日時

目的地

所在地

2013年10月21日

仁位坂(約380m)

福井市篭谷町/同市仁位町

 行動日程

仁位・大谷林道入口(美山大谷)〜【車による移動10分】〜新仁位坂峠〜【仁位坂峠周辺探索20分】〜新仁位坂峠〜【車による移動20分】〜仁位集落

 参考資料

Web情報:国土地理院/基準点成果等閲覧サービス(三角点情報)

文献   :福井市東部芦見地区の地域環境と過疎化の進展

 これまでの山行記録

2012年12月14日(ブログ)

地理院地図によるルートマップ

Webサービス by Yahoo! JAPAN

注:この地図はおおよそのルートをトレースしたもので、正確ではありませんので、参考程度にとどめてください。最初は山岳表記に適した地形図が表示されますので、登山口へのアクセスを知りたい場合などは地図表示画面の上部にある地図ボタンをクリックして戴ければ標準地図に切り換わります。また、ラベル(吹き出し)のないマーカー(アイコン)にマウスポインターを合わせると、その地点情報が表示されます。この地図ではアバウトなルートしか解りませんので、詳しいルートは上記の「電子国土によるルートマップ」をご覧ください。なお、今回は林道を車により移動しただけだったので、ルートは記載しなかった。地図上の赤線は前回(2012.12.14)歩いたルート、緑線は旧峠道の推定ルートです。

≪注:赤枠で囲った写真にマウスポインターを当てると、ルート表示や説明が現れます。≫ 

仁位坂は福井市芦見地区(旧芦見村)から美濃街道(現国道158号線)に出るときに越えた峠。芦見地区は四方を山に囲まれているため、外に出るためには山越えをしなければならなかった。芦見川渓谷沿いに現在は立派な車道が走っているが、昔は人が歩ける幅しかなく、他の山越えの道も近年まで現役で使われていた。芦見川渓谷沿いの道の拡幅が完了し、自動車交通が可能となったのは昭和29年だったと言うから、ちょっと信じられない話だ。その山越え道のひとつが仁位坂だ。近年まで使われていただけあって、しっかりした峠が残っていた。

PA210005.jpg

美山大谷町

PA210006.jpg

林道仁位・大谷線入口

仁位坂には昨年12月に旧峠道から挑戦したが、雪がひどく、峠に到達せずに終わっていた。林道を使えば車で峠まで行けるはずなので、今回は車で峠に行くことにした。福井市街から国道158号線を大野のほうに向かい、小和清水奈良瀬トンネル手前で左折して、旧道に入る。小和清水駅を過ぎて少し行くと、リズムの森と言う大きな看板があるので、それに従って左に入る。そこから5kmほど道なりに進んで行くと、美山大谷と言う集落に至る。その手前に橋を渡って右に入って行く林道がある。この林道を登りきったところが仁位坂の峠だ。この林道は林道仁位・大谷線と言い、全線舗装されている。

PA210008.jpg

旧峠道分岐

PA210009.jpg

旧峠道は草の海

林道を5分ほど走ると旧峠道との分岐に来る。前回来た時はこの峠道から峠を目指したが、途中で雪が深くなり、引き返している。今回もこの峠道を少し歩いてみるつもりだったが、草がひどかったので入って行かなかった。

PA210010.jpg

前回到達地点

10分ほどで、前回林道を歩いて到達した地点にやって来た。雪が深くて旧峠道を遡るのを断念した後、林道を歩いて峠を目指したが、時間切れで、ここで引き返した地点だ。その時は雪が1m近くあり、何時間も掛かってここに到達したが、車を使えばあっという間だ。峠まではここからすぐだった。

 

PA210031.jpg

新仁位坂峠(芦見側から見る)

峠は広々としており、路肩に5台ほど置ける駐車スペースがあった。対岸の眺めもよく、なかなか気持ちの良い峠だ。上記写真の右隅からは未舗装の林道が降りていた。なお、この峠は林道が出来てからのものなので、新仁位坂峠と呼ぶことにする。

PA210017.jpg

新仁位坂峠(仁位側から見る)

峠にはお地蔵さんが鎮座しており、林道上の峠としては良い雰囲気を持っている。しかし、林道工事により稜線が大きく削られており、旧い峠も削られなくなってしまっている恐れが出てきた。前回行った杉峠では林道上の峠は解ったが、旧い峠は結局特定できなかった。今度もその二の舞の可能性があった。

PA210012.jpg

峠のお地蔵さん

PA210065.jpg

線刻画が描かれた石板

ここには普通のお地蔵さんとともに、仏様の線刻画が描かれた石板が飾ってあった。良く見ると、石板の右上隅に「白山大○○」と刻まれているのが読める。白山大権現を祀ってあるのだろうか、もしそうであれば線刻画は十一面観音の可能性が高そうだ。なお、芦見地区に白山神社は美山大谷に二社、所谷、皿谷に各一社(福井神社庁のサイトより)あるから、白山信仰が盛んだったことは間違いないようだ。更に深読みすれば、石が二つに割られているが、その割れ方が余りにも綺麗だ。故意に壊された可能性が高い。とすれば明治政府による廃仏毀釈によるものと言うことになる。神仏分離により白山権現(十一面観音)を祀ることが出来なくなり、芦見地区のどこかの白山神社にあったものを峠(旧峠)に遷したと考えられなくもない。峠のお地蔵さんがここにあるのは林道が開通したことにより、旧峠から遷されたのだろう。

PA210038.jpg

峠への取り付き

PA210039.jpg

峠手前の崩れた斜面

お地蔵さんの後ろから続く尾根に、旧峠があったと思われるので、どこからか尾根に取り付けないか探していたら、仁位集落のほうに少し降りたところの林道のり面に取り付き道が出来ていた。滑りやすい取り付き道を上がって行くと、正面に赤土がむき出しになった斜面が現れた。そこから左を覗くと、U字の形をした山の鞍部が目に飛び込んできた。紛れもない旧い峠だ。

PA210041.jpg

仁位坂峠(仁位側から見る)

稜線の両側は林道工事で不自然な削られ方をしているが、稜線部分は昔のままで、U字に掘れた旧い峠の形がしっかり残っていた。越前にある典型的な姿をした峠だ。この峠はそれほどの通行量がなかったと思われるが、その割にはしっかり深く掘れている。

PA210048.jpg

仁位坂峠(芦見側から見る)

この辺の山域は植林が盛んなようで、一面に杉が生えているが、近年になって一度伐採されたようで、樹齢2、30年、または樹齢3、40年と思われる杉が多かった。しかし、峠にあった一本だけは樹齢が7、80年はありそうだったから、峠の一本杉として伐採を免れたのだろう。

PA210045.jpg

峠から芦見側に降りて行く取り付き道

PA210050.jpg

峠から東側に延びる尾根

峠の芦見側も林道工事で削られており、急な崖になっていたが右のほうに道のようなものが降りていたから、これも林道工事のときに稜線への取り付きとして造られたものだろう。左のほうにも道のような切れこみがあり、お地蔵さんの近くに進んでいたが、旧い地図を見ると峠道は谷の右(東)のほうから巻くようにして上がって来ているので、右のほうに降りている取り付き道のほうに峠道があったと思われる。なお、峠から東側に延びる尾根にはしっかりした踏み跡があり、難なく462.4mの三角点まで行けそうだ。そこから更に東に行ったところには別の峠が二つ記されているので、機会があれば今度歩いてみたい。

PA210060.jpg

取り付き道の様子

PA210056.jpg

仁位側に降りていく峠道

仁位のほうに降りていた峠道は今の取り付き道ではなく、もっとなだらかに仁位側に降りていたと思われる。しかし、仁位側の谷を覗き込んでみたが、それらしい道跡は発見できなかった。

PA210061.jpg

芦見側に降りている取り付き道

もう一度、峠の芦見側に廻り、峠道の痕跡がないか調べてみたが発見できなかった。草がひどかったから、丹念に調べれば解ったのかもしれない。昨年、所谷のおばあちゃんに聞いたところ、旧い峠道も歩けると言っていたから、草が収まった時期に丹念に探せば見つかるかもしれない。

 

PA210067.jpg

仁位集落側の眺め

PA210072.jpg

林道分岐(中央奥が仁位坂峠)

帰りは林道を仁位集落側に降りたが、こちら側の林道は山肌を大きく迂回しており、芦見側から登って来たときに比べて、随分時間が掛かって里に降りてきた。仁位集落の少し手前に林道が分岐しているところがあった。ここから見える山の鞍部が仁位坂峠のようだ。旧い峠道はそこからまっすぐこの地点に降りて来ていたことになっている。

PA210073.jpg

仁位集落に降りて行く道

PA210075.jpg

仁位集落内の様子

林道はそのまま仁位集落内の道を通り、美濃街道のほうに進んでいた。集落内の道は元の峠道だったと思われるが、その道の両側に家々が並んでおり、峠道沿いに集落が発達したようだ。この峠道はそれほどの通行量がなかったと思われたが、美濃街道に出る道としてかなり重要だったのだろうか。

PA210077.jpg

美濃街道に出たところ

PA210084.jpg

アンデパンダン広場

仁位集落は少し奥まったところにあり、美濃街道までは1kmほどあった。美濃街道に出てきたところにはアンデパンダン広場と言う総合運動場があり、不釣り合いに立派な野球場があった。美濃街道は昔は福井と大野、更には油坂を越えて美濃を結ぶ大動脈だった。この街道を使って商いをしていた商人が、足繁くこの峠を越えて芦見地区に入り、物を売り歩いていたのだろうか。そう思えるほど、仁位集落には街道沿いの村の雰囲気が漂っていた。

  

Back ホームへ