■『exit_if』(イグジット・イフ)




 二十一歳の大学中退ニート・小村誉(こむら ほまれ)は、実家住まいをしながら、虚しいウェブでの言い争いにすら負けて失意のどん底だった。
 そこに、新潟の地震から復興しようとする誉の家、小村家の実家であり、明治初期から続く小村酒造の手伝いを母に勧められた。
 誉は情けないパラサイトニートのまま、新潟十日町の小村酒造に行った。
 その蔵の中でペンダントを見つけた。
 誉はそのペンダントの水晶の中にLSIのような模様があることに気付いたとき、ペンダントが輝きだし、誉は気を失った。

 そして、気付いたとき、蔵の入口に和服の若い女性がいた。
 彼女は誉に、彼女と誉がいるこの時間は明治時代だという。
 信じられなかったが、更に驚くことに、そこに更に二人の女性が現れた。
 時間を司る時空管理機構という役所から派遣されてきた女性型女性サイズロボット戦艦・レイラさんと、時空管理機構の外注派遣スタッフの祝谷理香(いわいたに りか)さんだという。
 その二人の機構の女性は、誉が和服の若い女性、比佐子(ひさこ)さんと結ばれると同時に、その子孫であるという。
 つまり、誉は比佐子さんのひ孫であると共に、誉にとってはひいおじいさんなのだ。
 その混乱は、時間の運行に支障をきたす、コリジョンジーン、衝突する遺伝子という因果関係のエラーだというのだ。
 こうなってしまっては回復の方法は時空を管理する超巨大システム・アメノミナカでも早々簡単には見つけられないことを、理香さんは言葉で、レイラさんは実際にタイムマシンでもある自分を使って宇宙開闢から宇宙の停止、時間の停止までを誉に見せる。
 そして、誉は、彼にとってひいおばあちゃんに当たる比佐子さんが、このタイムスリップの出会いの直前まで、明治の小村酒造を一人で経営してきたことを知る。
 ほうってはおけないと誉は思う。
 そこで、アメノミナカとそのサブシステムである推論システム・タカムスビの結論が出るまで、明治で比佐子さんを助けながら暮らすことになった。
 酒造りの真っ最中のタイムスリップで、誉はすこしずつ、平成と混線したようにつながった無線LAN経由のウェブを使いながら、酒造りの蔵元の仕事を学んでいく。

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