり、迂回したりで、最近この道が歩かれた風はない。近庄峠からかなり歩いたのでもう鷹取山に着いても良さそうなのだが、なかなか行き着かない。

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薮道を抜けると鷹取山登山道に合流

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ここに出てくる

古道は鷹取山の頂上を通っていると思いこんでいた。一向に鷹取山に登って行く風がないので少し不安になってきた。今自分がどこを歩いているのか解からなくなった。しかし、薮漕ぎもそれほど長くは続かず、眼の前が明るくなったかと思うと、カヤトに出てきた。正面に鉄塔が見えたが、すぐにそれがどこなのかピンと来ない。しかし、一瞬の躊躇の後、鷹取山手前の登山道に出てきたことを了解した。

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峠のお地蔵さんだった

見慣れたお地蔵さんと祠も眼に飛び込んできた。古道跡は鷹取山の登山道を横切り、お地蔵さんの脇を通っている。今まで、このお地蔵さんが鷹取山の頂上ではなく、何故こんな中途半端なところにあるのか不思議だったが。これにより、その謎が解けた。このお地蔵さんは峠のお地蔵さんだったのだ。ここは鷹取峠と呼んでもいい場所だったのだ。

 

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逆から古道をたどってみる

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大森から上がってくる古道

大森(鷹取山の登山道入口がある集落)側から、古道をたどってみることにした。大森から上がってきた深く掘れた古道は登山道とは別に尾根筋を直進している。登山道は右に折れ、杉林の外に出てから、鷹取山のほうに進んでいるが、掘れた古道跡はそのまま尾根筋を直進するようになっている。

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杉林の中を進む

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カヤトに出て、鉄塔の横を通る

杉林の中を進み、しばらく行くとカヤトに出てくる。そこには浅く掘られた道跡が確認できた。これまでこの山には草が生い茂った時期か、雪のある時期にしか来ていなかったので、全く解からなかった。草が枯れた今だから解かったのだ。道跡は鉄塔の横に来ると解かりづらくなったが、その先にも掘れた道が続いている。

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お地蔵さんの横に掘れた道跡あり

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山頂直下で登山道を横断し古道は続く

その道跡はお地蔵さんの横に来るとかなり深い切通し道となり、登山道を横切り、カヤトの中に続いていた。

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北丈競山、南丈競山、浄法寺山(@峠のお地蔵さん)

 

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銀杏峰と部子山(@峠のお地蔵さん)

鷹取山の頂上は周りに木が生い茂り、展望はいまいちだが、峠のお地蔵さんからは北丈競山、南丈競山、浄法寺山の眺めが良く、また真っ白に輝く部子山と銀杏峰も見ることが出来た。

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鷹取山山頂

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三角点

鷹取山の頂上広場で一服することにした。ここへは1月に雪の中登ってきたばかりだ。山頂広場は良く整備されており、ベンチも設けられている。ここには二等三角点(点名:向取、標高:454.11m)がある。

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鷹取山山頂から近庄峠に至る尾根筋

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坂井平野の眺め

山頂広場から東に延びる細尾根に踏み跡があったので、それが古道跡だと思っていたが、全く違っていた。古道は国土地理院の地形図にも載っているように、鷹取山の南側を巻いて進んでいたのだ。

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鉄塔巡視路入口

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鷹取山裏の鉄塔

今歩いてきた薮道を戻るのが億劫になり、帰りは頂上広場から北側に続いている鉄塔巡視路を歩くことにした。この道を歩くのは初めてだったが、すぐに林道曽谷・豊原線に出られるはずだ。鷹取山裏(北側)の鉄塔の下をくぐり巡視路が続いている。

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富士写ヶ岳、火燈山、小倉谷山(@山頂裏の鉄塔)

 

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手前に鶴谷山、後ろに北丈競山、南丈競山、浄法寺山(@山頂裏の鉄塔)

この鉄塔の下からも眺めがよく、富士写ヶ岳、火燈山、小倉谷山、北丈競山、南丈競山、浄法寺山の山々を見渡すことが出来た。

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巡視路はここに出てくる

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北のほうには鉄塔が

巡視路は思った以上に歩きやすく、15分くらいで林道曽谷・豊原線に出てきた。

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林道曽谷・豊原線

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古道は林道上の斜面をトラバースしている

林道は日陰に来るとまだ残雪があり、多いところで30cmくらいの積雪があった。林道から上の尾根を見上げると、道跡は解からないものの、先ほど歩いてきたルートを確認することが出来た。

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林道から下に降りる

近庄峠に登って行く入口を過ぎ、登って来た時に出てきた地点を下って行き、古道跡が途切れていた地点まで降りてきた。来た時は近庄峠の旧道を歩いたが、薮がひどいので、帰りは対岸に新しく出来た作業道を降りて行くことにした。倒木は多かったものの、道は新しく歩きやすい。しばらくその道を歩いていると眼の前にニホンカモシカが二頭いるのが見えた。二頭が一緒にいるところを写真を撮ろうと思ったが、バラバラに逃げられてしまい。別々に写真を撮った。

 

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ニホンカモシカ(黒)

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ニホンカモシカ(白)

一頭は白い毛だったから冬毛のままのようだがもう一頭は黒い毛をしていた。まだ冬毛が生え替わるには早いような気がするが、この毛の色の違いはどこから来るのだろうか。つがいだと思われるが、生息地が違っていたからこんなに差が出てしまったのだろうか。しかし、この辺りのニホンカモシカは余り人間を見ても逃げない、少し距離を置いた山の斜面からずっと私のほうを見ていた。ニホンカモシカは何度も眼にしているが、写真に撮れたのは今回が初めてだった。作業道は縦横無尽に走っており、少し迷ったがすぐに来た時に歩いた旧道に合流した。

これで、近庄峠から鷹取山に至る古道ルートがはっきりした。尾根筋を通っていると思っていたが、地形図のとおり、山の斜面を巻いて進んでいたのだ。最近、豊原周辺のハイキングコースの整備が進んでおり、林道曽谷・豊原線が経塚コースとして指定されているようだが、出来れば今日歩いたコースを整備し、一般の人でも歩けるようにして欲しいものだ。道が崩れているところがあったが、少し手直しすればいい登山道になると思うのだが・・・

 

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