第二章『出会い』

「だ・・・じょ・・・・ぶ」
声が聞こえる。
「しっか・・・・して」
誰?僕を呼んでるの?
「大丈夫?しっかりして」
「う・・・うぅ」
僕は、ゆっくりと目を開けた。
すると、そこには先程の声の主であろう女の子がいた。
「よかったぁ、気がついて。」
女の子は、そう言って安堵の表情を浮かべた。
長くて、やや赤みがかったブラウンの髪の両側を少し結って残りの髪は後ろへ、
という髪型で、フリルがたくさん付いている桜色のドレスに身を包み、
目はとても澄んだサファイア色をしている。
その目は、まるで、全てを見透かしているかのようだった。
年は僕より一つ下か、あるいは二つ下か、ぐらいだろう。

部屋は広く、天井も結構高かった。
僕の左側は全て窓ガラスで、外の景色がとても良くわかった。
そして僕の服は、薄い緑色の線が数本はいった綺麗な服に代わっていた。

でも、どうして僕が此処に?

「あなたは・・・?此処は一体・・・?」
そう言って僕は体を起こそうとした、だが。
「うっ…!!」
体のあちこちに痛みが走った。
「無理しないで!!」
そう言って、女の子は再び僕をベッドへ寝かせてくれた。
「君の体は傷だらけだったんだよ?いちよ、私が治癒魔法を使ったけど、治るのは表面上だけ。だから、安静にしていて。」
「治癒・・・魔法?」
初めてだ、魔法なんて。
確かに、この世に魔法を使える人はいると聞いた事はあるけど・・・
まさか、その魔法を使える人が今僕の目の前にいるなんて・・・。
僕は、心底驚いた。
「そう、治癒魔法!他にも結構使えるんだよ?攻撃魔法とか・・・召喚魔法とか・・・・。」
「へぇ・・・あなたは凄いんですね」
すると、女の子は少し照れたような顔をして笑った。

「僕にも魔法が使えたら・・・。」
いいのにな、と思った。
でも、僕に魔法なんて一生使えないと思った・・・・・。
女の子の一言を聞くまでは。

「教えてくれるように頼んでみよっか?魔法。」
「へ?」
その言葉に僕は驚いた。今回で驚いたのは2回目だ。
「そんなに簡単なのですか?教えるって・・・」
魔法と言えば、もっと、こう、魂とか種族とか血とかが関係してるもので、
特定の人にしか使えないものだと思っていた。
「う〜ん・・・教えるのは簡単と思うけど・・・でも・・」
「でも?」
「魔力が必要かな?」
あぁ、やっぱりそういうのが必要なんだ、魔力か・・・。
「でも、大丈夫だよ。君にはちゃんと魔力があるから!」
「え・・・えぇぇ!!?」
僕はその言葉に驚き、目を丸くした。
「僕・・に・・・?」
「そう、君に。」
「わかるの?」
「なんとなくね」
僕にそんな力があったなんて・・・全然気付かなかった。
「でも、君の魔力がどれくらいなのか、正直私もはっきりとは分からないから、
師匠を呼んでこないとね!」
「師匠?」
「うん!私に魔法を教えてくれた人だよ」
その後に、とっても優しいんだよ、と付け足した。
僕にも、魔法が使えるんだ。
そう思うと、なんだか少し嬉しく思えてた。
「ありがとうございます・・・えっと・・・」
名前は?と訊くと、女の子は、忘れてた!と言ってその後に答えてくれた。

「私は、サフィリア。サフィリア・クラネット。サフィリアって呼んでね。」
その後、最初に僕が訊いた質問にも答えてくれた。
「ついでに言うと、今、君がいる此処は聖魔城の私の部屋。
道端で倒れていたのを私が見つけて此処へ連れて来たの。」
「そうだったんですか、どうもありがとうございます」
なんか、寝たままで悪いな・・・。
いえいえ、と手を左右に振った後、君の名前は?と、訊かれた。
「僕は・・・」
そこで、言葉は途切れた。僕の名前って?
「・・・すみません、名前が・・・名前がわからないのです。」
「そう・・なん・・・だ。」
僕は、もう一度すみません、と言って俯いた。
なんてことだ、折角僕に質問してくれたのに、答えられないなんて・・・。
しばらく、沈黙が流れた。
ふと、女の子・・・サフィリアは何か思いついたかのように、そうだ!
っと言って、顔をズイと僕の方へ近づけた。
「じゃあ、私が君の名前を考えてもいい?」
「え?」
僕は、目を丸くしてきょとんとしているのが自分でも分かった。
だって、全然想像してなかった言葉だから。
「ね?いいでしょ?」
そういうと、さらに顔をズイと僕の方へ近づけた。
その目は、とても澄んだサファイア色をしていた。
とても、綺麗だった。
「え・・・あ、あの・・・」
「ダメ・・・かな?」
そう言って、俯いてしまった。
明らかに、ブルーのオーラを放って。
別に嫌なことではない、むしろ嬉しいくらいだ。
でも、僕なんかが名前を貰っていいのだろうか?

僕は少し考えてから、サフィリアに声をかけた。
「あ、あの・・・」
「なに?」
「えっと・・・・・僕の名前・・・考えてくれますか?・・・サフィリア」
その瞬間、先程サフィリアを覆っていたブルーのオーラはなくなり、
顔がぱっと明るくなった。
「うん!!」
サフィリアは、笑顔で引き受けてくれた。

その日は晴れだった。
僕の嫌いな太陽が窓越しからこちらをじっと僕を睨んでいる。
だいいい でも、今日の太陽は、少し微笑んでいるように見えた。

少しだけ、僕は太陽が好きになったかもしれない。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あとがき

あ〜…なんか途中から訳がわからなく…
これ、どうしよう;
前のあとがきに「続く…カナ…?」とか書いてたけど…つづいちゃったよ!!?
どうするよ;;??
…しかし、管理人はこの先を考えていません;
いや、ちょっとは考えてますよ;!!
今度は本当に…続くカナ…?(遠い目)