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| ジュマと日本との関係 |
カプタイ・ダム建設が奪った貴重な耕作地
「我が国の政府開発援助(開発途上国援助)の実施状況」(1999年度)を見ても、アジア地域における日本の無償資金協力の最大の供与国はバングラデシュであり、99年だけで2億ドル、実にアジア地域全体の援助額の内20%以上がバングラデシュ一国へ行われていることが分かる。
周知のように、1992年に閣議決定された日本の政府開発援助大綱では、ODAを行う上での原則として以下の四原則が定められている。
(1)環境と開発を両立させる。
(2)軍事的用途及び国際紛争助長への使用を回避する。
(3)開発途上国の軍事支出、大量破壊兵器・ミサイルの開発・製造、武器の輸出入等の動向に十分注意を払う。
(4)開発途上国における民主化の促進、市場指向型経済導入の努力並びに基本的人権及び自由の保障状況に十分注意を払う。
バングラデシュにおけるジュマ民族への人権抑圧は明らかにこの原則に抵触するはずだが、先の「実施状況」中の国別援助計画の概要−バングラデシュでは、ODA大綱原則との関係を「総じて望ましい方向に向かっている」と一言だけ触れているだけだ。そして、こうした認識のもとに、国際協力銀行(JBIC)はCHTのカプタイ・ダム拡張のための資金供与を行おうとしているのである。
カプタイ・ダムは、CHTを流れるカルナフリ川を堰きとめて、東パキスタン時代の1957年から63年にかけてアメリカの援助で建設されたものだ。東京都の面積の二分の一にも相当するこのダムの湖面は、最も肥沃なCHTの一般耕作地の約四割を水没させ、十万人の土地が奪われて多くのジュマ民族が開発難民となった。
バングラデシュ独立後の1979年から82年にかけては第二ダムの建設が日本の援助で行われ、今またこれを拡張する工事が強行されようというのだ。この拡張工事が行われれば、ダム湖の水位がさらに上昇し、二万五千から三万五千エーカーもの耕作地が水没し、何千ものジュマ民族が家と生活を失うことになる。ただでさえ土地問題で紛糾するCHTに、新たに開発難民を生み出し、ますます和平協定の実施を困難にさせるものでしかないのである。
少なくとも、援助主体である日本政府、ないしは国際協力銀行自らが現地調査を行い、ジュマ民族へのきちんとした計画の説明を行い、同意を得なければならないはずだが、それはすべてバングラデシュ政府任せだ。開発援助の資金供与さえ行えば後は知らないという態度は決して許されるものではない。
私たちの税金が回りまわって、人権抑圧と環境破壊、多くの開発難民を生み出すプロジェクトに供与されてしまっていいのだろうか?
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