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Googleが急上昇ワードを追加
20分毎に更新、マスメディア化するインターネット
大手ポータルサイトのグーグル(Google)は2009年2月5日にトップページをリニューアルした。リニューアルによってトップページの検索窓の下へ大きく2つの項目が追加された。
「急上昇ワード」欄と各種サービス(GmailやYouTubeなど)へのリンクボタンである。注目すべきは急上昇ワードの追加で、ここにはマスメディアへの近接が感じられる。
Googleはロゴと検索窓だけのシンプルなデザインで、検索に特化したポータルとしてスタートした。ポータルサイトとしては後発ながら、検索結果の網羅性・正確性が支持され、世界的にはトップの座を占めるに至った。検索に特化したサイトデザインは、優れた検索機能という自社のコアコンピタンスを最大限にアピールしている。
グーグルの倉岡寛・プロダクトマネージャーは「このデザインを決めたのは創業者のサーゲイブリンで、彼はその理由を聞かれると、彼自身がHTMLが書けなかったから、ということと、当時ウェブマスターがいなかったと言っています」と謙遜する。
しかし、シンプルなデザインにしたことには積極的な意義がある。インターネット勃興期にポータルを制したのはYahoo!であった。そのYahoo!も当時の競合であったLycosやInfoseekと比べてシンプルなデザインを特徴としていた。GoogleはYahoo!の成功法則を徹底している。
その後、Googleは衛星写真や航空写真を取り入れたGoogle Mapなど検索エンジン以外のサービスでも注目を集めた。動画投稿サイトYouTubeを買収するなど多角化にも積極的である。各種のサービスへのリンクボタン追加はGoogleの総合ポータルサイト化を象徴する。
一方で今回の追加によっても、様々なメニューが溢れてページがゴチャゴチャしてしまうという状態にはなっていない。他のポータルサイトと比べると依然としてシンプルである。サービスは増やすが、埋没させることはしない。尖がったサイトであり続けようとしている。
リニューアルのもう一つの特徴は「急上昇ワード」の追加である。これは検索数が急上昇している検索キーワードを紹介する。Googleモバイルホームページ上のガジェットとしては2008年4月15日から提供されていたものである。2009年2月8日14時時点では「イタガキノブオ」「いしだ壱成」「骨肉腫」「日本歴史占い」「ミステリーショッパー」が急上昇ワードとなっている。
検索エンジンは自分の知りたい情報に辿り付くための能動的なメディアである。これに対して急上昇ワードは最近話題になっているキーワードを教えてくれる。ネット以前のメディア(新聞やテレビ)は自分が調べたいことがあるためではなく、世の中の動きについていくために購読や視聴をする傾向があった。似たような受動的な側面が急上昇ワードにもある。インターネットも普及するにつれてマスメディア化する一面があるようで興味深い。
この急上昇ワードは20分毎に更新されるためにリアルタイムな動きに連動する。検索数が急上昇している検索キーワードというファジーな指標になっていることも特色である。単純に検索語として使用された数のランキングとした場合、誰もが知っている言葉が上位を占めてしまう。それでは世の中の動きについての新たな発見にはなりにくい。
20分という短いスパンで急上昇しているキーワードを抽出することによって、ソコソコ話題になっているものの初耳のキーワードとの思いもよらぬ出会いになる。
一方で使用された検索キーワードの上位ランキングというような厳密な指標になっていないため、うがった見方をすればグーグルによるマッチポンプが可能になる。グーグルが流行らせたいと考えるキーワードを急上昇ワードに表示させることができてしまう。
ポータルサイトでは検索結果に連動して広告を表示させる仕組みを導入しており、そのようなことを行う経済的な動機もある。何を伝えるかをコントロールできるという意味で、良くも悪くもグーグルはマスメディアに近付いていると言える。











