斜 里 岳 北 稜
2006年4月15〜16日
L:marbo、naga、オッチー、山遊人
まさか登るとは思わなかった。marboの「斜里岳」へのこだわりに乗せられ、金曜の夜、札幌を出発する。僕以外は3月の敗退山行の再チャレンジ。なかでもmarboは今年3度目の斜里である。これまでは土曜の入山日は晴ていてもアタックする日曜は天気の神様に嫌われ中腹から追い返されているのだ。今回も日曜の天気予報は怪しい。これまでは玉石沢にテントを張っていたが、今回は1日目で北稜尾根上までテン場を上げ、2日目の日曜は天気が崩れる前の早い時間に頂上をピストンする計画が組まれた。14日午後10時、札幌を発ち、片道400kmの道を黙々と走る。今週も土曜の天気は良いが、日曜日は下り坂。車内の空気は「またか」だった。
ドライバーを交代しながら、ノンストップで清里へ。
夜が明けてきた。快晴である。だが、さすがに眠い。5時を過ぎて、正面から太陽が上がった。この太陽がMarboの心に火を点けた。ローソンで朝ご飯のうどんを食いながらmarboが言った。「仮眠取るのは止めて、今日、一気に登ろう。」僕は徹夜の入山となった。
15日(快晴)
雪が多い。除雪は最終人家まで。1ヶ月前と変っていないらしい。6時半、正面にそびえる斜里岳へ向けてスキーでスタートする。鹿除柵を乗越し、林の中の夏道を辿る。他の3人は勝手知ったる道なんだろう、脇目もふらずどんどん進む。林道とクロスしながら、玉石の沢への最短ルートを取る。気温が上がってくるとスキーが団子に。ワックスを塗り、だましだまし登った。汗が噴き出す。寝ていない身体はキツイ。がみんなの表情は明るい。
9時半玉石沢の樹林限界にテン場を決め、テントを張る。北稜を登ってピークに立ち、北西稜を下る周回コースをルートにすることにして、日帰り装備で出発する。 (左写真;斜里へ向けてスタート)
テン場からは広い谷の中を進む。春の炎天下、腕まくりして。雪はしっかり締っておりツボ足で軽快に進むことができた。
CO900付近から北尾根に上がるべく左手の急斜面をジグを切ってぐいぐいと登った。12時を過ぎて北稜の尾根に乗った。条件が良ければ、テン場予定と考えていたポイントだが、吹きっさらしの尾根上にはテン場適地はどうも見あたらない。
下部から見上げた北稜は大きなピークを2つ越えた後、頂上へ続く細いリッジを辿る、そんなルートに見えた。なだらかな北尾根を詰め最初のピーク基部で小休止を入れて行動食を摂り、ハーネスを付ける。
(右写真;下部から見上げた北稜全景)
さあ、アタック開始。
ここからnagaが本領発揮?を発揮する。積極的にトップを引いて登っていく。第1ピークの登りは傾斜も緩く雪田を繋ぎ、ハイマツを握って軽く突破。「藪山女王naga」は握って身体を引揚げるのはお手の物のようだ。続く第2ピークは長さも傾斜もあり、小さな尖塔も2,3あ
ったが、クライムダウンで処理できた。登りは稜上を行ったり回り込んでルンゼを拾ったり。雪は硬雪だったり、ズルズルのモナカ雪だったり。ルート偵察で行きつ戻りつし、「お〜い、登れそうか〜い」メンバーが交代しながらパーティーを引率する。非常に楽しい登りだった。
細かいアップダウンを繰り返し、頂上へ伸びるリッジへ出る最後の雪壁はオッチーがロープを引いて先導した。 (左写真;オッチーが攀じる。)
後はリッジを詰めるだけ。雪の状態も良くなり、アイゼンできちっと歩けば問題ない。オッチーとnagaの女性2人が引っ張ってあと一歩まで来た地点で、2人
はmarboへトップを譲る。
そうだよな〜、ここはmarboの山だもな〜、気きかせやがって、この〜っ。
右へ雪壁をトラバースし、浅いルンゼを直上すると頂上へ続く最後の斜面が輝いていた。午後3時過ぎ、頂上に立った。
『やった〜っ、ついに来たぞ〜』 歓声!!
下りは北西尾根を下る。スタスタと下っちゃうのが、惜しい。この山に止まっていたい。こんな感覚は初めてだ。ゆっくり、ゆっくりそんな気持ちで下った。marboは勿論、メンバーそれぞれがそれぞれの「登りたい」という思いを完全昇華させた、そんな気持ちがもの言わずとも感じられた。心地よい時間が流れていく。
午後5時過ぎ、テン場に帰り着く。長い1日だった。
夕餉は食当おっちーが腕を振るっての激旨だった。ベトナム風チャーハンとキャベツ入りビーフン、ワンタン
入りスープ。 (下;美味しそうでしょう?)
「そんなに食べられないよ。」 「まだ、たべられるって〜」「腹、きつ〜っ」
北稜を登った実感がこみあげてくる。興奮でおおハシャギの楽しいテントとなった。明日は下るだけだ。
<コースタイム>
(6:30)豊里車止め発 → (9:24〜10:00)CO720 キャンプ設営
→ (12:15)CO1220第一岩塔基部 → (13:00)大槍 →
(15:10〜15:20)斜里岳頂上→ (16:40)北西尾根CO1000付近 → (17:15)テント着
(下写真;北稜の上部です。)
16日(曇り)
青空は、、、見えない。昨日の青空が嘘のようだ。うだうだとシュラフでまどろみ、テントから顔を出すと、山は雲につつまれていた。ゆっくりと朝食をとり、お茶をのんだ。「さあ、帰ろうか」10時を回ってテン場を跡にする。
車止めに辿り着くのを待っていたように、雪が舞い始めた。
<コースタイム>
(10:10)テン場発 → (11:15)登山口着
素敵な仲間に感謝
そして、山って、面白いな〜