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Wish【 4 A-A.澪に、聞いてみる。 】

 

 笑いつかれて、3人、芝生の上に座り込んで、空を仰いだ。

 流れる雲を眺めながら、私は疑問を口にする。

 「ね、澪?どうして私たちと、友達になりたいと思ったの?」

 「え?」

 「ね、どうして?」

 フッと、澪を覗き込むように、私は笑って、また同じ事を、問いかけた。

 私の問いに、直ぐにヒカルも「俺も! 俺も聞きたい!」と、目を輝かせる。

 あ。ちきしょう。この質問って、ヒカルを喜ばせた??

 なんか、ムカつくわね。嫌がらせしてやるっ。

 私はまた、ワザとヒカルがしたくてもできない事、なかなか行動に出せない事をしてやる。

 澪にピッタリくっついて、甘えるように口を開いた。

 「ね、ねっ! ヒカルには内緒で、私にだけ教えてぇ〜?」

 「え?」と、目をパチクリさせる澪。

 ヒカルは私の意地悪に、やっぱりムッとして、また馬鹿な言い合いが勃発した。

 バッと勢いよく立ち上ると、ヒカルは不機嫌な顔で抗議。私もそれに対抗した。

 「なんだよ! 天音!!」

 「うっさいなぁ! なによ!! なんか文句あるわけ!?」

 「あるに決まってんだろ! 俺を仲間外れにすんじゃねぇ!!」

 「ばっかみたい。子供みたいなコト、言わないでくれるぅ〜?」

 「なんだよ!」

 「なによ!!」

 「っぷはっ!」

 「「え?」」

 「あはははははっ」

 突然、また笑い出す澪に、私とヒカルは思わず目線を向けた。

 「2人とも変なのぉ〜」

 「「私(俺)は変じゃない!!」」

 澪の言葉に対する反論がハモって、思わず私とヒカルは、顔を見合わせると、直ぐにフンッと顔をそむける。

 直ぐに澪が、口を開いた。

 「似た者どうしだよね」

 「「どこが(だ)よ!」」

 っあぁ!! またハモったぁ!!

 「ほら。同じだ」と、澪は笑う。

 「ちょっとぉ、澪っ! それ、失礼なんですけど!!」

 「それはコッチの台詞だっーつの!」

 「なによっ!!」

 「なんだよっ!!」

 また馬鹿な私とヒカルの言い合いが初まり、その最中にフト、私は見られていることに気が付いた。

 周りを見渡すと、馬鹿な人を見るような目で、私たちを見つめる通行人。

 バチッと、目が合うなり、ソソクサと去って行った。

 ……なによ。感じ悪っ。

 ってか、全部ヒカルのせいだわ! 変な人に思われちゃったじゃないっ!!

 「あのね?」

 え?

 突然、澪が口を開き、私は視線を戻す。

 澪はニッコリ笑っていた。

 「2人がね、私に気付いてくれたからだよ」

 「え?」

 「あと、凄い美男美女なんだもん。お近づきになりたいって思うでしょ?」

 「「えぇ――っ。コイツがぁ!?」」

 私とヒカルはまた、同じ言葉を発すると、お互いを指差す。

 ……なんだと!?

 2人してカチンとする私たちを前に、澪はまた笑っていた。

 すっごい可愛い笑顔だと思う。

 澪は、パッと花が咲いたように笑うんだね。

 私、ヒカルが好きになったの、分かる気がする。

 だけどね、ちょっと、分かるだけ。

 自分の心は、ソレについていかなくって、私の心臓はチクチク痛いんだ―――…。

 

 

    *  *  *

 

 

 私たち3人は、澪と出会ったこの公園で会うことが日課になっていた。

 待ち合わせはいつも同じ場所。

 「また明日ね」と、約束していても、していなくても。

 自然と足が、ココへ向かう事が、みんな日課になっている。

 初めはね、ヒカルと澪を見ていると、胸が苦しいのに、どうして私は、毎日足を運ぶんだろう? なんて、思ってた。

 ヒカルが澪に、特別な笑顔で笑いかける。

 私の居場所が無くなりそうな思いを抱えながら、一緒にいることが苦しかった。

 何だか感情のバランスが可笑しくなっちゃいそうで辛くて、顔は笑っているのに、心で泣いてて、バラバラになりそうで、粉々に心が、無くなっちゃいそうに思えてた……。

 だけどね? 気付いちゃったの。

 ヒカルは澪の傍だと、ほんっとに嬉しそうに笑うの。私じゃ、そんなふうに笑わせてあげられない。

 悔しいけど、その笑顔が好き。その笑顔を、見ていたいの。

 例え、私に向けられた笑顔でないとしても……。

 悲しみと、胸の痛みの引換は、あの笑顔。ヒカルのその、笑顔を見たいが為。そして、ヒカルの傍にいたいが為……。

 でも、ね? 最近、こうも思えてきたの。それは、本当の理由なのかな? って……。

 見ていたい。見ていたくない……?

 私、ヒカルと澪を、2人きりにしたくないとか、思っているのかもしれない。

 ううん。きっと、思ってるんだ。

 おかしいね?

 ただ、傍にいられるだけで満足だったはずなのに……。

 それ以上を望んでしまってる自分がいて、今のポジションですらも、無くなりそうに思えて、すがりつきたいのかもしれない。

 澪も澪で、ほんっとにいい子で、嫌いになれないから、余計に私は辛いんだ……。

 苦しいよ……。

 考えすぎて、頭がおかしくなりそう。

 最近、何だか眠れない。体に疲労感がたまってく。

 私、どうしちゃったのかな―――…。

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