交通の男女差別に反対する会が公開質問
札幌市交通局「女性と子どもの安心車両」に対して
交通の男女差別に反対する会(以下:反対する会)が札幌市交通局に送付した公開質問状の回答が2009年1月29日付でなされた。札幌市交通局の回答は2月4日付で反対する会のwebサイトに掲載された。
反対する会は鉄道・バスなどの公共交通機関における男性及び女性差別の廃止を目的とする非営利団体である。主に女性専用車両について問題提起している。代表者の太田今(おおた こん)は反対する会結成当時は高校生で、高校生発の運動としても注目された。
記者(=林田)も反対する会の会員である。首都圏の鉄道路線で最初に終日女性専用車両を導入したのは東急電鉄の東横線で、2005年7月25日のことであった。当時、記者は購入したマンションに不利益事実(隣地建て替え)不告知があったため、売買代金返還を求めて東急不動産と裁判中であった(参照「東急不動産の遅過ぎたお詫び」)。記者にとって反対する会は反東急つながりという意味合いが強かった。
札幌市交通局では2008年8月18日から9月12日に南北線で女性専用車両に導入実験を行い、12月15日から「女性と子どもの安心車両」を導入した。これに対し、反対する会は2009年1月5日付で札幌市交通局に公開質問状を送付した。質問状では主に以下の点について尋ねている。
(1)「女性と子どもの安心車両」という名称は成人男性を排除するものであり、男性に対する差別的名称ではないか
(2)男性の協力は任意であり、乗車を拒否するものではないことをポスターなどで周知すべきではないか
(3)女性専用車両が痴漢対策として本当に効果があると考えているのか
(4)混雑緩和が先決ではないか
(5)実質的に男性を排除することは差別ではないか
札幌市交通局の回答では「女性と子どもの安心車両」の性質を「あくまでも男性のお客様の協力のもとに成り立つものであり、本車両に男性が乗車しても、これを強制的に排除できるとは考えておりません」とする。しかし、(2)の要請については「必要ない」と拒否した。
質問状では「それぞれの質問について、理由を付して、具体的に文書にてご回答をお願い致します」と依頼したが、回答は個々の質問に対応した形にはなっていない。最後は「総合的に判断したものであることをご理解ください」と一方的に理解を押し付ける形で終わっている。
この形式は記者の不動産トラブルにおける東急不動産及び販売代理の東急リバブルの回答と似ている。東急リバブル・東急不動産も記者の質問は無視して、最後は「御理解下さい」で問題物件の販売を正当化した。当然のことながら、記者が理解する筈がなく、裁判によって売買代金を取り戻した。
札幌市交通局の回答は反対する会の質問に対する実質的な意味での回答がなされなかった点は残念である。特に札幌市交通局が男性差別であるか否かという本質的議論を避けた点は大きな問題である。これは裏返せば女性専用車両を肯定する立場にとって、男性差別との主張が避けたくなるほど痛いものであることを示唆している。反対する会にとっては理論的正当性を裏付ける形になった。
一方、回答によって男性の乗車を強制的に排除するものではないことを確認したことは成果である。ポスターなどによる周知は拒否されたが、鉄道会社が周知しないならば、代わりに周知することも反対する会のような団体の使命になる。質問に対する回答は得られなかったが、反対する会にとって意義のある公開質問であった。
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交通の男女差別に反対する会











