**注意**        

ヤンが帝国軍人設定で、既に金銀妖瞳と紅茶提督は恋人です。

単にエロが書きたくなったのです。

金銀妖瞳は鬼畜だけど変態じゃない!と思う方と

スマートでカッコ良くなきゃイヤ!な方は

避けられた方が良いと思います^^;


 

 nfinity ove


 

 

  海鷲は高級士官の御用達でそれなりに落ち着いた雰囲気を持っているが、深夜過ぎるとただの居酒屋並の賑わいを見せ

  たりもする。

  その賑やかなカウンターに座るミッターマイヤーは酷く沈んでいる。その隣のヤン・ウェンリーも同じく沈んでいた。

  そして二人して溜息。

  原因は、遠征中のオスカー・フォン・ロイエンタール。これしかない。

  沈黙も息苦しく、ヤンは億劫そうに口を開いた。

  「…明後日、戻ってくるんだよね…」

  約二ヶ月の自由時間は、過ぎればとても短かった。

  「え?俺が聞いたのは明日だぞ?」

  「えっ?!」

  時間よ止まれ、と心底念じていたヤンは24時間短縮に驚き、青醒めた。

  「ど、どうしよ…」

  悪魔降臨くらいの動揺だ。グラスを持つ手が震えている。本当に可哀想だ。ミッターマイヤーは心の底から同情した。

  「取り敢えず、ちゃんと話し合え」

  そんな当たり障りのない助言しかできない。

  「…言葉なんか通じないよ…」

  「……確かに」

  二人はまた同時に溜息を付いた。


 

  嫉妬に狂った粘着男は手が付けられない。


 

  事実無根の言い掛かりも、ロイエンタールには事実なのだ。

  たかが電話に出なかっただけなのに、浮気と決め付けている。違うと言い張っても聞かず、ネチネチ絡んでくるのでヤ

  ンは一週間前から電話に出なかった。

  するとお鉢はミッターマイヤーに行く。

  一週間前のトリスタンからの緊急メールは『ヤンが浮気をしている』だ。しかも素行調査依頼込み。馬鹿らしいと返信

  しなかったら、その日の深夜に電話が鳴り4時間付き合わされた。それから一日おきに電話が入り、調査の進行を真剣

  に詰問され、その度に『ヤンは浮気していない』ときっぱりはっきり言ってやるがロイエンタールは聞く耳を持たない。

  親友の粘着質に毎回三時間は付き合うはめになり、今では寝ながら聞き流す芸を身に付けていた。

  「…なぁヤン、思い切って別れたらどうだ?」

  「それは私に死ねと言っているのかい?」

  「………」

  やりかねない。奴なら、やりかねない。

  安易に想像出来てしまうのでミッターマイヤーは何も言えなくなった。

  重い沈黙が伸し掛かり、二人は黙々とグラスを傾けた。

  ヤンは最後になったブランデーを飲み干し立ち上がった。人類の友が今日は友達じゃない。ボトルを二本開けても全く

  酔えない。

  「…帰るよ。遅くまで付き合わせて悪かっ――?!」

  「ようっ飲んでるかっ??」

  賑やかの中心のビッテンフェルトが丁度ヤンの背後から抱き付いてきた。というか、羽交い締めに近い。

  突然の加重にヤンはバランスを崩しかけたが、そこは強靭のビッテンフェルトが支えていた。

  「ああ、びっくりした。心臓に悪いよ、ビッテンフェルト」

  ヤンは背後のビッテンフェルトを顧み、酔って陽気な彼に苦笑を漏らした。お返しはビッテンフェルトの剛胆な笑みだ。

  「帰るとかいうなよ、まだ宵の口だ」

  「もう深夜だよ」

  そう、日付は変わり、明日が今日になっていた。

  「…ヤン…ヤン…おい」

  「とにかく付き合えよ。辛気くさい酒はマズイだろ?」

  「うーん」

  「おい、マズイぞ。ヤン」

  店の入り口に視線を固定しているミッターマイヤーはヤンの裾を引っ張ったが、ヤンは気付かなかった。

  「じゃ、少しだけ」

  ちょっと、かなり憂鬱でもあったので確かに口直しは必要だった。


  「そんなに酒が飲みたければ俺が好きなだけ飲ませてやろう」


  聞き覚えのある地を這う低い声と共にヤンの顔に人影が差し、冷や汗が滝の様に流れた。

  「よう!ロイエンタール、早かったな」

  ビッテンフェルトの声はひたすら明るいが、ヤンには地獄への召喚状に聞こえていた。

  ロイエンタールは綺麗にビッテンフェルトを無視してその辺の酒瓶を取り、他の男の腕の中で硬直している恋人の頤を

  掴んだ。

  そしてヤンの口に酒瓶のそれを乱暴に突っ込んだ。

  「ぅッんん―――ッッ!!」

  突然の非道な行為にビッテンフェルトはヤンを羽交い締めしたまま硬直。

  大量の酒が口腔を満たせば飲み込める筈もなく、殆ど溢れる。しかしロイエンタールは容赦ない。ヤンの浮気妄想で脅

  威の最大戦速で寝る間も惜しんで戻ってきたらヤンの官舎はもぬけの殻で自分の官舎にも居ない。ミッターマイヤー家

  に電話したら、ミッターマイヤーはまだ帰宅してないと云われ、海鷲に来てみたら、両手を広げてお出迎えどころか、

  他の男に抱き締められているではないか。怒髪天を衝き抜けたロイエンタールは更に奥に捩じ込み、飲み下す事を強要。

  ヤンはどうせ飲むなら味わいたかったが、どうせやめないだろうし、零すのも勿体ないとなんとか飲み下す。意外に冷

  静だ。

  「ビッテンフェルト、放せ。ヤンを放すんだ」

  「へ?あ、ああ…」

  ミッターマイヤーも冷静だ。ロイエンタールの非道さを良く知る彼にはこれくらい非道のうちに入らない。

  はっきりいって、粘着ジェラシーは外道以上の鬼畜だ。

  以前、妻のエヴァンジェリンが友人宅に泊まりで遊びに行ったので、粘着ジェラシーの傾向と対策を話し合う事にした。

  ネタがネタだけに店には入れないから好機だった。退庁後そのままミッターマイヤー家へ行く事を一応告げておこうと

  思ったがタイミングが悪く執務室にはロイエンタール不在。その時二人は親友宅なのであとで電話の一本入れれば良い

  だろうと軽く考え、伝言もせず仲良く退庁。そしたら悪魔降臨のロイエンタール参上。玄関から破壊音が轟き、続いて

  ヤンの悲鳴。キッチンで酒のツマミを物色中のミッターマイヤーが慌てて駆け付けた時には、既に遅しでリアル強姦中。

  吃驚だ。ツッコミどころ満載のロイエンタールは突っ込み最中で必死に止めるミッターマイヤーに『あとにしろ』と平

  然と腰を進めたのだ。そりゃナニよりマシな酒瓶を上のお口に突っ込まれたくらいでは非道と思いませんよね。

  そんな粘着ジェラシーを知らないビッテンフェルトは冷静なミッターマイヤーに違和感を覚えながらも腕の力を緩めた。

  すると空かさずロイエンタールがヤンを肩に担いだ。もう抵抗は無駄とヤンは大人しい。それもビッテンフェルトには

  奇異に見え、増々呆然。

  店を出るロイエンタールにミッターマイヤーは無駄と知りつつ、一応忠告した。

  「おいロイエンタール、いい加減しろよ。その内本当に絶縁されるぞ」

  その言葉にロイエンタールは、それは有り得んとばかりに薄く笑った。

  …お前のその自信がどっから出てくるのか俺には謎だ。

  まぁ惚気の一種だ。かなり過激だが。その過激の先きが粘着ジェラシー。それはヤンからの浮気ではなく、誰かがヤン

  にちょっかい掛けていると云うから始末が悪い。

  「またな、ヤン」

  ミッターマイヤーに乾いた笑いを漏らしながらもヤンは手を振った。

  あっさり幕切れにビッテンフェルトは不思議そうにミッターマイヤーに視線を向けた。

  「おい、大丈夫なのか?」

  ヤンの身を案じるのは然るべきであるが本当に身を案じなければならないのは、実は別にある。

  「ビッテンフェルト、明日は泊まりの支度してこいよ」

  明日休むヤンの仕事はビッテンフェルト行き決定だ。定時で上がる予定のロイエンタール分も含まれるだろう。更に嫌

  がらせの妨害があるだろう。一泊では足りないかもしれない。

  可哀想な大柄な仔羊はまだ状況が飲み込めないようだ。ああ、哀れ。




 

  店から出た次の拉致監禁先は当然の如くロイエンタール家だった。

  官舎の壁は薄いのだ。あられもないヤンの声が漏れてしまう恐れがある。その点家なら優秀な家令が完璧に人払いをす

  るので安全だ。

  家令は当主の急な帰宅に重厚な扉を開け、恭しく一礼した。

  「お帰りなさいませ」

  優秀な年配の彼は、主人の軍服を頭から被ったヤンがその当主の腕に抱かれていても表情を変えなかった。それが例え

  発熱している様に呼吸を乱していたとしても、彼は表情を変えない。つまり、たまにあることなのだ。そして大概にお

  いて当主の機嫌がよろしくないのも承知している。

  「酒を持ってこい」

  「畏まりました」

  不機嫌剥き出しの声にも家令は常と変わらない。

  「銘柄は如何致しますか?」

  「任せる。20本だ」

  抗議する様にヤンはロイエンタールのシャツを握る手に力を籠めた。

  「30本だ」

  ロイエンタールは冷淡に見える笑みを浮かべ、腕の中のヤンを半ば引き摺る様に自室に向かった。

  家令は一礼し、せめて極上のものを用意しようとセラーに向かった。途中、厨房に明日の朝食メニューの変更を告げて

  いく。二日酔いのメニューだ。当然ヤン用。野菜は特に細かく刻む様付け足すのも忘れない。

  本当に良く出来た家令だ。


 



  半ば引き摺られながら、ロイエンタールの私室へ。その広々とした寝室の大きなベッドに放り出されたヤンは素知らぬ

  顔してシャツを脱ぐ恋人を睨み付けた。

  「脱げ」

  「イヤだ」

  海鷲からここまでの間に地上車の中で悪戯されまくりで、どうして素直に服が脱げるのか。乱れたシャツをきつく合わ

  せ、上半身裸で躙り寄るロイエンタールからヤンは後ずさった。

  金銀妖瞳が鋭く眇められた。

  「…誰になにをされた?」

  断言だ。

  「なんでそうなるんだ?私はそんなに信用ならないのかい?」

  「この体のどこを信用しろと言うんだ?襲われたら満足な抵抗も出来んだろうが」

  粘着脳内では肌を見せれない理由、それ即ち強姦と立派な構図が成り立っている。愛想つかれた、とか微塵も思ってな

  いのが余計ヤンには理解不能。

  「ロイエンタール、何度も言うがこれでも私は軍人の端くれだし、第一男だよ。見目だってそんなに良くないし。私に

   こんなことするのは帝国内で君ぐらいだ」

  「ヤン、何度も言うがお前を狙うヤツはごまんといる」

  何度も繰り返された会話にヤンは呆れた溜息を漏らした。

  その隙に、シャツの襟元を握っているヤンの手首をロイエンタールは掴んだ。

  「あっ!」

  易々と片手を捩じ伏せられ、もう片方の手で覆い被さるロイエンタールを退けようとするがそれもあっさり捩じ伏せら

  れる。

  「ほらみろ、これでお前はもう逃げられん」

  「―――ッッ!!」

  端正な冷笑をヤンは恨めし気に睨み付け脚をバタつかせたが、それは脚を開いてロイエンタールを受け入れる形になっ

  てしまった。

  「やっ!!」

  布越しに硬く昂るのを押し付けられ、唾液の絡んだ舌で耳を嬲られたヤンは先程の熱がぶり返し身を竦めた。

  「なんだ、その反応は。強姦魔ならこのまま突っ込んでるぞ。ちゃんと抵抗しろ。本当に犯すぞ」

  冗句に聞こえない所が粘着ジェラシーの恐ろしさ。青醒めたヤンは必死にもがいた。

  が、白いシーツに映える揺れる黒髪に仰け反る首筋の汗、そして蠢く腰にロイエンタールは眼を細めた。

  「……誘ってるのか?」

  「違うッ!もういいだろっ退いてくれッッ!!」

  「………。服脱ぐか?」

  なにか逡巡した後、ロイエンタールは愉しいコトを思いついた。

  ヤンは抵抗をピタリと止め、なんかイヤな薄い笑みを浮かべるロイエンタールをマジマジと見た。

  どうやら不貞の疑いは免れたようだが、今度は脱ぐシーンを見たいらしい。

  「…ロイエンタール、変態って言われた事あるだろう?」

  「ない」

  諦めたと察したロイエンタールはヤンの上から退いた。

  タイミングを見計らった様にドアがノックされた。

  「ワインをお持ち致しました」

  「入れ」

  家令は本当に30本のワインをワゴンに積んできた。良く出来た家令はわざわざベッド脇まで運び、一礼して退室。

  ロイエンタールは一本のワインを開けた。コルクを抜く所作は淀みなく流れ、見惚れるほど優美だ。

  「早く脱げ」

  これさえなければ。

  「イヤだ。変態に付き合えない」

  ヤンはきっぱりと言い放ち、ロイエンタールに背を向けベッドから降りた。ヤンにしては機敏な動きだったが、機敏性

  に優れた長身の男は横幅のあるキングサイズのベッドをものともせずあっさりとヤンの腕を掴み再びベッドに押さえ付

  けた。

  「いい加減にしてくれっ!」

  「やっぱりなんかされたのかっ?!」

  どこまでいっても平行線。

  折れる事を知らない粘着ジェラシーに、面倒と諦めのヤンが先きに折れるのはいつもの事だった。

  「…分かったよ。脱ぐから腕を離してくれ。痛いよ」

  絶対手形が付いている。それほどロイエンタールの力は強かった。

  ご満悦なロイエンタールは端に腰掛け、ベッドの上でブツブツ文句言ってるヤンを眺めた。

  ヤンはヤケクソの様にシャツのボタンを外していく。まったくもって色っぽくない。恥じらい、躊躇いながら脱ぐのが

  見たかったロイエンタールはつい余計なコトを言ってしまった。

  「もうちょっと色っぽく出来ないのか?」

  「はぁっ!?」

  「いや、スマン」

  キレる寸前のヤンの目付きは普段が温和なだけになかなかの迫力。時たま素直なロイエンタールは素直に謝罪。ちょっ

  とおかしい。

  「全く、本当に猫だよね」

  小さく笑いながら、ヤンはモゾモゾとシャツを脱いだ。

  「猫はお前だろうが」

  ロイエンタールは直接ワインを煽り、口腔に溜めてヤンに口移しで飲ませた。

  それは長く深い眠りから目覚めた豊潤な香りと深いコクの熟れた赤だった。

  「…あんまり美味しくない」

  極上だが、、出来れば他人の唾液のないグラスで味わいたい。

  「下も脱げよ」

  「………」

  ヤンの文句は見事にスルー。どこまでも自己中を貫く金銀妖瞳に仕方なくヤンはズボンに手を掛け、ロイエンタールは

  また口移しで美味しくなくワインをヤンに飲ませた。

  何度も繰り返される口移しに、不器用なヤンは脱ぐのに手間取った。それに寝ながら飲むのは頂けない。

  「…ん…ちょっとやめ…」

  ワインで濡れたヤンの下唇を軽く吸い、ロイエンタールは冷淡な笑みを浮かべる。

  「好きなだけ飲ませてやるといっただろう」

  ワインを含んだロイエンタールの端正な顔が近付きヤンは顔を逸らしたが、ロイエンタールが逃がす筈もなくまた生温

  いワインが流し込まれた。ロイエンタールの唇は今度はヤンの上唇を吸って離れる。

  薄く開いたヤンの唇から酒気を帯びた吐息が漏れる。先きに呑んだブランデー二本が遅まきながら廻ってきたようだ。

  「…も、いいよ…」

  「遠慮するな。たっぷりと呑ませてやる」

  間近でアヤシく煌めく二色の眼にヤンは悪寒が走り、一気に酔いが醒めた。その時のヤンの行動は眼にも留まらぬ早さ

  で膝まで下げたズボンを引き上げた。

  「あっこらっ着直すなっ!!」

  「イヤだっ絶対ヘンな事企んでるっ!」

  変態と帰るを連発するヤンをベッド上でドタバタとロイエンタールは押えようとした。

  「このっ大人しくしろっ!」

  「変態!変態!変態!変態!!」

  頬や腕や胸に引っ掻き傷なロイエンタールは本当に猫を押えるようだ。コントのようだが当人それぞれ極めて必死。

  焦れたロイエンタールは暴れるヤンを力技でうつ伏せにし、ズボンを下げてペロンとお尻を曝した。

  「あっ!ちょっ―――ぅあッッ!!」

  鬼畜発動なロイエンタールはワインの口をなんの準備も施されていない硬く閉じた蕾に捩じ込んだ。

  …ヤると思ったッこの変態っ!!

  悪態を声にする余裕はなくヤンはシーツを強く握り締め、硬質のガラスが蕾を無理矢理開く痛みと流し込まれるワイン

  の異様さに耐えた。

  奥まで捩じ込まれたのではないので赤い液体は硬く閉ざした内部に阻まれて溢れ、太腿を伝った。

  震える象牙の肌に赤く流れる筋が良く映え、艶かしい。無言で凝視のロイエンタールの心中は、勿体ない、だ。物に対

  する執着のない自分には珍しい事で、空になった瓶を抜きロイエンタールはそのラベルを確認した。別に普通のワイン

  だ。金銭感覚が内蔵なされていないボンボンには普通だが、その辺の貴族でも手を出すのを躊躇う高額な逸品。震える

  筋肉の薄いなだらかな背中と瓶を見比べ、勿体ないと思うに至った理由にロイエンタールは口端を弓なりに上げた。

  「…なるほど『器』か」

  「え?」

  一人納得した呟きに、漸く痛みが引いたヤンは首を捻りロイエンタールに視線を移し、綺麗な弓なりの口元に本気でヤ

  な予感がした。逃げるか諦めるか、二者択一。どちらもヒドい目にあうのは明白だ。

  究極の選択中のヤンを余所に、ロイエンタールは新しくワインを開けた。とても楽しそうだ。

  二者択一の内、逃げるを選択したヤンはちょっと遅かった。

  「あっ!」

  という間に、腰を高く掲げられガッチリ固定。ヤンの喚く声に紛れ、ロイエンタールの咽頭に奥から漏れる愉し気なく

  ぐもった笑い声が不気味に響き、先程よりも深くワインの口を捩じ込んだ。

  「い―――ッッ!!」

  衝撃に震える軍人らしからぬヤンの腰に優しく触れる口付けを落とし、ボディーラインをなぞっていく。片方の掌はヤ

  ンの太腿を弄り、溢れたワインを肌に染み込ませる。脱ぎかけの制服を脱がす事も忘れない。

  「ぁ…っ!」

  滑る舌は太腿を伝うワインを舐め取り、気色悪さにヤンはシーツをきつく握り締めた。

  …ほんとっ変態!!

  漏れそうな声を噛み締めている為、罵倒も噛み殺された。

  なにか聞こえた気がしたロイエンタールは片眉を不機嫌に上げた。

  「今、変態っていったか?」

  ロイエンタールの声にヤンはシーツに埋めた頭をフルフルと横に振った。ここで肯定してはナニされるかわかったモン

  じゃない。

  否定する様子に確信を持つ。誰になんと思われようが馬耳東風なロイエンタールも流石に最愛の恋人に変態思われたら

  気分がよろしくない。

  しかし、ここで止めないのがロイエンタール所以。逆に、意地悪してやる、というもの。

  「お前は俺を変態云うが――

  「あぁ――ッッ!!」

  瓶の角度を変え、捻りながら奥へとじわりじわりと犯す。内部に至る体の隅々まで熟知しているロイエンタールは確実

  にヤンの感じる箇所を避けて責める。彼の属性は鬼畜だ。

  「やっ!」

  焦らされ、悶える体のなんと煽情的な事か。それでも足掻き逃げようとするのが、また加虐心を煽り、ロイエンタール

  は咽頭を鳴らした。

  「ココとこんなにさせたお前は人の事は云えまい?」

  鬼畜属性の声は嘲笑う様に低く響きヤンの羞恥心を煽り、ピクピクと震えながら快楽の雫を垂らすその先端の窪みを人

  差し指の腹で詰る。

  「ヒッ!やめっロイッ!!」

  悪足掻きで逃げを打つ体から瓶を離し、物足りないとヒク付く蕾からは内部のワインが断続的に溢れた。奥の奥まで疼

  いている証拠だ。その正直な蕾に薄い笑みを浮かべたロイエンタールの唇は躊躇いもなく寄せられ、内部に残ったワイ

  ンを吸い上げた。その卑猥な音と異常な感覚に肺が痙攣し一瞬ヤンは鋭く息を飲んでは身を強張らせ、次には緩やかに

  大きな掌で自身を扱かれる直接的な快楽に甲高い嬌声を上げた。体の弛緩に気を良くしたロイエンタールは掌を強く激

  しく動かす。すると、仰け反った咽頭から一層快楽の声が漏れ、部屋の隅々まで響いた。

  ロイエンタールは飲み干したワインに、まだ飲み足りないとばかりに舌を侵入させる。

  「やっ!そ…っはイヤだッッ!!」

  意志を持った軟体生物が内壁の襞にまで絡み付く様で、最もヤンの羞恥と嫌悪を掻き立てる。羞恥と嫌悪が腰から四肢

  に広がるが、ヤンの精神とは裏腹に体は快楽と認めている。それがまたヤンを貶める。自己嫌悪も加わり、見開いた黒

  瞳は泣き濡れていた。ロイエンタールの愛おしい黒瞳の艶めきだ。そこに自分が映っていると溜まらない。普段、捕ら

  え所のないヤンを完全に自分が支配していると、なんとも言い表し難い万能感を感じるのだ。今の体位的にその瞳を見

  れないのが残念でならないロイエンタールは意外にもあっさり舌を引き抜き、酷薄な笑みを浮かべた。

  「本当に嫌がっているのか?」

  更に硬度を増したヤンの根元を指で締め付ける。短く引き攣った悲鳴と滑らかな背中が小刻みに震え、ロイエンタール

  を満足させた。

  ベッドに沈んだ弛緩した体を愛おしそうに眺める。目元を紅く染め、快楽に濡れた黒瞳は多分目の前に広がるシーツも

  映してないだろう。ヤンの五感総てを今自分が統べていると思うと、ぞくぞくと背筋に快楽が走る。こんな支配欲を誰

  にも感じたことはない。

  …お前だからだ。

  同時に、愛しみ大事にしたいと、こう見えてちゃんとある。伝わり難し、どちらかと云うと支配欲を優先しがちなロイ

  エンタールだ。必然的に、抵抗がなくなるとヤりたい放題。

  「…ん…ぁ…あ…あ…」

  その度に無意識の弱い喘ぎと卑猥な水音がロイエンタールの聴覚を犯し、『器』により美酒となったワインを飲み干し

  ていく。

  粘膜から吸収されるアルコールの廻りは早く、ヤンの意識は朦朧としている。短く浅い吐息とか細い喘ぎをただ漏らし

  た。快楽とアルコールは熱く畝り、断続的に痙攣を繰り返す。根元をぎっちりと締め付けられた先端から快楽を示す透

  明な雫を滲ませていた。意地の悪いロイエンタールの指先は時折その雫を先端の窪みに塗り付ける悪戯をする。

  「…ぁ…ぅっ…」

  すると、奥の奥まで窄められ、温められたワインがじわり…と滲み、舌を捩じ込んでは強く吸い上げる。蕾はワインと

  唾液でしとどに塗れ、ロイエンタールを誘った。媚態にあてられ、流石に下肢が重い。

  二本目を空にし、口端のワインを舌で舐めとりロイエンタールは三本目を開ける。

  「お前も味わえ」

  瓶を呷り、口腔に含んだロイエンタールはヤンの背中に覆い被さり唇を重ねた。

  「んぅ…ッ、ン――ッ!!」

  ワインが口腔に流し込まれると同時に充分に昂った陰茎が蕾をゆっくり抉じ開ける。アルコールにより内部は熱く熟し

  ていたが、充分に解れたとは云えないので内壁の抵抗は強い。腰骨が変形される体の中からの圧迫とミシミシと聞こえ

  る音にヤンの思考は一杯になった。

  予想よりもキツい締め付けにロイエンタールは綺麗に眉を寄せた。吸い付きながら締め付ける内壁の襞に加虐心を煽ら

  れる。壊れるほど奥まで貫き、呼吸も出来ないほど穿ちたい。

  「―――はっ!」

  短く鋭い息を吐き、その加虐心を散らす。二ヶ月離れていたのだ、焦るよりもゆっくりじっくり、しつこいくらい堪能

  したい。ヤンにはいい迷惑だが、最早なすがままの、まな板の恋(笑)である。

  三本目のワインを内壁が馴染むまで二人で分かち合い、ロイエンタールは至福を実感。ヤンにそんな余裕はないので殆

  ど零していたが。

  美酒を堪能したロイエンタールは空になった瓶をそこらへんに投げ捨て、今度はヤン自身を堪能し始めた。

  「ああぁ―――ッッ!!」

  しっかり腰を固定され、遠慮なく穿つ陰茎は内部のほんの狭い前立腺を的確に責める。襲い来る快楽にヤンは甲高い悲

  鳴を上げ、僅かな時で果てた。内部は収縮を極め、陰茎を締め付ける。この瞬間の内壁の蠕動がたまらない。しかしロ

  イエンタールは奥歯を噛み締め耐えた。前戯に時間を掛け過ぎ、朝まで大した時間はない(3時間はあります)ので果

  てるのが勿体ない。二ヶ月溜めた欲はデカく、まだまだ足りない。まだあんなコトやそんなコトをしていないのだ。奥

  歯を噛む口端は吊り上がり淫らな内部に愉悦の笑みを浮かべた。

  そして更に勢いと体重を掛け、最奥の奥まで抉り、穿つのだ。



  でもってベッドのお次はバスルームで再度ベッドIN。

 

  ロイエンタールの腕枕で漸く一息つくが、また繰り返された議題にヤンはもう疲れ果てていた。

  「…何度も言うが私にこんなことするカワイソーな変態は銀河広しと云えど君ぐらいだよ」

  「ヤン、何度も言うがお前を狙うヤツはごまんといる」

  カワイソーな変態を否定しないロイエンタール。自覚があるのではなく本当に人の話を聞いてない。不毛な会話にヤン

  はゲンナリ。

  「とにかく、もう寝かせてくれ。君も疲れてるだろうから、ゆっく―」

  「疲れてなどない」

  「………」

  二ヶ月の遠征+散々ヤっといて云う事ではない。声は至極真面目で疲労の影も形もない。たまに、本当に人間なんだろ

  うかと疑ってしまう。

  「…あのね、ロイエンタール。私は疲れているんだ。だから、寝かせてくれ」

  これ以上はご免とヤンは怠い体で寝返りを打った。すると、背後から緩く抱き締められ項や肩に軽いキスが落ちる。掌

  はヤンの胸を悪戯に彷徨い始め、疲労困憊の溜息を付きヤンはロイエンタールの手の甲を抓った。

  「本当に非力だな、お前は」

  殆ど効果なし。面の皮だけでなく、手の甲の皮も厚いようだ。

  「私に力がなくたって構わないんだよ」

  艦隊乗りだから。

  「旗艦に強襲されたらその場でマワされる。少しは訓練しろ」

  美形は真剣だ。

  「…そうならないように気を付けるよ…」

  ロイエンタールの余りの真剣さにヤンは心底疲れ、大きな欠伸をして目と閉じた。

 

  なんだかんだ言いながら、背中に密着するロイエンタールの体温と肌の感触、戯れに触れる唇の感覚が気持ちよいヤン

  だった。





  朝。

  ヤンは無理矢理食堂に連行された。ほんの僅かな睡眠は逆に疲れを倍増させていた。食欲はないし、寝てたいがメイド

  がベッドメイキングするのを口実にロイエンタールに強制連行。お泊まりのラブ・イチャ朝食タイムは彼にとって楽し

  みの一つなのだ。

  良く出来た家令は野菜を細かく刻んだスープをヤンに運んだ。

  「…ありがとう」

  そこまで気を遣ってくれるなら、別の方向でも気を遣って欲しい。

  食事を終えたら今度はソファに移動。当然隣はロイエンタールだ。

  肩に腕を回し、自分に寄りかからせたヤンの頬や額にロイエンタールは軽い口付けを落としていく。この現場をミッタ

  ーマイヤーが見たら確実に砂でも岩でも吐く事だろうが、誰がなんと思おうが出府前のロイエンタール的心休まる甘々

  イチャイチャタイム。

  早くベッドで休みたいヤンにはちょっと苦行。

  思い出したかの様に、ロイエンタールは帯状の紙をヤンに差し出した。

  「なに、これ?」

  ズラリと並ぶ人名。リストの長さは40センチはある。

  「コイツらには近付くな」

  「…………」

  特に太字は『あの金髪野郎』(一応マイン・カイザーなので名前の明記なし)と『出歯亀野郎』(一応同僚なので名前

  の明記なし)と『猪!』(一応…以下略)

  なんか怨念を感じる筆圧だ。名前の明記がないのが余計な詮索を誘う。特に一番上。

  ほかにもメックリンガーの名前が記されており、ヤンには粘着ジェラシーの基準が分からない。身近で唯一ミッターマ

  イヤーの名前は記されてないが、二度と一人で男の家に行くな!とちゃんと注意書きはあった。そしてリスト半ばから

  はヤンの覚えのない名前が殆どだ。末尾のほうには階級や顔の特徴が記されており、ロイエンタールにも相手の名前が

  不明なのだろう。追加リストにはそれらの人物も徹底的に調べ上げ、ちゃんと名前も記されると思われる。

  「…あの、無理だから」

  イロイロと。

  「無理でも近付くな。最低10メートル離れろ。最低だからな」

  念を押されても、困る。

  「…無理なものは無理だよ」

  「一歩でも近付いて来たら、殺せ」

  リスト一番上は皇帝です。

  「…できるわけないでしょ…」

  「やれ」

  「…………」


 

  不敬罪で謀殺される前に本当に別れた方がいいかも。


  二日酔いとは別な頭痛にヤンはこれからも悩まされる事だろう。



 

  余談。

  引っ掻き傷を隠しもせずに出府したロイエンタールはマイン・カイザーに傷を指摘され、堂々と『黒髪の猫に引っ掻か

  れました』と勝ち誇った様に告げた。

  そして急遽遠方演習の命が下される金銀妖瞳。墓穴。




終。     



2009/05/21