「人体の不思議展」の倫理的問題について
本校学生のみなさん
昨年(2005年)開催された「人体の不思議展」は、看護学生が身体について学習できるよい機会と位置づけて授業の一環として見学しました。
その後、皆さんにアンケートをとって感想を聞くことも行ないました。その中には、「倫理的にどうか」という感想を持った学生も見受けられました。
「人体の不思議展」は、その後も全国各地(現在、神戸と埼玉)で続けられていますが、そうした企画について倫理的な問題点を指摘する声が聞かれるようになってきています。そうした意見を集め考えてみますと、確かに大きな問題を含んでいるようです。
ホンモノの人体を、研究者や専門家(を志すもの)だけでなく一般公開することは「人間の尊厳」を冒しているのではないかとの疑問があります。外国で加工作成され貸与されているもののようですが、はっきりしないことが多々あります。ビジネス目的に貸し出されて法的に問題ないのかという疑義もあります。
また、献体された本人の承諾を得ているのかという大きな問題があります。主催団体は、献体された方からの同意を得ていると言いつつ、プライバシー保護を理由に提出を拒んでいますので、プラストミック標本に同意するという文面での個々人の承諾書は存在しない可能性があります。
本校としては、こうした批判的な意見に共感するところが大きいので、今後同様の展示について、学校としては推奨しないことを確認しました。また、過去数年間、批判的見地を持たずに学生のみなさんに見学を推奨したことについて、謝罪し反省するものです。
2006.12.20
近畿高等看護専門学校
学校長
若田
泰