ニセイノシキオマップ・「天国への階段」を登る
「天国への階段」2度目の遡行である。ジョニーが是非行きたいとメッセージを送ってきた。これは応えねばなるまい。前回は、地図上で林道が川を渡るところまで車が入れたが、今回は普通乗用車ということもあり、林道途中で車を置く事となった。来年あたりは、国道から歩かねばならないかもしれない。それほど荒廃は進んでいる。
2004年9月4日
旭川労山の事務所に泊り、ニセイノシキオマップ川から入山し、林道を歩く。渡渉してからの林道は草が生茂っており、荒廃の早さに驚く。最後の砂防ダムを越えて入渓した。相変わらず下流域は流倒木で“美しくない”。
淡々とした河原歩きが2時間ほど続く。
CO1069二股を過ぎると伏流水となる。前回はガスの中の遡行でどんなところを登っているのかさっぱり判らなかったが、今回は雲も高く、その全容を確認することができた。沢の上流正面に目標の谷がハッキリ見えた。
「へえ〜っ、あれかよ〜」行く手の光景に驚いた。
F1下でハーネスを付ける。中央左寄りを水が流れ落ちている。水温が高ければ水の中を登るのが最も簡単なのだろうが(実際、前回は水の中を登ってのシャワークライム)、あまりにも水は冷たい。
腕まくりしてやる気満々のジョニーがバンド状の左岸からロープを引いて取付く。慎重にスタンスを確認しながら、抜け口でハーケン1本を打って、落ち口に消えていった。いいぞっ。
セカンドで続くと、なるほど下から見ると階段状に見えたが逆層だ。出口で回収しようとしたハーケンを落としてしまう。ああ、情けなっ!!
「天国への階段」のF2は、階段をどんどん上る。下界ではレッドツェペリンを想起してと想うのだが、登っていると忘れてしまった。
けっこうな長さだが、2度目になるとさほどの高度感は感じない。ステップを慎重に踏めば、問題とはならない。ジョニーが着実に登っていく。しかし、しつこいようだが流れの中に手を置くと、痺れるほど水は冷たい。
「階段」を上り詰めると直ぐにF3。右岸にはハーケン、ボルトがかなりの数打ってある。フリーで右岸を登って草付きに出、ハッキリとした踏み跡を辿って滝の落口に出た。傾斜はあるが、問題はないだろう。
これからは水量も落ち、ガレが浮く急な草付きを稜線へ出た。これからは水量も落ち、ガレが浮く急な草付きをひたすら高度を上げる。立ち上がった岩塔の基部に出るとそこが稜線となる。荒井川へ下る斜面との境界である。目前にはアンギュラスが紅葉の化粧をまとっていた。
この日はピークへは行かずに、ここから下山。廃道とされているニセイカウシュッペの南陵コースだが、まだまだハッキリとした踏み跡を辿ることができる。見下ろした『小槍』は城塞のように稜線上に立ちはだかっている。3月に、途中までラッペルして下った壁の高度差には驚くばかりだ。「この地形で雪がついたら、右も左もトラバースはできないではないか。忠実にこれは越えなきゃならんのか??」「いったい登山道はこの小槍をどうやって処理しているんだろう??」そんなことを思いながら登山道を下った。
9月に入ったばかりなのに山はすっかり秋。登山道の脇のウラジロナナカマドは真っ赤になっている。振り返るとアンギラス峰。2年前に捜索で下った沢は・・・・
小槍手前の最低コルにはテープが巻いてあり、導かれるように稜線から下った。5分すれば沢型は顕著となり、数回の懸垂下降も交え、沢を下った。