ようこそ イゼルローンへ!(お帰りはあちらです)(ロイエンタール編?)



 

 


 ノックの音に目が覚める。

 「………」

 自分が寝ていたと、目覚めた事で気付く。

 ドアは返事を返す前に勝手に開かれた。

 「よう。…なんだ、寝ていたのか?」

 頭を逸らし、逆様の視界に来客を見る。

 「…ミッターマイヤ?」

 「?どうした?」

 ロイエンタールの声色に違和感を覚える。それは来訪を問い掛けるのではなく、顔と名前を確認している様だった。

 「…………」

 怠気に体を起こし、ロイエンタールは回りを見回した。イゼルローン要塞の自分のフラットだ。間違いない。ないが、

 どうにも違和感を覚える。

 「おい、本当にどうしたんだ?具合でも悪いのか?」

 ベッドに向かい合う様に椅子を座ったミッターマイヤは心配を露にロイエンタールを覗き込んだ。

 ロイエンタールは俯き、思案気に組んだ掌で額を押えていた。

 「…いや、夢を見ていた」

 「卿が夢を?珍しいな」

 「ああ…」

 本当に珍しい事にロイエンタールの口元は穏やかに緩んでいた。掌で覆われた金銀妖瞳は苦し気だったが、ミッターマ

 イヤには見えなかった。彼が見たのは穏やかに緩んだ口元で、余程良い夢だったのだろうと思った。

 「…夢、だった…」

 小さな呟きにミッターマイヤは言葉を無くした。聞いたことのない弱々しい声に引き結ばれた口元は泣いている様だっ

 た。

 「おい、本当にどうしたんだ?」

 椅子から立ち上がったミッターマイヤはベッドに腰掛け、力なく丸まった背中を労るように軽く摩った。

 「大丈夫か?」

 案ずるミッターマイヤの声はロイエンタールに届いていない。

 押し黙った友人に掛ける言葉が見つからず、ミッターマイヤも黙した。


 引っ掻かれた背中が、夢の爪痕がチリチリと痛む。

 今は残されたこの痛みしか拠り所がない。

 …あと何年、俺は待てばいい。

 迂闊な事に夢の年数を確かめていなかった。

 …お前は『今』なにをしている?

 夢を見ているだろうか。

 それとも夢から醒めのだろうか。



 

 

 組んだ掌を強く締めれば、祈りの様だ。


 

 

 

 

 

 




 ヤンも目を覚ましていた。

 「………」

 ベッドの中で薄い布団に包まり、目が覚めたことで寝ていたことに気付いた。

 部屋は静かで、自分しか居ない。

 小さな笑いが咽頭の奥から漏れた。

 久しぶりに見た夢に、寝起きが良かった。多分、もう少ししたらユリアンが起こしに来るだろう。きっと、消えた珍客

 に困惑しているだろう。突然現れたのだから、突然消えるのも、有り得ないことではないのに。

 …それまで――

 もう少し、夢の余韻に浸るのも悪くない。

 シーツには微かに残る、自分以外の移り香。

 ヤンは深く吸い込み、緩やかに目を閉じた。

 夢は夢のまま、夢で終わるのだろうか?


 

 夢の行く末にヤンは愉し気に笑った。



 

 

 

 

                                                終。


 

                                                                                                       2009/04/28

 

 

って結局夢ネタかよっ!!(だってギャグですから)

金銀妖瞳がちょっと可哀想ですが(その分藻屑でやりたい放題)

ヤンがちょっと酷いですが(その分藻屑でヒドイ目に合ってる)

ソレもコレもギャグですから。

ギャグエロが書きたかったんです。無理でした。

そして文体的に銀Aに向いてないと実感した。

今更なのは独裁者だからです。


さー次はなに書こっかな♪

後輩が酔っぱらって先輩に悪戯しちゃう、ってどうですかね?

それとも、カイザーとラブラブ?(本当にそうなるのか疑問だが)


懲りないのは独裁者の特権だ―――っ!