デング

 

2010.8-6   怖いのは慣れと油断 蚊媒介感染症への対策は 共愛メディカルで医療セミナー 関西医科大の西山教授  (じゃかるた新聞から)

 

ジャカルタ共愛メディカルセンターは四日、関西医科大学公衆衛生学教授の西山利正先生を招き「蚊媒介性感染症」をテーマに医療セミナーを開いた。中国やベトナムで日本語での病院予約など医療サポートサービスを展開する「ウェルビー」(本社・東京)と協力して実現。邦人約二十人が参加した。 蚊が媒介する感染症は重症化すれば命にかかわることもある。西山先生は「蚊媒介性の感染症は蚊に刺されないよう気を付けることで防ぐことができる。重要なのは油断をしないこと」と繰り返し呼び掛けた。マラリア、デング熱、日本脳炎、チクングニア熱、リンパ管糸状虫症に分けて、それぞれの予防法、感染経路、症状、治療法などを説明した。

マラリアは日没から日の出までの夜間に人を刺すハマダラカが媒介。三日熱、熱帯熱、四日熱、卵形の四種類があるが、もっ とも強い熱帯熱マラリアでは、最初の発熱から五日以内に適切な治療を行わなければ死に至ることもあり、「海外から帰国して発熱が続いたときにはもっとも注 意しなければならない疾患の一つ」と話した。

この病原体の原虫は近年、薬剤に対する耐性が付いていることが問題になっており、耐性がある治療薬では効かず、治療には適切な判断が必要。また三日熱や卵形は肝臓に入り込み、繰り返し発症することもあるので、根絶治療するのが大切だ。日本でも毎年、海外から帰国した人が、多い年で百二十人前後、マラリアを発症しているという一方で、マラリアの治療を専門的に行える医療機関はまだ多くない。

予防には予防内服薬を服用すること。また流行地に行かない、蚊に刺されないように気を付ける。ハマダラカはきれいな水でしか生息できず、インドネシアでも都市部には少ない。自然が多く残る場所に行く際には特に気を付ける。

 

■解熱剤服用には注意

反対にデング熱を媒介するネッタイシマカは、生活環境周辺の水溜りでも生育でき、熱帯の都市部では注意が必要。ネッタイシマカは日中から夕方にかけて刺すことが多く、うす暗い倉庫や机の下など、二十四時間活動できるので油断は禁物だ。

大人では重症化しない限り命に危険はないが、糖尿病などの、感染症にかかりやすい病気を患っている人や子どもなどは場合によっては死に至ることがある。

デング熱には四つの違う型があり、一つにかかると抗体ができる。しかし、二回目にデング熱に感染し、前回と似ている型だと抗体が作れず重症化するとの仮説がある。予防接種はなく、治療薬もないため、医師の指導のもとに症状を軽減させる治療を行う必要がある。

デング熱の症状を抑える治療にも注意をしなければならない点がある。たとえば、高熱を抑えようと自分の判断でむやみにアスピリンなど非ステロイド消炎物質(NSAIDs)の解熱剤を服用するのは危険。「これらはデング熱で減少した血小板をさらに減少させ、出血を助長することがある」からだ。

インドネシアの薬局で売っているパナドールやパラセタモールなどアセトアミノフェンを利用した解熱剤なら影響は少ないといわれている。

 

■蚊に刺される危険減らす

一番の予防は「蚊に刺されないこと」。(1)虫除けをこまめに塗る(2)肌の露出を控え、長袖長ズボンを着用する(3)屋内では網戸を使用(4)寝るときは蚊帳を使う(5)蚊取り線香を使う―ように、と説明。蚊帳は住友化学が生産するオリセットネットなど、防虫成分が浸漬したものが効果が高いと話した。

虫除けはDEET二〇%ぐらいのもので十分。五〇%以上で肌への刺激が気になる場合は服の上から使うことでも蚊が防げる。「レストランに半ズボンで食事に行くなど、何気ない行動でも蚊に刺される危険をつくってしまう。慣れても決して油断せず、まずは刺されないことです」

 

1)蚊にさされないよう、蚊が嫌うクリームを塗りましょう。

 

 

 

「SOFFELL」 diethyltoluamide(ジエチルトルアミド) (殺虫剤・昆虫忌避薬)が13%含まれているクリーム

 

 

また、蚊のよりつかない アカール・ワンギ や蚊取り電撃ラケット(テニス・ラケットのようなもの)も必携ですね。

 

 

 

 

蚊に刺されてかゆい場合は、

 

 

ZAMBUKを塗りましょう。

これはバイエル(スイス)のライセンス生産のもの(タイ製)で、オロナイン軟膏とムヒを兼ねたもの。

蚊にさされた場合や傷にもよいという。ユーカリ油5%、樟脳(CAMPHOR)が1.76%等が含まれている。

 

 

 

2005.1.20 首都でデング熱流行、感染者264人に、 またジャカルタ特別地区では洪水が発生し熱帯性の病気が懸念されます。 

 

2004.3.2 インドネシアでデング熱の大規模な流行発生、WHOが発表

 

 世界保健機関(WHO)は2月26日、インドネシア保健省の報告として、同国で大規模なデング熱の流行があり、1万4626人が感染し、260人が死亡したと発表した。致死率は1.8%になる。感染はジャワ島とスマトラ島の全域に広がっている。Den3型と呼ばれる亜型が周流だが、合計4種類のすべての型が存在するという。保健省では、ウイルスを媒介する蚊の本格的な排除を開始しているという。

 

(WHOの記事から)

Dengue fever in Indonesia   26 February 2004

 

As of 26 February, the Ministry of Health of Indonesia has reported a total of 14 626 cases with 260 deaths (case fatality rate, 1.8%) from 1 January 2004 in all provinces in Java and 2 in Sumatra. Den-3 is the most common serotype circulating, although all four serotypes are present. The health authorities are carrying out tests to determine the specific virus strain responsible for this outbreak.

The Ministry of Health has begun intensive space spraying to eliminate the mosquitoes that carry the virus. WHO and the WHO Collaborating Centre, NAMRU-2, are assisting the Ministry of Health with laboratory diagnosis.

 

 

◇デ ン グ 熱 Dengue Fever について  (厚生労働省)

 

 日本では馴染みのない名前の感染症ですが、マラリアと同様にアジアや太平洋諸島など熱帯亜熱帯地域に広く分布するウイルスによって引き起こされる感染症です。デング熱は流行する地域全体で年間数十万人の患者が発生しており、昨年は広い地域で爆発的な流行が頻発しました。マラリアと異なり、デング熱を媒介する蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ)は空き缶などに溜まった水や竹の切り株に溜まった水でも発生するために都会で流行することも多く、ある意味ではマラリアよりも感染する危険性は高いと言えます。

 

1 感染源

 デング熱ウイルス(フラビウイルス属で1〜4型まである)を保有している蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなど)に吸血されることにより感染します。

 

2 症状

 3〜15日、通常5〜6日の潜伏期(蚊に刺されてからウイルスが体内で増えるまでの期間)を経て、突然の発熱ではじまる。熱は38〜40℃程度で5〜7日間持続し、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹を伴います。この発疹は風疹と同じような小さな紅斑で、痒みや痛みはありません。また、軽い皮下出血が足腿部、腋下、手のひらに発熱期の最後や解熱後に現れます。

 

3 治療方法

 一般に対症療法だけで特効薬はありませんが、特別な治療を行わなくても軽症で済むケ−スが多く、死亡率は1%以下であるといわれています。しかし、最近の傾向として、まれにデング出血熱という重症な疾患になる場合が多くなってきております。

 

4 予防方法

 予防接種も、マラリアに対するクロロキンなどのような予防薬もありませんので、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防法です。

短期間の滞在であれば、防虫スプレ−や蚊取り線香あるいは厚手の服の着用(長袖、長ズボン)である程度は予防できます。電気蚊取器は電力事情が悪い外国(流行地域は全て良くない)では停電などのために使用不能になる場合が多いのでお勧めしません。やはり昔ながらの蚊取り線香が一番です。

長期の滞在であれば、思い切って蚊帳を購入することをお勧めします。

 

5 デング出血熱

 一般に流行するデング熱の中でも出血傾向を伴う重症疾患で、その原因は特殊な型のデング熱ウイルスによるもなのか、個人差(遺伝的な感受性の有無)によるものなのかは諸説あり、詳細については明らかになってはおりません。主要な症状は一般のデング熱と同じですが、下記の様に異なる点があります。

 

○大人よりも小児に多発する傾向があります。

○皮下、鼻腔、歯肉などから出血がみられます。

○死亡率が10%と高く、治療が遅れれば40〜50%が死亡するといわれています。

○アジア地域に多発し、次いで中南米地域にみられ、その他の地域での発生はまれです。

 

 

◇インドネシア:デング熱の流行  外務省海外安全相談センター(国別安全情報等) 
  2004-2-26


※ 海外では「自分の身は自分で守る」との心構えをもって、渡航・滞在の目的に合わせた情報収集や安全対策に努めて下さい。
※ 本情報は、海外に渡航・滞在される方が自分自身で安全を確保するための参考情報です。本情報が発出されていないからといって、安全が保証されるというものではありません。
※ また、法令上の強制力をもって渡航を禁止したり、退避を命令するものでもありません。
 
1.在ジャカルタ総領事館によると、下記のとおりデング熱の流行が報告され
 ています。
  2004216日、スユディ・インドネシア保健大臣は、デング熱について、 本年は全国的に大流行の兆しが見られる旨の発言を行いました。18日付の保健省統計によれば、既にジャワ島を中心にデング熱が流行しており、今年に入ってからジャカルタ特別州で2963人(うち25人が死亡)、西ジャワ州で1289人(うち30人死亡)、中部ジャワ州で1918人(うち39人死亡)が感染し ているとのことです。

2.デング熱はこれからも流行がしばらく続くことが予想されますので、インドネシアへ渡航予定の方は以下の点に十分ご注意下さい。
(1)デング熱は蚊に刺される事で感染するウイルスが原因の感染症です。潜伏期は数日から1週間程で、38度以上の高熱、頭痛、関節痛、発疹、筋肉痛、疲労感などで発症します。目の奥が痛むケースもあります。ヒトからヒトへうつる事はありません。

(2)デング熱には予防接種も予防薬もありません。蚊に刺されないようにすることが唯一の予防方法です。媒介する蚊はネッタイシマカとヒトスジシマカで、古タイヤなどの水たまりでも繁殖するため都市部でも多くみられます。どちらも昼間吸血します。皮膚の露出を減らすようにし、室内では蚊取りマットをつける、外出時は虫除けスプレーを数時間毎に塗るなどの予防措置を取って下さい。

(3)デング熱には特効薬は無く、一般に対象療法が行われます。普通は十日程度で解熱し回復に向かいますが、1ヶ月ほどは疲労感が残ります。出血傾向が出るなど重症化するとデング出血熱、デングショック症候群と呼ばれ、この場合は命に関わる事もあります。初期の症状がマラリア等と紛らわしい事もあります。熱がでたら早めに医療機関を受診して下さい。繰り返しかかる事もあります。

(4)デング熱は、インド〜東南アジア〜オセアニア、中米〜南米の一部、アフリカ等で広く流行しています。


◇ 国立感染症研究所

病原体  
 デングウイルスは、日本脳炎ウイルスと同じフラビウイルス科に属するウイルスで、やはり蚊(主にAedes aegypti )によって媒介される。4 つの血清型(1 型、2 型、3 型、4 型)に分類され、たとえば1型にかかった場合、1 型に対しては終生免疫であるが、他の血清型に対する交叉防御免疫は数ヶ月で消失し、その後は他の型に感染しうる。この再感染時に、DHF になる確立が高くなるといわれている。そのため、型別も含めた実験室内診断が重要である。デングウイルスはヒト⇒蚊⇒ヒトの感染環を形成し、日本脳炎ウイルスにおけるブタのような増幅動物は存在しない。

 


臨床症状
 デングウイルスに感染した場合、かなりの割合で不顕性感染に終わると考えられている。しかし、実際には感染者のどのぐらいの率が不顕性感染として終わるかということはよくわかっていない。
(1)
デング熱(DF

症状を示す患者の大多数はデング熱と呼ばれる一過性熱性疾患の症状を呈する。
 感染3 7 日後、突然の発熱で始まり、頭痛特に眼窩痛・筋肉痛・関節痛を伴うことが多く、食欲不振、腹痛、便秘を伴うこともある。発熱のパターンは二相性になることが多いようである。発症後、3 4 日後より胸部・体幹から始まる発疹が出現し、四肢・顔面へ広がる(図2)。
 これらの症状は1 週間程度で消失し、通常後遺症なく回復する。
(2)
デング出血熱(DHF
 デングウイルス感染後、デング熱とほぼ同様に発症し経過した患者の一部において突然、血漿漏出と出血傾向を主症状とするデング出血熱となる。重篤な症状は、発熱が終わり平熱に戻りかけたときに起こることが特徴的である。
 患者は不安・興奮状態となり、発汗がみられ、四肢は冷たくなる。極めて高率に胸水や腹水がみられる。また、肝臓の腫脹、補体の活性化、血小板減少、血液凝固時間延長がみられる。細かい点状出血が多くの例でみられる。さらに出血熱の名が示すように、10 20%の例で鼻出血・消化管出血等がみられる。しかし、症状の主体は血漿漏出である。血漿漏出がさらに進行すると、循環血液量の不足からhypovolemic shock になることがある。症状の重症度によりGrade 1 4 4 段階に分けられ、ショック症状を示すGrade 3,4 はデングショック症候群と呼ばれることもある(表2)。
 デング出血熱は適切な治療が行われないと死に至る疾患である。致死率は国により数パーセントから1 パーセント以下と異なる。
2. WHO によるデング出血熱の病態分類
Grade 1
: 発熱と非特異的症状、出血傾向としてTourniquet テスト*陽性。
Grade 2
Grade 1 に加えて自発的出血が存在する。
Grade 3
: 頻脈、脈拍微弱、脈圧低下(20mmHg 以下)で代表される循環障害
Grade 4
: ショック状態、血圧や脈圧測定不能
* Tourniquet
テスト:
日本では臨床医がデング熱患者を診察した時にあまり実施されていないが、患者の腕を駆血帯で圧迫することにより、点状出血が増加する現象を見ることである。2.5cm2 あたり10 以上の溢血点(点状出血)を観察した場合陽性とする。陽性の場合、デング熱の診断上重要な指標となりうる。 
病原診断
 病原体診断ではRT PCR 法によるウイルス遺伝子の検出、および蚊由来C6/36 細胞やアフリカミドリザル由来のVero 細胞により、ウイルス分離を行う。型特異プライマーを用いてウイルス遺伝子を検出すれば、型別診断ができる。
 血清診断ではIgM 捕捉ELISA によるIgM 抗体の検出を行う。急性期に比し回復期における特異中和抗体価、HI 抗体価の上昇によっても診断可能である。ただし、日本脳炎ウイルスに免疫を有する多くの日本人においては、デングウイルス感染により、日本脳炎ウイルス抗体価も上昇する例が多いので注意を要する。1 型から4 型のウイルスそれぞれに対するプラーク減少法により、中和抗体価を測定すれば、型別診断も可能である。

治療・予防
 通常のデング熱の場合には輸液や解熱鎮痛剤程度にとどまることがほとんどである。ただし、解熱鎮痛剤としてサリチル酸系統のものは出血傾向やアシドーシスを助長することから禁忌であり、アセトアミノフェンが勧められる。
 デング出血熱の場合には循環血液量の減少、血液濃縮が問題であり、適切な輸液療法が重要となる。輸液剤としては単純な生理食塩水、乳酸加リンゲル液などの他に新鮮凍結血漿、膠質浸透圧剤などが必要になることもあり、バイタルサインなどとともにヘマトクリット値をモニターしながら投与する。時には、酸素投与や動脈血pH の状況により、重炭酸ナトリウムの投与なども行われる。
 予防に関しては、日中に蚊に刺されない工夫が重要である。具体的には、長袖・長ズボンの着用、昆虫忌避剤の使用などである。

感染症法における取り扱い
 デング熱は4 類感染症全数把握疾患であり、診断した医師は7日以内に最寄りの保健所に届け出る。


(国立感染症研究所ウイルス第一部 高崎智彦)

 

◇ 在カンボジア大使館 デング熱の流行について   医務官  2001年5月  

1.デング熱の流行状況について

 デング熱は約3年周期で流行することが知られています。1998年の大流行から3年目にあたる今年は当初より流行が予想され、保健省でも早くから殺虫剤散布や住民教育を行ってきました。

 しかし5月に入ってデング熱流行に関する報道がみられるようになりました。デング熱対策の中心的役割を担っている国立マラリアセンターによると、5月に入ってから地方で流行が確認されているとのことです。現在流行している地域はPrusat州国境地域、Siem ReapPuok地域、Ratanakkri州で、この他Banteay Meanchey州、Battambang州でも患者が増加しつつあります。

 今年の流行の特徴は都市部ではなく地方で流行がみられることです。いままでデング熱はPhnom Penhなどの都市部を中心に流行しましたが、今年は今のところ流行の兆しはみられません。
 

2.デング熱の基礎知識

 デング熱はネッタイシマカという蚊によって媒介されるデングウイルスに感染して起こるウイルス性疾患です。

 感染して3〜7日の潜伏期間の後に突然の高熱で発症します。熱は通常39度を超え、頭痛や関節痛、筋肉痛などを伴います。5日程度で解熱傾向となり、この頃体に発疹が出現します。解熱後もしばらくは微熱や疲れ安さが残ることが多いようです。

 デング熱の重症型にデング出血熱があります。デング出血熱では命にかかわることがあります。

 特効薬はないため(抗生物質も効きません)対症療法で経過を見ることになります。解熱剤はパラセタモールやアセトアミノフェンを用い、アスピリンなどを使用してはいけません。デング出血熱では入院して全身の管理を行い、輸血が必要となることもあります。

 3.デング熱の予防

 デング熱は蚊によって感染する病気ですので、蚊に刺されないようにすることが大切です。デングウイルスを媒介するネッタイシマカは日中活動するので、蚊取り線香を焚いたり昆虫忌避剤を皮膚につけたりして蚊を寄せ付けないようにしましょう。

 またこの蚊は空き缶にたまった水や過敏の水などで簡単に繁殖しますので、住宅の周り(庭など)にそういった繁殖場所を作らないように心掛けてください。

 4.おわりに

 デング熱患者数は例年8月にピークを迎えます。今のところPhnom Penhでの流行はみられていませんが、雨期が本格化するにつれ患者数が増加すると思われますので、今後十分な注意が必要です。

 

(SOSメデイカから)

 

デング熱、デング出血熱

◇ デング熱


アルボウィルス(通称:デング熱ウィルス)が熱帯シマカ、ヒトスジシマカによって伝染するデング熱は、通常、4〜5年周期で流行しています。健康な人が重症化することは稀です。
デング熱感染後しばらくは脱力感が残り、完全に回復するには一定の期間を要します。デング熱の人体間での感染はありません。

 

◇ 症状


2〜 14 日(通常4〜8日)の潜伏期間(ウィルスが体に入ってから症状が出るまでの期間)を経て、悪寒で始まり、頭痛、背部痛、眼痛(眼球の裏に痛みを感じる)の症状が現れす。
関節痛、腰痛は特にひどく、以前はBackbone Feverとも言われていました。突然40 度近く発熱しますが、高熱のわりに脈拍は遅く(高熱の場合は脈拍が速くなる事が多い)、血圧も低めになります。
発熱後2〜4日で一時的に熱が下がり症状が改善しますが、24時間後に再度発熱する時には腹部、手足(手のヒラ、足底)に発疹が出現します。発疹は鮮紅色で点状出血斑の事が多く、皮がむけることもあります(再度の発熱、発疹は必ず現れるとは限りません)。
発疹後の症状の改善は遅くなります。感染後1年ほど抗体が保たれますが、それはウィルスの血清型によって4つに分類されている中の1 つにすぎません。(デング熱ウィルスはこれまで血清型により4つあることが証明されています。デング熱に感染して抗体ができても、違う型のウィルスの血清型なら、できた抗体は働きません)。

 

◇ 診断法

デング熱をすぐに判断する有効な検査法はありません。白血球数は細菌感染の時のように上昇しません。デング熱抗原反応は特に発症後7日以内は不確実です。
診断は、医師の診察、血しょう板数(血液を固まらせる成分)の低下が指標になります。
症状が改善するまでに数週間かかります。その間は、休養を十分にとり、解熱剤を内服し発熱をコントロールしますが、アスピリンを内服する事は絶対にしないでください(アスピリンは出血を助長します)。

 

◇ デング出血熱

デング熱からデング出血熱を発症することはまれです、患者の多くは小児や高齢者です。デング出血熱は発熱後3〜5日で発症し、重篤な経過をたどります。
デング出血熱は、過去1年以内にデング熱に感染した患者に多く見られるという説があります。
また以前感染したデング熱ウィルスとは違う型のウィイルスに感染した場合に発症するとも言われています。
しかしながら、この因果関係はっきりと証明されていません。

 

◇ デング出血熱の症状

出血傾向はデング熱では見られません。出血は歯茎、鼻、内臓また皮膚の内出血、出血班として見られます。出血傾向を調べるために止血帯をして内出血の様子を調べる時があります。肝肥大を認められる時もあります。
患者が突然、意識がもうろうとしたり、虚脱状態(反応がない)、反対に不穏になったり、脈が速く弱くなり、血圧の低下、冷汗などのショック症状を示した時には医療設備の整った病院で治療を行なわなければなりません。デング出血熱によるショック状態は致死率が高く、点滴、血液製剤の使用または輸血が必要となってきます。
デング出血熱の最も重要な検査は血しょう板数の測定であり、デング出血熱の場合はこの値が大変低くなりますが、白血球数はデング熱の患者に比べ高くなる事が多くなります。

 

◇ 蚊に刺されない為に

蚊は水辺または水溜まり水のなかに卵を産みます。病気を媒介する蚊を駆除するには、人間の生活環境の近くにある、産卵場所となり得る場所をなくす事です。
1.寝室で殺虫剤を使用することは蚊の数を減らすには有効ですが、完全に蚊に刺される事を防ぐ事は不可能です。蚊取りマットや電気リキッドが普及していますが、その効果は部屋の大きさ、通気の具合に関係します。
2.蚊帳の使用(特にエアコンが使用されていない場合)。蚊帳を1%のPERMETHRIN(またはそれに代わる殺虫剤)に漬けることで最長3カ月の殺虫効果を持続することが可能です。居住地がデング熱やマラリアの発生地域にある場合はカーテンも同じ方法で殺虫剤をしみ込ませるておく事を勧めます。窓は網戸(殺虫剤をしみこませていても、いなくても)を使用し寝室への蚊の侵入を防ぎましょう。
3.殺虫灯、殺虫スプレー(PYRETHOIDSを含んでいるのも)の使用。蚊が潜んでいる暗く涼しいところに撒きます。
4.夜間は、蚊が好む暗い色の服、香水、コロンは使用しないようにします。
5.外出時の虫除けスプレー、クリームの使用。DEETDiethylmethylbenzamide)は安全で有効な蚊を防御する成分です。DEET の濃度は製品によって異なりますが30 40%で十分(90%の製品もある)でしょう。
以下の事に留意し使用してください。
a.服から露出している肌に使用する。
b.濃度の高いDEET は肌には使用しない(服 に噴霧する)。
c.虫除けスプレーを吸い込んだり、眼や口など の粘膜に入れない。
d.眼や口に触る手のひらには使用しない。
e.傷、発疹、炎症部には使用しない。
f.帰宅後、虫除け剤を洗い流す。
g.もし虫除け剤を使用後かぶれたり、刺激を感じたら洗い流し、医師の診察を受ける。
6. DEETの効果があるのは4時間程度です。

◇ 蚊とその幼虫の駆除
・家の周りの池、水溜りの清掃。
・水が溜まりやすい場所(タイヤ、鉢、ゴミの集積所など)に蓋をします。
・浄化、循環されていないプールは水を入れ代えるか、排水すること。
・水の排水が不可能な場合は、蚊の幼虫用の殺虫剤(ABATE)を使用するか、幼虫を餌とする魚を飼います。
・網戸、蚊帳の設置。
・鉢の水を週1回交換したり、洗う。鉢の水受けに水を溜めておかないこと。蚊の卵を洗い流す為に週1 回は水受けを洗います。
・雨水が溜まりやすい容器には蓋をしたり、そのもの自体を排除します。
・過剰な殺虫剤、人体に毒性のある薬は使用しないこと。
・消毒薬の散布(消毒霧)は蚊の成虫を撃退しますが幼虫を殺虫する事はできません。消毒霧は蚊の侵入は防げませんが、消毒薬が残っているところには産卵はできなくなります。
・殺虫剤の危険性、注意点が分からないで使用することは危険です。どのような目的で、その薬品は何の為に使われるかを理解してから使用してください。

 

 下痢にご用心!


 
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