2010年12月17日
京都市長
門 川 大 作 様
人体の不思議展に関する要請書
人体の不思議展を考える京都ネットワーク
(連絡先)
京都市中京区烏丸通蛸薬師上る七観音町637
第41長栄カーニープレイス四条烏丸6階
京都府保険医協会(担当事務局 樋下光雄)
電話 075−212−8877
同呼びかけ人 小 笠 原 伸 児
(京都法律事務所 弁護士)
要 請 の 趣 旨
京都市勧業館の指定管理者である株式会社京都産業振興センターがなした、人体の不思議展の展示会場としての京都市勧業館地下1階第1展示場の利用の許可を取り消すよう、ないしは、株式会社京都産業振興センターに対し、同許可の取り消しを指導するよう、要請する。
要 請 の 理 由
第1 京都市は、市民の豊かな生活の形成に資するため、同市における産業の振興及び発展に資する活動その他の活動の用に供するための施設(地方自治法244条の公の施設)として京都市勧業館(以下、みやこめっせという)を設置(京都市勧業館条例1条)し、展示会のための施設の提供事業に係る業務を、指定管理者である株式会社京都産業振興センター(以下、センターという)に行わせている。
そして、センターは、2010年12月4日から2011年1月23日までの期間、みやこめっせ地下1階第1展示場(以下、本件展示場という)を人体の不思議展(以下、本件展示という)の展示会場として利用することを許可(以下、本件許可という)し、現在、人体の不思議展実行委員会(以下、本件委員会という)を主催団体とする本件展示が行われている。
しかしながら、本件展示場を本件展示のために利用させることは、以下の理由により許されるものではなく、本件許可は取り消されるべきものと考える。
第2 前提としての本件展示について
1 本件委員会が本件展示場において展示しているのは、宣伝物の表紙に「標本」と記載し、裏面に「本物の人体標本」とか「本展に展示されている人体プラストミック標本」と記載しているように、人体プラストミック標本と呼ばれる本物の人体標本である。
その標本は、2005年10月29日発行の「ZUROKU図録・人体の不思議」(監修:人体の不思議展監修委員会 企画・発行:有限会社インサイト)に写真掲載されている標本と同じものが多い。
2 人体プラストミック標本とは、死亡した人の身体の全部又は一部をプラスティネーション(プラストミックと呼称することもある)の保存技術により加工した標本であり、同技術の概要は次のとおりである。
@死亡した人の身体をホルマリン溶液に1週間程度浸して人体組織を固定する。
A人体組織からホルマリン臭が消えるまで1〜2日間水洗を行う。
B氷点下25度に冷却した、順次濃度を高めたアセトン溶液に浸けて、人体組織から脱脂、脱水する。
C人体標本の用途に応じて、人体組織にシリコン、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂を浸透させる。
D人体組織に浸透したシリコン、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂を硬化させる。
E真空ポンプで負圧をかけてアセトンを気化させる。
F珪酸ガスを噴霧しながら常温で乾燥させる。
このプラスティネーション保存技術は、ドイツのグンター・フォン・ハーゲンス(Gunther von Hagens)によって開発されたもので、死亡した人の身体の組織に含まれる水分や脂質をシリコン、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂に置換し、硬化することによって、半永久的に保存できるようにする技術である。
弓を引く、チェスをする、走り高跳びなどの一定のポーズをとらせている標本にするためには、死後硬直の始まる前にポージングさせて加工しなければならないと言われている。
3 人体プラストミック標本は、従来のホルマリン浸けにされた標本と異なり、ホルマリン臭のない、常温で手に触れることのできる標本であるため、死亡した人の身体であることを実感し難く、その標本のもとになった人がどこで生存し、どのように生活していたのか、国籍も含めて観念し難い特性がある。
しかし、前述したとおり人体プラストミック標本は、特殊な保存技術により加工しているとはいえ、もとは死亡した人の身体である。死亡した人の身体をホルマリン溶液に浸し、人体組織を固定化した後、アセトン溶液に浸して脱脂、脱水し、シリコン、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂を浸透させ、硬化させて製作した人体の標本であるから、本物つまり死亡した人の身体そのものである。決して常によくできた本物そっくりの模型の標本ではない。
本件委員会も、本物の人体標本であることを明示しており、本件展示場における説明用掲示板において前述した内容のプラストミック標本の製作方法を記載している。
第3 死体解剖保存法第19条違反行為の犯罪行為への荷担行為
1 死体解剖保存法(以下、本法という)は、各都道府県知事宛厚生省医務局長通知(昭和24年6月15日医発519)によれば、死体の解剖及び保存に関する総括的法規である。そして、昭和22年厚生省令第1号「死因不明死体の死因調査に関する件」を法律に改めるに際し、「大学等へ死体交付に関する法律」の内容をもこれに統合し、更に刑法等との関係を考慮の上、その他の必要事項をも規定して死体の解剖及び保存に関する統一的法制として整備したものである。
死体の保存については、本法第19条(以下、単に本条項という)が一般法規として規定されている。すなわち、本条項は、第17条及び第18条の規定により保存する場合を除いて、死体を保存しようとする者は、遺族の承諾を得、かつ、保存しようとする地の都道府県知事(地域保健法(昭和22年法律第101号)第5条第1項の政令で定める市又は特別区にあっては、市長又は区長)の許可を受けなければならないと規定し、本条項に違反した者は、2万円以下の罰金に処せられる(同法第23条)。
刑法第190条は、死体の損壊行為、遺棄行為及び領得行為を犯罪としているが、死体の保存行為を犯罪としていない。死体の保存行為は、本条項により、一定の要件を充たした時に違法性が阻却されて適法となるが、その要件を充たさない時には犯罪とされているのである。
2 死体の保存行為が適法となるのは、本法第17条及び第18条の規定により保存する場合と本条項の規定する一定の要件を充たして保存する場合である。
本法第17条は、医学に関する大学又は医療法の規定による地域医療支援病院若しくは特定機能病院の長は、医学の教育又は研究のため特に必要があるときは、遺族の承諾を得て、死体の全部又は一部を標本として保存することができると規定している。
また、本法第18条は、本法第2条の規定により死体の解剖をすることができる者(解剖をしようとする地の保健所長の許可を受けた者及び同条1項1号乃至6号に該当する場合の者)は、医学の教育又は研究のため特に必要があるときは、解剖をした後その死体(第12条の規定により市町村長から交付を受けた死体を除く)の一部を標本として保存することができると規定している。
そして、本条項は、前述したとおり、第17条及び第18条の規定により保存する場合を除いて、死体の全部又は一部を保存しようとする者は、遺族の承諾を得、かつ、保存しようとする地の都道府県知事(地域保健法(昭和22年法律第101号)第5条第1項の政令で定める市又は特別区にあっては、市長又は区長)の許可を受けたときに、死体を保存することができると規定しているのである。
3 本件委員会は、本法第17条及び第18条の規定により死体の全部又は一部を保存することができる主体ではないから、本条項の要件を充たさない限り、死体を保存することができない。
本件委員会は、人体プラストミック標本つまり死体を、2010年12月4日から2011年1月23日までの期間、無休で毎日10時から17時まで展示するとし、本件展示を始めている。
厚生労働省がかつてまとめた見解によれば、本法にいう保存とは、保存そのものを目的とする保存であり、展示は保存に該当しないとのことである。保存そのものを目的とする保存とは循環論法のようで理解し難いが、一般的用語としての保存とは、そのままの状態を保つようにしてとっておくことであり、展示とは、数多く並べて一般に見せることであるから、本件委員会が、開館時間内に行っている展示自体は保存ではないと解釈され得る。
しかし、12月4日の開館時間よりも前に搬入して本件展示場へ置いておいた行為並びに12月4日の開館日以降の、各開館日の閉館時間である17時経過後に本件展示場へそのまま置いておく行為は保存行為であり、展示は保存ではないとの見解を示した厚生労働省も、展示していない時間帯の保管行為が保存であることは認めている。
そうすると、本件委員会が、12月4日の開館時間よりも前の時間帯及び同日以降の各閉館時間経過後翌日の開館時間前までの時間帯に、本件展示場に保管する行為は、死体の全部又は一部を保存する行為に該当することになる。
従って、本件委員会は、遺族の承諾を得、かつ、保存しようとする地の都道府県知事(地域保健法第5条1項の政令で定める市又は特別区にあっては、市長又は区長)の許可を受けていなければならない。
具体的には、展示する予定の人体プラストミック標本の全てについて、それぞれの遺族の承諾を得、かつ、地域保健法第5条1項、地方自治法第252条の19第1項の指定都市である京都市の市長の許可を受けていなければならないのである。
4 遺族の承諾について
ここにいう承諾は、死体の全部又は一部を保存しようとすることについての承諾であるから、死体の一体ごとの、保存の目的、保存の部位及び名称、保存の場所についての承諾である。京都市には、死体解剖保存法第19条第1項の許可申請に関する細則がないとのことであるが、京都市と同じ、地方自治法第252条の19第1項の指定都市である横浜市の死体解剖保存法施行細則(平成12年3月31日規則第51号)第3条(死体の保存の許可申請に関する細則)規定の死体保存許可申請書(第2号様式)の記載項目中に、保存しようとする死体の一体ごとに、その保存の目的、保存の部位及び名称、保存の場所の項目があり、京都市においても同趣旨と解される。
本件委員会作成の宣伝物には「本展に展示されている人体プラストミック標本は、すべて生前からの意志に基づく献体によって提供されたものです」旨の記載がある。また、本件展示場の説明用掲示板にも同趣旨の説明が記載されている。
しかしながら、仮に宣伝物及び説明用掲示板の各記載のとおりだとしても、「生前からの意志(ママ)に基づく」というのは、死亡した者の生前の意思に基づくという意味であって、遺族の承諾ではない。死者に対する宗教生活上の善良な風俗ないし国民の正常な宗教的感情を社会的法益として保護している刑法第190条の趣旨や医学及び歯学の教育のための献体に関する法律(昭和58年5月25日法律56号、以下、献体法という)第4条が、献体に係る死体の正常解剖を行おうとする場合に、死亡した者が献体の意思を書面により表示していたとしても、原則として遺族の承諾を要件としていること等からして、本条項の規定どおり、遺族の承諾が必要であると解すべきである。つまり、死亡した者の生前の意思があるからといって本条項の遺族の承諾の要件が不要となるわけではないし、死亡した者の意思が遺族の承諾の代わりになるものでもないのである。
また、宣伝物の記載内容からすると、死亡した者の生前の意思は献体の意思である。献体の意思とは、自己の身体を死後医学又は歯学の教育として行われる身体の正常な構造を明らかにするための解剖(正常解剖)の解剖体として提供することを希望すること(献体法第2条参照)である。仮に死亡した者に生前の意思として献体の意思が認められるとしても、それは通常の意味での献体の意思であるから、医学又は歯学の教育として行われる解剖の解剖体として利用される意思に過ぎず、人体プラストミック標本にする場合には、献体の同意だけではなくプラストミック標本にすることへの同意も必要である。加えて、死亡した者の献体の意思やプラストミック標本への同意は、いずれも書面によって表示されていなければならない(献体法第4条参照)。医学又は歯学の教育として行われるわけ ではなく、かつ、身体の正常な構造を明らかにするための解剖でもなく、ただ単に、不特定多数の一般市民に、営利目的で、かつ、人体プラストミック標本として掲示する本件展示は、死亡した者の献体の意思の範囲を超えていると言わなければならない。つまり、本件展示は、死亡した者の生前の献体の意思を逸脱する行為である。
さらに重大なことは、宣伝物及び説明用掲示板のいう「生前からの意志に基づく献体によって提供された」とは言えない人体プラストミック標本が展示されている事実である。具体的には、新生児1体である。前述したように、献体の意思は、自己の身体を解剖体として提供することを希望することであって、他人の身体を解剖体として提供することを希望することではないし、新生児について有効な献体の意思(新生児が自己の身体を死後正常解剖の解剖体として提供することを希望する)を認めることは、新生児には意思能力がないからできない。してみると、本件展示場で展示されている新生児1体については、献体によって提供された標本ではないことが明らかである。
また、妊娠3か月の胎児、妊娠4か月の胎児、妊娠5か月の胎児、妊娠6か月の胎児、妊娠7か月の胎児、妊娠8か月の胎児及び妊娠10か月の胎児の標本7体について、胎児に献体の意思を認めることはできないし、理論上の問題として母親に献体の意思を認めうる(胎児を自己の身体の一部として認めること及び母親の死亡後に胎児を提供することが前提になる)としても、胎児にも限定的ではあるが独立した法人格を認めようとする現行法体系(民法第721、同第886条)からして、母親の意思によって胎児を献体として提供することを認めることは許されないものというべきである。だとすると、本件展示場で展示されている胎児7体については、献体によって提供された標本ではないというべきである。
5 京都市長の許可について
京都市は、京都市衛生関係手数料条例(平成12年3月31日条例第79号)を制定し、平成12年4月1日から施行している。同法第1条別表には、死体解剖保存法第19条第1項の規定に基づく死体の保存の許可の申請に対する審査1件につき手数料4100円と規定されているが、前述したとおり、同許可の申請に関する細則がないとのことである。
本年12月17日午後2時現在、要請人の調査によれば、同許可申請を受け付けるのは京都市保健福祉局保健医療課であるところ、これまで一度も死体解剖保存法第19条第1項の規定に基づく死体の保存の許可の申請を受け付けたことがなく、同時点でも許可申請を受け付けていないとのことであった。本件委員会が、人体プラストミック標本を本件展示場に保存することについての許可申請を行っておらず、許可を受けていないことが明らかである。
かつて本件委員会は、2005年4月2日から同年5月22日まで、京都市中京区三条高倉所在の京都府京都文化博物館において、人体プラストミック標本つまり死体を展示したが、その際にも、京都市長の保存許可を受けていなかったことが明らかとなった。
本件委員会は、京都市長の保存許可を受けることなく、前述したとおり、12月4日の開館時間よりも前の時間帯及び同日以降同月16日までの間の各閉館時間経過後翌日の開館時間前までの時間帯に、本件展示場に死体の全部又は一部を保存していたことになる。
6 以上のとおり、本件委員会は、遺族の承諾を得ることなく、京都市長の許可を受けることなく、本年12月4日の開館時間前並びに12月4日から同月16日までの各開館日の閉館時間以降翌日の開館時間まで、本件展示場に死体の全部又は一部を保存しており、この所為は、死体解剖保存法第19条に違反し、同法第23条の犯罪に該当する。
7 センターは、本件許可を与えることにより、本件委員会が本件展示場に死体の全部又は一部を保存する前記犯罪行為を実行あらしめている。かかる行為は、死 体解剖保存法第19条違反行為の犯罪行為を援助、助長する行為であり、刑法62条の従犯の責めを負う行為と言わなければならない。
第4 民法90条に違反する行為への荷担行為
1 人類は、戦争・虐殺・大飢饉・大災害・疫病の爆発的流行等の惨事の場合を除き、死亡した人の遺体を足蹴にしたり、そのまま路傍に放置したりということは せず、歴史的文化的環境の中で、その地域において丁重と見なされるそれぞれの方法で、死者と葬ってきた。葬送儀礼を通して、人々は、死後の人格の継続をイメージしたり、救済への希求を夢見たりしてきた面がある。人間の死は個別的意味を持ち、遺体は尊厳ある存在として扱われてきた。人間の死体は、生きている人間と同等ではないにしても、ある尊厳を有するという観念は、社会通念として存在している。
刑法190条は、死体の損壊、遺棄、領得行為を犯罪とし、刑罰として3年以下の懲役を科すると規定し、死者に対する宗教生活上の善良な風俗ないし国民の 正常な宗教的感情を社会的法益として保護しており、その根底には、死体に対して敬意を払うべきであるという社会通念があり、死体自体に尊厳があることを含意していると言える。死体は、社会が共有する敬虔な感情に相応しい保護の対象なのである。
2 2010年9月6日フランスの破棄院(最高裁)は、人体標本を展示する人体の不思議展(フランスでの名称は「私たちのボディ、開かれた身体」)の禁止を 認めたパリ地方裁判所の判決理由を支持した。それによると、「民法典第16条の1の1第2項により、亡くなった人の遺骸は、敬意と尊厳と礼をもって扱わなければならない」しかるに「商業目的での遺体の展示は、この規定を守っていない」とのことであった。
つまり、人体の不思議展のような、商業目的での人間の遺体の展示は、敬意と尊厳と礼をもって扱わなければならないと規定している民法典16条の1の1第 2項に反する違法な行為であるとしたのである。
日本の民法典には、フランス民法典のような明文の規定は存しない。しかしながら、前述したとおり、刑法190条は、死者に対する宗教生活上の善良な風俗 ないし国民の正常な宗教感情を保護法益とし、死体に尊厳を認めているから、民法90条の「公の秩序又は善良な風俗」には、死亡した人の遺体については敬意と尊厳と礼をもって扱わなければならないという内容が含まれていると言える。
死体解剖保存法20条が「死体の解剖を行い、又はその全部又は若しくは一部を保存する者は、死体の取扱に当っては、特に礼意を失わないように注意しなけ ればならない」と規定しているのも、刑法190条の法意を受けた確認的規定である。
3 本件展示は、医学や歯学の教育目的ではなく、一般市民を対象とし、入場料を徴収し、遺体や臓器を模したり写したりした関連商品の販売を行う等商業目的の 展示であり、その展示において、本物の人体標本すなわち死亡した人の遺体を展示しているのであるから、民法90条の公序良俗に違反する違法な行為と言うべきである。
京都府医師会は、2010年(平成22年)11月1日、模型ではなく本物の人体に特殊な防腐処置を施した標本が展示され、営利を目的として一般に有料公 開されている人体の不思議展の京都での展示会の開催の中止を求める要望書を発表しており、その理由のひとつとして、尊厳ある人の遺体に商業的価値を見出すことなど、到底許されないことだと述べている。
また、京都府保険医協会2010年度第9回理事会も、2010年10月26日、人体の不思議展は営利を目的とした興行として開催されているとし、これは 死体の商品化であり、遺体に対する尊厳が守られているとは到底言えないとして、開催の中止を求めている。
4 センターが、みやこめっせの本件展示場の利用を許可して本件展示ができるようにしている行為は、前述したとおり民法90条に違反する違法な行為を援助し、 助長する行為だと言わなければならない。
第5 結論
1 地方自治法244条2項の反対解釈によれば、地方公共団体は、正当な理由がある場合には、同条1項の公の施設の利用を拒むことができる。
一旦利用を許可したとしても、その後に正当な理由が認められる場合にも、利用の許可を取り消すことができるのは当然である。
2 前述したとおり、本件委員会は死体解剖保存法19条違反の犯罪行為を犯しており、かつ、本件展示は民法90条に反する違法な行為であるから、みやこめっせの利用の許可を取り消す正当な理由がある。
3 みやこめっせの本件展示場の利用を認めるセンターの行為は、死体解剖保存法19条違反の犯罪行為の幇助に該当するので、利用の許可を取り消すべき義務が あると言わなければならない。
また、みやこめっせの本件展示場を本件展示の利用に供するセンターの行為は、民法90条違反の違法行為を援助し、助長する行為に該当するので、利用の許可 を取り消すべき義務があると言わなければならない。
4 京都市は、みやこめっせの設置者であり、センターに管理を委託している立場にあるから、本件許可を取り消しうるものと考える。
京都市に、本件許可の取り消し権限がないとしても、京都市は、センターに対し、本件許可を取り消すよう、指導する権限及び義務がある。
そこで、要請の趣旨記載のとおり、要請するものである。