広い敷地を誇るロイエンタール家の別荘は森の中にひっそりと佇んでいた。下級といえど貴族の私有地。余程土地勘のない迷子か礼儀を弁えない

  ドラ息子くらいしか入り込んでこない、陸の孤島。

  小鳥の囀りと柔らかく降り注ぐ木漏れ日の中、似つかわしくない音も静かに響いていた。

  「……ぁ…っゃ…あ……っ」

  はい!青◯です!前回、出鼻を挫かれた金銀妖瞳はめげずに初志貫徹中。

 

 

 

 

   楽しい休暇

 

 

 

 

  火照り始めたヤンの首筋に舌を這わせ、軍服からギリギリ見えない箇所に散る所有の華。

  「…っ…ぃ…たぁ…やめ…痛っ…!」

  いや、ばっちり見える。きつく吸い上げるロイエンタールを引き離そうとするが、下肢を直接嬲られる指に翻弄され、意味もなく彷徨う腕。ロイ

  エンタールはその手首を一纏めにしヤンの頭上、樹の幹に押さえ込んだ。

  「ちょっ…!やめっ…ぅあッ!!」

  唯一許された腕を拘束されては無理強いに等しい。屋外、という時点で抵抗あるヤンには強ピーだ。しかも立ったままというのも頂けない。多少

  乱れているがちゃんと服を着込んでいる相手に対し、自分はシャツだけでスラックスと下着は足元に落されているのも恥ずかしい。体力的に勝て

  ないヤンは文句の一つも言いたいが、予期したロイエンタールはヤンの先端から零れる雫で濡れた指2本を蕾に穿った。途端に漏れる苦痛の声。

  その奥底には快楽の甘い余韻を引いており、ロイエンタールの口元には薄い笑みがあった。

  「…熱いぞ…今すぐ入れたくなるほどだ…」

  恐ろしい台詞と咽頭の奥で笑う息遣いを鎖骨に感じ、ヤンは身を竦めた。

  「…冗談だ…」

  丹念に解してやる。

  指だけでイけるほど、とロイエンタールは咽頭の奥で笑い内心で言葉を続けた。

  「…ぁあ…っ…ぁ…ん…っ」

  根元まで埋められた指で内部を弄られる。痛みに潜む快楽が奥を疼かせ、ヤンの脚はガクガク震えだした。一旦引き抜かれる感覚に無意識に内壁

  は締まり、引き止めようとした。

  3本に増やそうと思っての事だったが、内壁の反応はロイエンタールをほくそ笑ませ、浅い箇所で悪戯をする。

  一度得た快楽が遠ざかり、堪らないのはヤンだ。性急なのもイヤだが焦らされるも辛く、湿った喘ぎに懇願を乗せる。

  「…っ…ロ…ィ…」

  崩れそうになる躰をロイエンタールにしがみつく。しがみつく事で腕が放されていた事に躰が反応しただけでヤン自身は自覚はなく、断続的に与

  えられる快楽を余す事なく貪ろうと腰が揺らめく。

  睦言のような甘い響きを耳に、ロイエンタールは指を増やした。内壁を広げながらゆっくり奥へと沈んでいく。奥へ奥へといくほど、ヤンの呼吸

  は乱れる。今感じる快楽の為か、期待してかは判らない。

  ヤンの下肢を犯しながらロイエンタールの片手はヤンのシャツのボタンを全て外していた。細かく、荒く上下する薄い胸に掌を滑らすと、自分に

  比べれば柔らかな曲線を描く肩が露になる。軽い音を立て口付け、次には歯を立てた。

  「いっ…!」

  一瞬、痛みで快楽に霞んだ意識が戻るが、次の瞬間には荒れ狂う快楽に飲み込まれた。

  「ああぁ―――ぁッッ!!」

  じわり侵蝕していた指が突然牙を剥いたのだ。内部の粘膜を削り落されるような摩擦で溶けるような激しい抜き差し。

  ロイエンタールの指は長く、整った容貌に誤摩化されているが、戦斧を振るうにも慣れたそれは思うよりも太い。それが本性を現し、激しくヤン

  を衝き上げる。

  「あっあっあぁ…ッ!!」

  しかもポイントのみを責められては、ヤンは喘ぐしか出来ない。苦しげな、悲鳴に近い甲高い嬌声と小刻みに痙攣する内壁の襞は限界が近い事を

  ロイエンタールに教える。

  より強く衝き上げると息を飲む短い悲鳴が上がり、ロイエンタールは腹部に熱い迸りを感じた。

  「……は…っ…ぁっ…はぁ…っ」

  全身の痙攣を繰り返し、崩れそうなヤンの躰を太腿に乗せるようにして支え、手早く滾った陰茎を取り出す。布からの解放にそれは歓び、先端か

  ら先走りの雫で濡れている。

  「今度は俺の番だ…」

  意識が朦朧としているだろうヤンの耳元で囁き、弛緩している片脚を肘に抱える。足元で蟠っているズボンに引っ掛かり靴は脱げたが、二人には

  どうでも良い事だった。

  手で支える必要がないほど猛る陰茎を蕾に押し宛て、一気に貫く。

  「ひっ!?」

  「――くっ!」

  躰も意識も引き裂く衝撃にヤンの仰け反った首筋から咽頭に張り付くような悲鳴が漏れ、萎縮した内壁の締め付けにロイエンタールは息苦しそう

  な呻きを漏らした。

  充分解したが性急すぎたようで、先程とは違った意味の汗でヤンの躰は冷たく震えていた。

  「…大丈夫か?」

  張り付いた前髪を掻き上げると、ヤンは薄らと瞼を上げた。それだけのことでも辛そうだった。

  「だめ…っ」

  だから早く終わって。今すぐ。すぐに。

  「…………………」

  いや、ここは嘘でも大丈夫と答えるトコだろう。

  普段は子供じみた意固地さと変なへそ曲がりなクセに、どうしてこんな時に素直になるのか。

  それを追求する余裕はロイエンタールにはなかった。なんせギュウギュウなのだ。

  「――っ!…お、い、少しは力を抜け…」

  かなりイタイ。

  だったら、こんな場所でこんな体勢でヤらなくてもいいだろう、と文句の一つも云いたいがヤンだって余裕ない。

  締め付けはキツくなるばかりで、ロイエンタールは萎えたヤンを掌に包んだ。

  「…ぅ…」

  そんな僅かな動きにも苛まれ、ヤンは耐えるようにロイエンタールのシャツを握り締めた。

  「……少し我慢しろ…」

  耳元の気遣うような優しい囁きにヤダと即答したくなるが、どうする事も出来ない。

  ロイエンタールはゆっくりヤンを扱き、少しづつその速度を速めていく。

  「あ…あ…ぁ……」

  快楽は直接的で次第にヤンの吐息が熱くなっていく。緊張が解れていく事で内壁にも変化が生まれる。少しづつ、少しづつ緩み、そして蠢く。

  「―――ふ…っ…」

  拒むことから奥へと誘う淫らな蠕動。伝わるその蠢きはロイエンタールを昂揚させた。きっと、蕾は慣れた娼婦のように雄の本能を刺激する婉然

  な笑みを浮かべているだろう。なのに、ヤンの唇は初めてのように苦痛と快楽の狭間で恥じらいながら喘ぐのだ。

  …とんだペテン師だ。

  躰を犯しながら、その躰、存在そのものに侵されていく。初めて体感する『惚れた弱味』にロイエンタールは自嘲に似た笑みを浮かべた。

  …だからと云って―――

  やられっ放しは性に合わない。

  ロイエンタールは掌の動きに合わせて、腰を揺すり始めた。

  「…あっ…ま…っ…あぁ…っ!」

  馴染み始めたばかりの内部には少し乱暴でヤンは首を仰け反らした。曝された首筋にネッタリとした舌が這う。むずむずとした感覚に僅かに肩を

  竦めるが、逃れられない。舌は耳の裏側に達し、髪で見えそうで見えない際どい箇所に華を刻む。チリッとした感覚に身を捩るが、それは下肢を

  男に押し付け、強請る様だった。

  ロイエンタールは十分に昂ったヤンから手を離し、ヤンの片方の双丘を大きな掌で鷲掴みにした。そうすると蕾は更に広がる。

  「ぁッ…やっ…っ!!」

  これ以上無理なほど奥まで達する陰茎。過ぎる快楽に恐怖を覚えるが、それを上回る期待にヤンはますますロイエンタールにしがみついた。これ

  から、この凶器は野生のように自分を求めるだろうと、内部は無意識に男を締め付けていた。

  素直な反応にロイエンタールの口元に笑みが浮かぶ。そして望むままに衝き上げた。

  「――ぁあッ!!」

  疼く奥が快楽に痺れる。それは仰け反る背筋を駆け上り、ヤンの思考まで痺れさせた。腹部に挟まれたヤンは先端から快楽の雫を止めどなく溢れ

  させ、ロイエンタールのシャツを濡らしていく。

  「ヒッ!」

  凶器はポイントを抉り、灼ける程熱い快楽は瞬時に全身に広がった。指で責められるのとでは桁違いの快楽に内壁は悦び、その襞で貪る。

  「――ッ」

  搦め取る襞に溺れ、ロイエンタールは欲望のままに動いた。激しく上下に揺さぶられ、ヤンは不安定な浮遊感にさらに快楽を深めていた。動く度

  に漏れる嬌声は甲高く、ロイエンタールの思考を甘く痺れさせ、さらに激しさを増した。

  熱く湿った吐息が二人から漏れ、淫靡な水音が森にひっそりと響く。それは長い時間ではなかった。

  二人は共に白濁した意識に飲み込まれた。

  荒い呼吸を繰り返しグッタリと身を預けてくるヤンを抱き支え、ロイエンタールも呼吸を整えた。

  「……ん…」

  果てた余韻に震える陰茎を感じ、内壁も震える。零れる精が太腿に伝う感覚に僅かに身を捩るが、足りないと訴えているかのようだ。

  「…淫乱だな」

  耳元をくすぐる囁きにヤンに非難を込めロイエンタールの肩を噛んでやった。

  軽い痛みに顔を顰めはするが、どこか面白かった様でロイエンタールにしては珍しくクスクスと楽し気に笑う。

  …まったく――

  そんな子供じみた所作が何故雄の本能を誘惑すると判らないのか。

  「も、いい加減、離してください」

  微かに余韻を引く声。

  「まだ足りんだろう?」

  色香を滲ます音に口端を吊り上げ、徐々に力を取り戻しつつあるそれで内部を優しく撫でる。

  「…ぁ…っ…ちょっ…ほんと、やめっ!」

  「ココはそうは云っていないぞ?」

  内壁は煽るように蠢きに合わせ、ゆっくりと揺する。内部の白濁したそれが卑猥な水音を立て、ヤンは羞恥に神経を灼かれ、きつく眼を瞑った。

  感覚の一つが閉ざされると他の感覚が強まる。頭の中で恥ずかしい音が木霊し、内部にあるロイエンタールの形や硬さまで感じる。そして、蠢く

  襞の動きまで。

  「あっ…や、だ…っ!」

  イヤイヤ、と拒むようにロイエンタールの胸で頭を振る。

  そんなヤンが愛しいと胸の奥が疼く。それは下肢にも響いた。

  「ああ――ぁ!」

  突然、聳え返った陰茎は狭い肉の狭間には息苦しい圧迫感でヤンは悶えた。

 

 

  森がいつもの静けさを取り戻すのには、もう少し時間が掛かるようだ。

 

 

 

 

    □   □   □

 

 

 

 

  漸く静かになった森でヤンは呆れていた。

  「…………………」

  「なんだ?」

  なんだはこっちが云いたい。端正で優美な男は後始末に自分のシャツを使っているからだ。

  「…虫に刺されますよ」

  上半身裸の恋人に、もしかして露出狂ですか?と尋ねるのは流石に憚れる。

  ロイエンタールは軽く笑っただけでヤンの忠告を流した。

  「立てるか?」

  「立てると思ってるんですか?」

  あれだけ無体をしておいて。

  「まぁ、あれだけヤってキリキリ立たれたら流石に俺とてショックだな」

  怒りと嫌味も軽く流し、尚かつお返しされてヤンの口元は引き攣った。

  「あのっ…ぅわっ?!」

  文句が出る前にロイエンタールをヤンを抱き上げた。小っ恥ずかしい横抱き。

  「ちょっ、歩けますからっ!」

  ジタバタするが平然としているから腹が立ち、ヤンはもっと暴れた。

  「お前の歩く速度では屋敷に戻る前に日が暮れる」

  「…じゃ置いてけば」

  暴れるのも疲れたヤンは観念したが、やっぱり口は大人しくなかった。

  「……この辺は狩猟場が近くてな」

  「……?」

  なんか低い声がいつもより低くて不気味だ。

  「柵を設けてないから熊が出るそうだ」

  ある〜日、森の中、クマさんに、出会〜った、なんて口ずさまれ、ヤンはゾ―――ッと鳥肌。

  …コワイッコワイッコワイッ!!!

  クマさんよりも歌うロイエンタールが。

 

 

 

 

  口も大人しくなったヤンにロイエンタールはご満悦。

 

 

 

 

 

終わり。   

 

 

 

 

2010/03/09

 

 

ある〜日、森の中、強姦魔に、出会〜った♪

「ふはははっ!」と紅茶提督を追っ掛ける金銀妖瞳にしたかったんですよね…。楽しそうじゃないですか。金銀妖瞳が(おまっどんだけ変態にする気?!)

ギャグエロは本当に難しい!