ポンクワウンナイ川
2004年7月16〜18日
入渓するにかなりの緊張感を感じていた。不安だった。僕らに行けるのだろうかと。それもやっと気温が上がりだし、「沢の季節」であることを感じさせる数日のうち、期待感に変わってきた。しかしアクション!!の沢は簡単ではなかった。marboのペースダウンがあったが、そして1日目の夜に雷雨に見舞われたが、果たして天気が良かったら、化雲沢はどうだったろう。marboばかりでなく、僕にも玉ちゃんにもいい経験になった。
16日(金)
20時45分札幌発。富良野を経て天人峡へ。24時少し前、テントを張る。
17日(土)
クワウンナイヘ入る林道の入口に駐車場ができており、ここに車をデポして出発する。林道は昨年も歩いており、ポンクン出合を過ぎ、2つ目の砂防堰堤の上から沢へ降りる。水量も昨年と同じ程度。CO798まで2時間弱。昨年とほぼ同じペースである。
「二段の滝」
昨年、多ダッチが足を挫いたところからまもなく「二段の滝」。白水沢のゴルジュに似ている。が、両岸は高い。ゴルジュ奥の5b滝が1段目、2段目は左から5bが落ち込んでいる。1段目は左岸のバンドがルート。ハーケンも残置されている。

フリーで取り付いたもののチッとやばく、玉ちゃんが替わって空身でロープを引き、マーボ、ザック、僕の順で1段目の落ち口に出る。
2段目は、右岸の岩壁に残置のスリングがあり、これを「あぶみ」に使って下段を登り、左上するバンドを使って抜けた。
「ゴルジュの滝」
CO870二股を過ぎると川は右へ大きく屈曲し、正面にゴルジュの滝が現れた。一応、下まで行って眺めたが、そそくさと左岸台地を巻く。
「大滝」
再び単調な河原歩きとなる。10bくらいの<あれは滝と考えてもいいかな>の階段状などをいくつか直登し、「もう現れてもいいのにな」と考えていると「大滝」のお出ましとなる。

「でかい。」なるほど左岸脇に中間から木のあるリッジがあるが、とても登れるとは思えない。3人づつ大滝をバックに記念撮影をして、定石通り?、右岸の急な小尾根から高巻きをかけた。登路になっていることが判る踏み跡があるが、滝の落ち口と同じくらいの高さまで登ると、踏み跡も判然としなくなる。先人たちは、この当たりから、きっと思い思いのルート選定でトラバースしているのだろう。我々のトラバースは途中ガレの沢形を横断する所で一度ロープを出した。下降に入り、もうすぐ川身に届くところでmarboが草付きの斜面を滑落してしまう。沢に降りたところで小休止とした。marboは眼鏡のフレームが曲がり視点が合わないとぼやいているが、、、、上半身裸になり、川の水で身体を洗っている。心配なさそうだ。
ここからは、5b前後の小滝が続く。過去の記録にある「ハングの滝」は、周囲の地形と落ち口の様子からこれだろうと推測できるのがあったが、右岸の崩壊で滝が埋まり、もはや滝ではなくなっている。やがて遡行記録から消えていくのだろう、きっと。
10b滝を右岸階段状を直登した後の10bは直登できず右岸のスラブから高巻く。
CO1250 この当たりからナメが続く。本家クワウンナイを僕は知らないのだが、ミニクワウンナイと呼ばれるのはこの辺りだろう。
小さなスノーブリッジをくぐって抜けたところ(CO1380)で休みを入れた。
沢は階段状となり、順調に高度を上げるが、marboのスピードが落ちてきた。CO1480二股は顕著。背丈ほどの灌木の中を流れる水を追って高度を上げる。
co1600二股は左へ入り、早く縦走路に出ようと考えていたが、左から合流する流れを見落とし、ポン化雲頂上へ突き上げる右へ入ってしまった。こうなれば、後は流れを辿って一直線にひたすら登るだけ。
草付きの斜面に、黄色に花咲くエゾノリュウキンカ(?)に沿って踏み跡が続いている。鹿道だろうか? それを階段に使って高度を上げる。藪はほとんど無く、お花畑の斜面である(季節があえば花盛りではないか?)
marboのスビードはガックリ落ちる。ザックを降ろすとあっという間に居眠りを始めてしまう。眼鏡のせいだろうか? お花畑と背の低いハイマツの中の踏み跡を辿る。足の上がらなくなったmarboを「あと標高差100b」「50b」と騙し騙し引っ張る。5時半。結局、藪漕ぎなしで稜線上に出る。左手のマウンドがポン化雲のピークだろう。テン場は「ポン沼」当たりに、と思っていたが、頂上下のお花畑にぽっかりと空いた砂地にテントを張りお茶を沸かした。間もなく雨。玉ちゃんがポトフを作る。marboは元気なくシュラフの中へ。夕食も取れない。化雲沢への下降は取りやめ、天気が良ければ、marboの体調を見て化雲岳までゆっくりピストンしようと、玉ちゃんと計画変更を決めた。
夜半、雷が轟き強い雨。稲光が隣で光っているようだ。これって「危険」な状況なんだろう。 marboは、吐きまくっていた。
18日(日)
雨が降り続いている。6時起床。風は収まっているが、雨で視界は悪い。下山を決める。marboの体調から、下山は致し方ないところと自分を納得させる。一夜明けても体調はやはり良くなく、固形物はおろか、水分も受け付けないようだ。でも、表情は明るさが戻ってきたようだ。これまでの経験から唯一大丈夫という「砂糖湯」をつくってペットボトルに入れる。
ポン化雲から少し降りたところで方向確認しようとしたら、「鈴の音」が我々を登山道へ案内してくれた。大きなザックの単独行者だった。花畑と低いハイマツが続く縦走路を下る。
大きな雪渓。単調な歩きにペースが上がらない。噂通りの天人峡への下山路だった。
化雲沢を下り、クワウンナイ川の美味しい部分を遡行する計画だったが、ポンクン1本の成果であった。いつもながら考えてしまう。本当に行けなかったのか?と。 正しい判断だった。そう自分に言い聞かせる。そんな自分自身が情けない?いやいやそんなことはない。