『株―デイトレード常勝のルール』二階堂重人著
豊富なノウハウで、専業トレーダーの成功をサポート

本書はデイトレードのテクニックを向上させ、専業トレーダーとして成功するためのルール作りの手助けをする書籍である。
本書が出版された2008年2月の後にリーマン・ショックが直撃し、証券市場は一層厳しい環境に置かれている。しかし、むしろ現在のような状況こそ本書で紹介されたデイトレードの意義がある。購入した株をその日のうちに売るデイトレードは株式保有リスクを回避できるためである(15ページ)。
とりわけ日本市場はニューヨーク株式市場の下落と連動して翌朝の価格が下落する傾向が強い。米国以上に売られることさえある。その日のうちに利益または損失を確定するデイトレードならば翌朝下落してしまうのではないかという心配は無縁である。
著者が強く主張していることはトレーディングのルールを確立すべきということである。気分ではなく、ルールにのっとって取引すべきと主張する。株式取引はもうかることもあれば損をすることもある。損失の発生は不可避である。
だから重要なことは損失を小さくすることである。たった1回の損失でも、その損失が既存の利益を上回ってしまったならばトータルは赤字になってしまう。行き当たりばったりの取引では損失をズルズルと拡大させてしまう危険がある。故にルールを確立し、それに従って取引することが重要になる。
本書では取引ルールにできるような売買のタイミングを数多く紹介する。見開き2ページの左側に説明文、右側にチャートなどの図解を配し、分かりやすく説明されている。ただし、紹介量が多いために1回通読した程度では消化不良になる。本書の趣旨は自分のルールを押し付けることではなく、各自に適したルールを確立させることである。すべてを理解しようとするのではなく、適したものを取捨選択することが本書の読み方として妥当である。
本書で特に参考になったのは指値注文についての記述である。事前に下値を指値して買い注文をしておくことの当否を論じている(176ページ)。株式取引では指値注文を出しておけば、株価をチェックしていなくても指値で指定した価格になった時に自動的に約定してくれる。そのため、事前に株価がある程度まで下がり、後は反転上昇することを見越して、下値に指値注文を出しておくことは便利であり、無精な記者も多用している。
しかし、それを本書は推奨できないとする。場合によっては下値を勢いよく割ってしまうためである。その場合、すぐにロスカットできなければ大きな損失になる。特にサブプライム問題に端を発し、リーマン・ショックが直撃した昨今の証券市場は乱高下が激しい。通常予想される値動きを大きく逸脱して下がってしまうことも多い。
記者も下値と思って指値したものの、株価が指値を勢いよく割ってしまい、失敗したことは1度や2度ではない。そのため、本書の記述は勉強になった。この個所も含め、勝つことよりも大きく負けないように投資することがコンスタンスに利益を上げる秘訣(ひけつ)であると感じられた。
『株デイトレード常勝のルール』二階堂重人著
すばる舎
2008年2月29日発行
1575円(税込み)
192ページ











