エステルに質問です。

――適当に好き勝手に質問をして答えてもらう、質問コーナー。今回は質問者は僕、ジルベルト。回答者はエステルとなってます。よろしくね、エステル。
「よろしくお願いします。今からどんな質問が飛んでくるのか戦々恐々としています」

――質問内容は僕が考えたわけじゃないけど、変な質問だったらごめんね。
「ジルが考えたほうが怖いので、ちょっと安心です」

――どういう意味かな?
「そのままの意味ですよ。さっさと質問してください」

――了解。じゃあ第一問。エステルの好きな食べ物と嫌いな食べ物を教えて。
「そうですね、好きな食べ物っていってもたくさんあるんですが、ガーデンパーティーで出るようなものだとチーズケーキでしょうか。あとチーズサンドも好きです」

――チーズが好きなんだね。
「ものにもよりますよ。表面がカビのものは普通って感じですし。あ、他には柑橘類が好きなので、オレンジマフィンやレモンケーキなんかも好きです」

――嫌いなものは?
「あんまり好き嫌いはないんですけど、これだけはっていうのが一つ。レモンティー」

――柑橘類が好きって言っていたのに?
「それとこれとは別です。紅茶にレモンを入れると、紅茶の風味を壊すんです。味も香りも変になります。絶対に許せません」

――こだわりがあるんだね。次、第二問。どうしてそんなにジルを邪険に扱うの?
「……自分のことを質問してどうするんですか」

――質問は僕が考えたわけじゃないから、しょうがないよ。で、答えてくれるかな。
「やけにいい笑顔なのがむかつく……。えっと、質問の答えですが、まず一つはわたしの年齢があります。前世の記憶のせいでもありますが、子ども相手に本気で口説くなんて、変態としか思えないんです。ちなみにこっちの世界の一般常識でも前世ほどではありませんが、やっぱりおかしいことです」

――一つは、ってことは他にもあるの?
「あとは……単純に反りが合わないというか、そもそも歯の浮くような台詞が苦手なんだと思います。あとはジルの美形っぷりに妙な反感を覚えたりも」

――最後のは僕のせいじゃないよね。エステルらしいけど。第三問、自分で気づいてないだけで、実はジルのことを好きだったりしない?
「しないっ!!」

――即答だね。少しくらい考えてくれてもいいのに。
「あのですね、本編でも言ってますが、わたしは前世でも現世でも好きという感情を経験ずみなんです。本当に好きなら気づくはずです。何しろうれしくないことにジルのことは山ほど考えさせられてますからね」

――今はそれでいいよ。まだいくらでも時間はあるからね。第四問。もしジルが自分のことを好きじゃなくなったらどうする?
「質問に悪意を感じます! さっきからなんでジルのことばっかりなんですか!?」

――そういう趣旨なんじゃないかな。あきらめようよ。
「とかなんとか言っときながら、ジルも聞きたかったりするんじゃないですか?」

――興味がないわけじゃないね。一問目は僕も答えを知っていたし。
「……ノーコメント、とかダメですか?」

――ダメじゃないけど、好き勝手に想像されると思うよ? やっぱりジルのことが好きなんじゃないか、とか。
「ジルがわたしのことを好きじゃなくなったら……ですか。しょうがないので答えますよ。といっても自分でもよくわからないんですが、少なくとも困惑はすると思います。二歳児のころからずっと口説かれてきましたから。最初は冗談だと思っていたわけですが、今は違いますし」

――逃した魚は大きかった、とか思ったりしない?
「それは……そのときになってみないと。そもそもわたしが想いを返せなかった場合、ジルには他の人を見てもらわないと困るというか……かわいそうになりますし」

――エステル以外を見るつもりはないんだけどね。まあ、今回はこのくらいでやめておこうか。質問はこれでおしまい。回答ありがとう、エステル。
「なんだか中途半端な終わり方ですね、すみません。じゃあさようなら」





※本編六十七幕以前です。
ブラウザバックでどうぞ