日時

目的地

所在地

2013年1月16日

旧牛ノ谷峠(旧熊坂峠)[約150m]

福井県あわら市牛ノ谷/石川県加賀市熊坂町

 行動日程

舗装林道終点(駐車場)14:05〜14:10峠道分岐14:10〜14:17旧牛ノ谷峠14:22〜14:40第28号鉄塔14:40〜14:55峠道出口14:55〜15:10旧八号線・現八号線合流点15:10〜15:20牛ノ谷交差点15:20〜15:25巡視路入口15:25〜15:30第27号鉄塔15:30〜15:45第28号鉄塔15:45〜15:55第29号鉄塔15:55〜16:00第30号鉄塔16:00〜16:10第31号鉄塔16:10〜16:15林道16:15〜16:20名水16:20〜16:25舗装林道終点(駐車場)

 参考資料

Web情報:国土地理院/基準点成果等閲覧サービス(三角点情報)

文献   :金津町坪江の郷土史(金津町教育委員会編)

 これまでの山行記録

 2010.1.27

地理院地図によるルートマップ

Webサービス by Yahoo! JAPAN

注:この地図はおおよそのルートをトレースしたもので、正確ではありませんので、参考程度にとどめてください。この地図の歩行ルート表示は下から3番目の縮尺で作成したため、他の縮尺の地図では歩行ルートと地図にずれが生じる場合があります。地図上の赤線が今回歩いたルート、緑の線は尾根筋の峠道を表しています。

≪注:赤枠で囲った写真にマウスポインターを当てると、ルート表示や説明が現れます。≫ 

石川県側から旧牛ノ谷峠に登る

午前中からあまりにも良い天気なのでうずうずしていたが、居ても立ってもいられなくなり、お昼過ぎになって山歩きに出かけることにした。時間が遅いので、2時間ほど山歩きが出来れば御の字だ。どこか適当な場所がないか思案していたら、旧牛ノ谷峠(旧熊坂峠)の石川県側を歩いていないのを思い出し、国道八号線を牛ノ谷峠のほうに向かうことにした。

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八号線をここで右折

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JR北陸線ガード下

牛ノ谷峠を越え、加賀平野に出たところで右側を見ると、JR北陸線のガード下をくぐる道がある。そこを入って行くのが旧牛ノ谷峠に至る道だ。寂れた林道かと思いきや、舗装された立派な道が続いていた。

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林道の様子

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小さな祠

林道はすぐに終わりかと思ったがかなり奥が深い。林道から何本かの道が枝分かれしており、少し迷ったが、右へ右へと進んで行けば良いことが解った。道沿いに小さな祠や名水があり、何となく昔の峠道の雰囲気が漂ってくる。石川県のほうではこの道を旧熊坂峠道と呼んでいる文献があったが、その名にふさわしい道だ。名水では水汲みしている人がいた。

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日光が差し込む杉林の中を行く

車を転がしていると、暗い杉林の中に日光が筋状に差し込み、きれいだったので写真を撮ったが、露出が強すぎたのか明るく写り過ぎて、イメージと違ってしまった。実際はもっと杉林の中が暗く、そこに光が差し込み、幻想的な雰囲気だったのだが・・・。写真なんて! と馬鹿にしていたが思った通りに撮るのは難しい。

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舗装道路終点

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林道の様子

林道は奥に入ると10cmほどの積雪があったが、しっかりした轍があったので、私の小さな車でもすんなり奥まで入って来てしまった。名水を汲みにたくさんの車が入ってくるのだろう。名水のところから少し行ったところに道が広くなったところがあり、轍はそこで終っていた。舗装道路もここまでのようだ。林道入口からここまで10分ほどだった。名水を汲みに来た人がここで方向転換するようなので、邪魔にならないよう車を隅に置いて、ここから歩くことにした。

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林道と峠道分岐

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金属製の橋を渡る

林道はその先にも伸びており、雪がなければ車でもっと奥まで入れそうだ。林道を5分ほど歩くと、細い道が分岐したところに来た。峠はまっすぐに進んだ方向にあるはずなので、細い道のほうに進む。この道は昔の峠道だと思われるが、鉄塔巡視路にもなっているので、よく整備されている。道は何度か沢を渡るが、その都度、立派な金属製の橋が架かっていた。

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峠道の様子

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峠付近

真ん中に沢が流れているので、道はそれほど広くない。峠に近づくと、杉の若木が生えたところに来る。その小さな杉が雪の重みで垂れて道をふさいでいるので、歩きにくい。

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旧牛ノ谷峠

車を停めたところから10分ちょっとで、あっさり旧牛ノ谷峠に着いてしまった。この峠は石川県側からアプローチしたほうが楽だ。福井県側より石川県側のほうが道が整備されていて歩きやすいし、昔の峠道の雰囲気が残っている。福井県側は峠道が荒れており、どこに峠道があったかも解らない状況で、ここに越前加賀の国境を越える峠があったことを疑ってしまったことがあったが、石川県側から歩くと、ここに国境を越える峠があったことを納得させてくれる。石川県側ではこの道を大事にしてきたようだ。なお、この峠は福井・石川県境にはなく、県境はここから300mほど福井県側に降りて行ったところにある。

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旧牛ノ谷峠

上記写真が峠の一番高くなったところだ。ここには余り峠らしい雰囲気がないが、峠のそばに平坦になった場所がある。ここから左の谷筋に降りていく掘れた細い道が旧い峠道(三年前にこの峠道を歩いた時の記録はこちら)なのだが、今回その道とは別に峠からまっすぐ福井県側に進んでいる道があるのを発見した。上記写真でははっきりしないが、中央の笹原の下が平坦になっており、それが元の峠道のようだ。

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峠から尾根筋を進んでいる峠道

その道は谷筋に降りずに、山肌をトラバース気味にまっすぐ進んでいる。道幅は谷筋の峠道より広く、2m以上ある。平坦にならしてあるので、後世になって付けられた道だと思われる。この後、峠から尾根筋にある巡視路を福井県側に歩いたのだが、そこにはこの道の続きと思われる道跡がところどころに残っていた。私が過去に旧牛ノ谷峠について調べた範囲では、この尾根筋に峠道があったと書かれた文献がなかったので、もう一度調べてみた。そうしたら、金津町坪江の郷土史(金津町教育委員会編)に、「牛ノ谷峠へ登る道は三つあった。七廻り田の田んぼ道から登る急坂(明治10年に昔の道を切り下げた所)と急坂をさけてその東側の尾根伝いに登る道及びさらに東側の谷川沿いの道であって、峠から加賀熊坂町へ下る所にも七曲という屈折の多いところがあるが、越前側よりは緩やかであった。」(P147)との記述があった。この道はここに書かれている『急坂をさけてその東側の尾根伝いに登る道』ではなかったかと思われる。

 

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巡視路への取り付き

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29号鉄塔

峠から右側の坂をひと登りし、巡視路が走っている尾根に出る。そこからは29号鉄塔がすぐだがそちらには寄らずに、反対側の巡視路を福井県側に歩くことにした。この巡視路は北陸電力の熊坂線のものだ。

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巡視路の様子

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日本海を望む

尾根筋に出来た巡視路を福井県側に進んで行く。前回来た時より少し草っぽい感じがしたが、藪こぎは無用だ。尾根道なので、右側の木の間越しに日本海が見える。反対側には先ほどの峠道の続きだと思われる掘れた道の痕跡が何ヶ所か残っていたが、その道は後でご紹介する。

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28号鉄塔

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28.29号鉄塔標識

途中、次に行く28号鉄塔が見えてくる。鉄塔の近くに来ると、28,29号鉄塔の標識があるので、その分岐を降りて行けば福井県側から上がって来ている林道に降りていくことが出来る。

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28号鉄塔

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28号鉄塔から下りて行く巡視路(峠道)

この巡視路はずっと尾根筋を通っているのかと思っていたら、28号鉄塔からは下り坂となった。また、道も今までのものとは様子が違い、掘れた古そうな道となった。

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曲がりくねった峠道

ジグザグに曲がっているから昔の峠道である可能性が高い。後で調べてみたら、この尾根筋にも峠道があったということだから、この道がそうに違いない。

 

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峠道の様子

この道は巡視路としても使われているが、その形状からして巡視路として新しく付けられた道ではなく、元からあった道を巡視路として使っていることは明らかだ。

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峠道の様子

谷のほうに降りてくると、直線的な道となった。このあたりの道はかなり大規模だ。

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急坂に出来た峠道

しばらく歩いて行くと、崖のようなところにまっすぐ道が付いていた。峠道としてはかなり急で、難所だったと思われる。そこを降りると巡視路との分岐に出る。

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分岐にあった標識

そこには巡視路の標識があり、巡視路は正面の斜面をつづら折りに登って行くようになっていたが、それとは別に右の谷のほうに古そうな道が続いていたので、そちらに進んでみた。

 

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峠道の様子

峠道はこの辺ではかなり広く、道の両側の斜面には土木工事の跡らしきものがあった。

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旧い峠道の様子

もう使われなくなってだいぶ経つようで、道は川状になっていたが、土木工事の跡がはっきり解るから、それほど時代は遡らないだろう。江戸後期か明治初期あたりに整備され、その当時はこの道がよく使われていたのかもしれない。その後、牛ノ谷峠道は現在の国道八号線が走っている谷筋ルートのほうが主流になって行く。

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峠道の様子

川のようになった道はそのうちしっかりした土道となり、前が明るくなったかと思うと田んぼ道に出てきた。

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峠道が出てきたところ

出てきたところは、国道八号線のすぐ左側(東側)の谷だ。正面に牛ノ谷交差点が見える。降りてきたところには田んぼ道にしてはかなり広い土道が、牛ノ谷峠のほうに向かって進んでいたので、歩いてみることにした。

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旧八号線??

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旧八号線??

最初はちょっと広めの田んぼ道のようだったが薮の中に入ると、掘り下げられた4,5m幅はある広い道となった。八号線がすぐ上を走っている所為か、廃棄されたゴミがそこかしこに散らばっていた。

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旧八号線??

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旧八号線??はここで合流

その道は途中川のようになっていたが、側溝の跡があり、舗装はされていないものの、近代的な土木工事により作られたようなので、旧八号線の廃道跡なのかもしれない。

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牛ノ谷峠方面を見る

ごみが散乱し、川のようになった道を歩いて行くと、左側に現八号線が現れ、上記写真の地点で合流していた。牛ノ谷峠はすぐそこに見えていた。

 

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牛ノ谷交差点

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旧八号線

排気ガスのにおいを気にしながら国道八号線を歩いて、福井県側に降り、牛ノ谷交差点までやってきた。先ほどの旧八号線と思われる道はこの交差点から田んぼの中を進んでいた。

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巡視路入口

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27号鉄塔標識

今日は気楽な山歩きを楽しもうと思ったが、旧峠道や旧八号線と思われる道を発見し、ちょっとした探検になってしまったので、帰りは整備された巡視路をのんびり歩くことにした。巡視路入口は牛ノ谷交差点から、旧八号線と思われる道を少し石川県のほうに歩き、途中から山裾を右に進んだところにあった。交差点からよく見ると、巡視路の標識が見えている。巡視路に入り、黒いステップが付けられた急坂を登って行くと、27号鉄塔に出た。

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27号鉄塔

その下を通過し、さらに巡視路を進んで行くと、先ほど歩いた道に合流したので、その道を進んで行った。

 

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掘れた峠道の様子

28号鉄塔から少し行った、緩い登りになったところに掘れた道の跡が残っていた。尾根筋を通っていた峠道の痕跡だと思われる。

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掘れた峠道の様子

その痕跡は峠近くにもあったから、尾根筋にずっと峠道が続いていたことは間違いないようだ。

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日本海の眺め(@31号鉄塔)

旧牛ノ谷峠のすぐ上にある29号鉄塔を通過し、そのまま巡視路を進んで行く。巡視路はずっと尾根筋に続いており、気持ちのいい尾根歩きが堪能できる。木の間越しにずっと日本海が見えていたが、木が邪魔になって写真にはうまく写らない。しかし、31号鉄塔のところは広い切り開きとなっており、きれいに日本海まで見通せたので写真に撮った。

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巡視路から林道に降りたところ

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名水

そこから少し行くと、巡視路から分岐し下に降りて行く道があったので、そこを進んで行ったら、来たときに通った林道に降りたので、林道を歩いて車のところに戻った。

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名水

来たときにも、名水を汲んでいる人がおられたが、帰りにも水汲みをしている人がおられたから、このあたりではかなり有名なようだ。水を汲んでいた人にちょっとお話を伺ったら、地元加賀市の方で、友達に聞いたので、水を汲みに来たと話しておられた。飲んでみたら、冷たくなかったから地下水であることは間違いないようだ。水道水と違ってまろやかな感じがしたが、山歩きの後はどんな水でも美味しい・・・。特に名前はないそうだ。

これで、旧牛ノ谷峠および峠道の全容はほぼ把握したと思われるが、ただひとつひっ掛っているのは、今日歩いた尾根筋の峠道が旧牛ノ谷峠ではなく、現在の牛ノ谷峠に続いているように描かれた地図があったことだ。牛ノ谷峠の両側の山の斜面は崖のようになっており、そこに道があったとはちょっと考えられないのだが、今の牛ノ谷峠辺りはかなり掘り下げが行われたそうなので、地形が変わっており、そのような道があったことも考えられないことはない。そのうち、気が向いたらそのあたりも探索してみようと思う。

 

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