2008年8月10日
(財)盛岡市勤労福祉サービスセンター長様
「人体の不思議展」盛岡展のチケット販売中止を求める要望書
人体の不思議展に疑問をもつ会
代表 刈田 啓史郎(東北大学元教授・生理学)
http://sky.geocities.jp/jbpsg355/
世話人 末永恵子
(福島県立医科大学医学部人間科学講座 講師)
問合わせ先E-mail:jintainon@yahoo.co.jp
事務作業の都合上、郵便物は、〒980−8799郵便事業株式会社仙台支社留末永恵子にお願いいたします。
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、貴センターが取り扱っておられる「人体の不思議展」盛岡展のチケットの販売中止を要望いたします。同展は展示内容に問題が多く、全国から多くの批判が寄せられています。
既にいわて生協が、「人体の不思議展」のチケットの取り扱いを中止しました。以前後援をしていました日本医師会・日本歯科医師会・日本医学会・日本看護協会・岩手医科大学は、後援を取り止めております。
充分考慮なさったこととは存じますが、市民の信頼を第一とお考えとすれば、販売に関してご再考をお願いいたしたく、お手紙を差し上げました。
ご賢察の上、早々の対応を伏してお願い申し上げます。
以下、同展の問題点を簡単に指摘させていただきます。
1,人体の不思議展の問題点
@人間の遺体の尊厳を冒涜
本物の死体を樹脂加工した標本が多数展示されている。中には死体を輪切りにしたプレート状のものや、弓を持たせてポーズをとらせているもの。胎児標本、さらには人体標本に触るコーナーまでもあった。慰霊碑や献花は皆無だった。
A死体の展示商品化についてインフォームドコンセントが存在したのか疑問
会場の掲示は、献体は生前の意思に基づくとしているが、はたして献体者は上記の方法で観客の目に曝されることまで納得していたのか。通常医学研究・教育を目的とした献体の同意書は、一般公開・展示商品化まで包括していない。さらに、意思を確認できない胎児の標本もある。
B標本は、すべて中国人のもの
仮に日本において、献体の意思を示したとしても、このような標本化と展示は、「死体解剖保存法」によって不可能である。しかし、日本で外国産の標本を展示することが可能であることは、@興行会社が法の網をくぐっていること、A日本の社会に外国人の標本であるが故に黙認するという差別が存在することを意味している。
C死体の商品化
観客から入場料を徴収し、会場にはキーホルダー等を販売する売店がある。いわば死体が金儲けの道具になっている。
D主催者の正体が不明
主催は、テレビ岩手となっているが、実際の企画・興行の主体は(株)マクローズである。人体の不思議展のHPは、この会社の責任者すら銘記せず、会社問い合わせ先などの情報も公開していない。したがって、主催者の情報開示がなく、正体は不明である。
E主催者・後援者による説明責任の回避
これまで、主催する新聞社・テレビ会社は、「人体の不思議展」に疑問をもつ会の公開質問状に回答していない。後援をする自治体や教育委員会、大学、地方医師会などの医療・保健関係機関からも回答なし。主催者・後援者ともに同展に関与することの社会的影響について無自覚、無責任である。
貴センターが、人権尊重を第一とする機関として、今後も市民の信頼を厚くされ、ますますご発展なさいますよう、祈念いたしております。
以上