不動産広告の誤記が、他社の広告に伝播
東急リバブルの罪深さ
東急リバブル(袖山靖雄社長)の東陽町営業所が専属専任で媒介するアルス東陽町301号室(東京都江東区東陽1丁目)が、東急リバブルとは別の不動産業
者の広告チラシでも、誤った状態で広告掲載されていた。問題の広告はナイス株式会社木場営業所が2008年2月に配布したチラシである。誤りは3点ある。
第1に間取り図で洋室(5畳)の扉が内開きドアになっている。正しくは引き戸である。
第2に「お買物」欄で、「セイフー東陽町店」は誤りである。正しくはグルメシティ東陽町店である。
第3に管理会社名を「日本ハウズィング株式会社」とする。正しい社名は「日本ハウズイング株式会社」である。
上記3点の誤りは全て、東急リバブル東陽町営業所の虚偽広告と同内容である(参照:
東急リバブル、虚偽広告でお詫び)。
不動産業界ではレインズ(REINS: Real Estate Information Network
System)などの情報流通システムが整備されており、売主(売却希望物件の所有者)が直接依頼した仲介不動産業者でなくても、広告宣伝が可能である。
売主から売却の依頼を受けた不動産業者は物件情報をシステムに登録し、他の不動産業者もその登録情報を閲覧できる。その情報をもとに広告を作成することも
可能。複数の不動産業者が同じ物件を宣伝していることが起きるのも、このためである。
売主から直接依頼を受けた業者以外の業者が広告チ
ラシを作成する場合、物件に関する情報は、システムに登録された情報をそのまま使う。独自の内容は自社の社名や住所・電話番号くらいである。物件情報は同
じで、チラシ下部の会社名・連絡先だけが会社によって異なるチラシは、このようにして作成される。
ナイス木場営業所によるアルス東陽町
301号室の広告も、上記のような形で作成されたものと考えられる。これは不動産業界において至極普通のことである。ナイスは東急リバブルの情報にフリー
ライド(ただ乗り)しているように見えるが、反対にナイスが登録した物件について東急リバブルが宣伝広告することも可能であり、相互関係にある。
また、ナイスのような会社が宣伝広告を行った結果、買主を見つけてくれれば物件が売れることになり、売主側の仲介業者である東急リバブルにも、売主自身に
もメリットがある。売主側の仲介業者の中には買主からも仲介手数料を取りたいがために物件情報を流通させないようにすることもあるが、これは不動産業者と
して正しい姿勢ではない(参照:
不動産仲介「両手取り」の悲劇)。
したがって、東急リバブルの専属専任物件をナイスが宣伝したこと自体はニュースとするような話題ではないが、問題は物件情報が誤っていたことである。東急
リバブルが誤った情報を物件情報として登録してしまったため、それを元に広告を作成したナイスも虚偽広告を出してしまったことになる。
東急リバブルが自社のチラシやウェブサイトで虚偽広告を出しただけならば東急リバブルに対する消費者の信頼が裏切られることになるが、東急リバブルと消費
者の関係であり、東急リバブルの営業範囲内に留まる。しかし、業者間で物件情報を共有する不動産業界においては、東急リバブルの営業範囲を越えて、虚偽の
物件情報が流通してしまう。
東急リバブルが誤った物件情報を登録したために、その情報を信頼して広告を出したナイスも消費者の信頼を裏切りかねない事態となった。東急リバブルは不動産業界における信頼関係も破壊したことになる。
東急リバブルは301号室の虚偽広告に対し、東陽町営業所長・松本猛名義で「お詫び」文を発表した。そこには「一般消費者の皆様並びに関係者各位に大変ご迷惑をおかけ致しました」と書かれているが、迷惑を被った関係者各位は直接の顧客に留まらない。
不動産流通システムの信頼を損ないうる行為であり、不動産流通システムに加盟する不動産業者、その業者と取引しうる消費者にも迷惑を及ぼしたことを東急リバブルは自覚すべきである。