(7)・暗記システムの検証(2)
もうひとつは、みどり塾方式単語学習システムです。
今、塾生の皆さんが宿題としてやっているあの単語学習帳です。
あの単語練習システムには、記憶の理論による裏付けと続けやすい工夫が盛り込まれています。
・同じ単語練習を、6日間日を変えて書き続けること(実際は、7日目のテストと練習 が入るので7日間です。)
・間違った問題だけ練習すること(間違いが日を追う毎に減ってきて練習の負担も減 ってくるので、上達したことが実感でき小さな達成感が生まれます。)
これで単語を覚えて、1年後の3月にまとめテスト50題を毎年実施しています。
6ページの単語練習を毎日1枚ずつ(約2分)6日間でやった人と、1日でまとめて6枚やった人とでは、大きな違いがあることにきづきました。
両者とも、1週間後のテストでは、ほとんど合格します。
しかし、1年後のテストでは、明らかに差が出てきます。
勿論個人差はありますが、傾向として、
前者は、50題の問題をほとんど正解しますが、
後者は30数題にとどまることがわかりました。
長期に渡り覚えておくためには、タイミングよく反復することが、いかに重要かが裏付けられました。
第6回
・暗記システムの検証(1)
このノートを使った暗記システムの効果はすでに実証済みです。
ひとつは、私自身の経験です。(ある必要性のためにやったのですが、)
もう20年以上も前です。そのときに覚えた知識は今でも鮮明に覚えて言います。
400ページの参考書を50ページのノートにまとめました。
参考書8ページをノート1ページにまとめた勘定になります。
同じ参考書を3回やりました。
1回目は毎日2時間やって最後まで行くのにおよそ3ヶ月かかりました。
ノートの作り方は第2回で説明したとおりです。
1回目が終了したあとすぐに最初に戻って、参考書をもう一度読みながら、ノートに書いてあることを覚えようと思いました。
2回目は、覚えることに重点を置いて参考書とノートを読もうと思ったのですが、
さらに書き足しておきたい事項が、たくさん出てきたので、色を変えて書き足していきました。
色を変えたのは優先順位をはっきりさせるためです。
結局2回目は、1ヶ月半ほどかかりました。
2回目をやったとき内容の理解がかなりすすみ、全体像がかなりはっきりとしてきました。
論理的なつながりがはっきり見えてきて、分かったという実感がもてました。
しかし、人に説明するためのあるいはテストで正解できる細かい語句などはまだ正確に覚えていなかったので、あと1回やる必要があるなと感じました。
そこで、3回目に入りました。3回目は覚えるための復習です。
しかし、ここでもまたさらに書き足しておきたいことが、いくつか出てきたのでまた色を変えて書き足していきました。
ただし、その量は少なかったので、今度は覚えることに集中できました。
3回目が終了したとき、400ページがほとんど頭に入った気がして、だれかに説明したいな、テストをやってみたいなと思いました。
そこで、問題集を買ってきてやってみることにしました。
中を開くまではほとんどできる気がして楽しみでした。
しかし、やってみると約7・8割しかできませんでした。
間違った問題の解答と解説を見てみると、やった参考書にのっていないものが、結構あり1冊の参考書だけでは、完全ではないことに気がつきました。
参考書に書いてあったのにできなかったものもいくつかあり、それがノートに書いてなかった場合さらに書き足していきました。
参考書をもう1冊やるとさらに内容が充実するなとは思いましたが、もう1冊やるのはかなりきつく、とてもやる気力はもてませんでした。
そこで、問題集を2冊ほどやり、その問題集に書いてある解説から学んでノートに書き足していきました。
これで、ノートはほぼ完全です。あとは、ひと月に1回ノートを読んで復習することにしました。
結局その後、3、4回ほどノートを読みました。
50ページのノートを読むのに1時間くらいかかりました。
しかし、ノートを読むとそこをまとめた参考書が頭によみがえり、本当に書いてないことまで頭の中で反芻することができました。
そして、何年経っても忘れなくなりました。
そのときのノートを是非見せたいと思い探したのですが、見つかりませんでした。
第5回
・暗記ノートの作り方
ノートは、B4の半分のサイズでつくります。
1ページには、少しのことしか書きません。
目立つように大きく書いたり、色付けをしたりしてイメージ化する工夫をします。
1ページにたくさんのことを書くと、覚える意欲が喪失します。
楽におぼえられるという意識がもてません。
このノートも整理ノートと同じく一番上に日付を書き、書いた日から5日連続でよみその日付を書き足していきます。
毎日、時間を決めて読むのも続けるための工夫です。
やることを決めておかないと、なかなか行動に移しにくいものです。
5日間読んだら、そこを読むのを終わりにします。
しかし、まだ覚え切れていないことが分かるならさらに、3日間繰り返して読みます。
第4回
A覚え方の工夫(2)
反復する
・効率よく反復するには
反復については、一口に「何回もやり直せばいいんだ。」とか
「繰り返し読めばいいんだよ。」と簡単に片付けられがちです。
しかし、多くの人にとってはこの繰り返すことが実は大変です。
第一につまらない、第二に面倒くさい、第三にやろうと思いながら、すぐにやることすら忘れてしまう。からです。
また、記憶を強化してより強固なものにするには、タイミングも重要です。
まず、1時間後、そして翌日、1週間後、1ヵ月後。このタイミングで繰り返すと完璧に覚えられます。(たぶん。 私はやったことがありません。)
岩波新書の「記憶力」と言う本に書いてありました。
私にはやり遂げる自信はありません。 だれか、やってみてください。
次から次へと突きつけられる知識を、すべてこのタイミングで繰り返すことなでできるはずがありません。
そこで、考えました。
ポイントは
・単純で分かりやすいこと、
・実行しやすいこと
実際面では極めて重要なことです。
具体的には、毎日数分間、1週間連続して繰り返します。
・暗記ノートの活用
やはり仕掛けが必要です。
前述のまとめノートを使うととても効率よく反復ができます。
整理ノートに書き込んだ知識は、すでに意味づけができています。
いろんな教材の中の重要事項を1冊のノートにまとめてあるので、あれこれと教材を引っ張り出す必要がありません。
文章での説明でなくて、図式化して色づけしてあるので読んで覚えると言うより見て覚えると言う感覚です。
覚えることに対する精神的な障害や抵抗をなるべく減らし、苦痛を和らげ、ハードルを下げることが重要です。
また、更に覚えることに的を絞って徹底的に簡略化した暗記ノートを作るのもおすすめです。
この暗記ノートは、覚えたら捨ててしまいます。
後で見ようと思うから、なおざりの心を生じ覚えることに集中し切れません。
徒然草の「あるひと弓射ることをならうに」という章に、書いてあります。
「初心の人、二つの矢をもつことなかれ。のちの矢をたのみて、初めの矢になおざりのこころあり。毎度ただ得失なく、この一矢に定むべしと思え。」
けだし名言です。
兼好はどうして私の考えをしったのでしょうか。不思議です。
第5回へつづく
第3回
A覚え方の工夫(1)
ではどうすれば、効率よく覚えられるか。
重要なことが2つあります。
(1) 意義付け(意味づけ)をすること
(2)
反復すること
です。
・記憶のメカニズム
意味のない語句を、100覚えても1時間後には半分以上忘れてしまいます。
今から言う、5桁の数字を覚えてください。
「58324」、
見ないですぐに言ってみてください。
言えたでしょうか。
では、それを1時間後に何も見ないで言ってみてください。
信号無視して車にひかれそうになったら、1年経っても忘れません。
わたしは、小学校の6年のときに無理矢理道を横断しようとして車にひかれそうになりました。そのときの、ヒヤッとした気持ちと、そのときの運転手の罵声「ばかやろ、なにやってんだ。」は今でも覚えています。
生命にかかわるような大事なことは、記憶野(大脳の記憶に関する領域)が必要なことだと判断して、短期記憶から長期記憶へと移行させるからです。
生命にかかわるようなことでなくても、意味付けのしっかりしたものや、繰り返し出てくるようなことは、大事なことだと判断して短期記憶から長期記憶への移行を促します。
・意味付けの方法
ですから、どうやって意味づけをするか。どうやって反復するかが問題です。
覚えるべきことの流れをつかんだり、理解を深くすることで知識に意味をもたせることができます。
「知識を整理する」で述べたように、具体的には知識を整理して簡潔に要約することで、言葉に意味づけをし印象を明確化することができます。
このみかんはおいしい。というより、この佐賀県産のみかんは、海岸沿いの斜面で、ごつごつした岩の間に植えられて、潮風にさらされておいしくなったみかん。と覚えると、頭に情景が浮かんできて記憶に残りやすくなります。
(2)反復するは 第4回へ
第2回
2 本論
(1)学習の初期段階で一番大切なこと
・知識を整理すること
・覚える工夫をすること
@知識をせいりする
知識を整理することの重要さはいくら強調してもしすぎることはない。
知識は整理されていないと、覚えにくいし、思い出しにくいし、後でうまく使えない。
整理するとは、簡単に言うと、人に説明できる状態にすることだ。
記憶には、 @完全に覚えた、
A頭には入っているけど思い出すことができない。
B完全に忘れた。
の3つの段階がある。
一般に忘れたと言うとき、思い出すことができないと言う段階であることが多い。
たとえば、テスト後に誰かが答えについて何か言うと、「あっ、そうだ。」と言って、次々と知識 がよみ返ってくることがある。 この場合がAにあたる。
思い出すにはきっかけが必要だ。だから覚えるときに、きっかけができるような整理の仕方を することが大切だ。
例えば、不定詞の学習では、
@不定詞の形 to + 動詞の原形
A3つの用法 名詞的用法 〜すること
副詞的用法 〜するために
形容詞的用法 〜 すべき、するための
どこにでも書いてある当たり前のことだが、この通りに言えない生徒が多い。
ただ、言葉を覚えようとするからだ。
そこで、
整理の仕方の工夫
・ 整理ノートを作る
うまく整理するために、整理ノートを作ることがお勧めだ。
これは、後の覚えるための工夫にも直結している。
・ 整理ノートの作り方とその効用
参考書や問題集や教科書に書いてあることをノートにまとめる
ダメな例
・ 書いてあることをそのまま写す
これは考えなくてもできる一番楽な方法
ただ書いただけ何も残らない
時間の無駄
・ 文章で説明してまとめる
記憶に残りにくい。イメージとして記憶に残りやすくないとダメ
・ 各ページにびっしり書く
後で読む気がしない。 イメージとして残りにくい。
・ 大事だと思うことをもらさず全部書こうとする
知識に優先順位をつけないと、覚えにくく使いにくい。
正しいノートの作り方
☆ 思い出すきっかけになるノートを作る
見た瞬間思い出せるように、図式化してまとめる。なるべく文章は書かない。
矢印や傍線、フローチャートを使い関連性を表現する。
☆ 後で書き込みができるように、スペースを十分空けて書く。
☆ 何を書くか、何が大事かを選んで(優先順位をつける)なるべく少なく書く。
書こうか書くまいか悩んだら書かない。
☆ 文字がたくさんあるより、図や絵や記号が描いてあるほうが、頭に残りやすく思い出し易い 更に、一色より多色のほうがイメージの定着がいいので、3色以上を使って書く。
こういう作業を通して、理解が深まり知識が整理されていく。
ノートを書き終わったときに、自動的に知識が整理される。
更にひとつのことを書くためにいろんなことを吟味するので、後でノートを見たときに、書い てないことまで頭に浮かんでくる。
ノートを読んだとき書いてないことまで頭に浮かんでくる
これが最高のノートです。
以下 第3回へ
第1回
評定を2ないし3を4に上げる勉強法
1 序章
みどり塾の塾長である私が、教員生活5年、塾講師として24年、教えるという仕事にたずさわるなかで、培ったさまざまなノウハウをまとめたものです。
つごう30年近くも教えているのにこの程度のことしか書けません。
前もって断っておきますが、これは受験勉強の方法ではありません。
あくまでも、学校の定期テストについての方法です。
当然、受験勉強は志望校に合わせて学習計画を組むのでまた違うノウハウがあります。それはまた次の機会にゆずります。
端的にいって
定期テストの成績なんて、勉強すれば上がるとお思いでしょうが、その通りです。ほとんどの人が、学校の教材を勉強すればたいていあがります。
社会なんて、教科書を何度も読みさえすればあがるとお思いでしょうが、これもそのとおりです。
じゃ方法なんて特になくてもいいじゃないかと思うでしょうが、これも正解です。
ですから、特に方法なんてありません。勉強しさえすればいいんです。
ふざけんなと怒られてしまいそうです。ごめんなさい。わたしはいつもまじめです。
冗談なんかたまにしかいいません。1日に3回くらいです。
だから、成績を上げようという意欲にあふれている人、単調な勉強に絶えられる意志の強い人には、必要ありません。
そういう人はきっと評定は、ほとんどの教科で“5”です。
私からお願いです。もしあなたが、そういう人なら、ボランティア精神を発揮して、どうしたら意欲的になれるか教えてあげてください。わたしにも教えてください。
“4へ上げる”と書いたのはそのためです。
成績が2ないし3の人は、少なくとも現状において、その成績を上げる強い意志と、単調になりがちな勉強に耐えられる強い意志は持ち合わせていません。と思います。
それどころか、できれば勉強はしたくない。嫌いだ、面倒くさい、教科書を広げると眠くなる。俺に、睡眠薬などいらない、教科書1冊あればいい。と思っています。
できるなら、最小限の努力で最大限の効果を上げたいと思っています。私はいつもそう思っています。
JSミルのような人です。(最大多数の最大幸福をといた哲学者です。高校の倫理の教科書に載っていました。)
1例を挙げると、すぐ問題集にとりかかり、間違った問題は答えを赤で書き込みやった気になります。
教科書を見ながら問題集をやり、答えの欄を埋めるとそれで終わりです。
「じゃどうすればいいの。」というお叱りが聞こえてきそうです。
前置きが長すぎました。
次回から本論にはいります。