
地域神経内科のレジデント研修とは

“ABOUT US” で「地域神経内科」の目指すところはすこし理解していただけたかと思います。そして済生会神奈川県病院
地域神経内科では現在2名のレジデントを募集中です。ではレジデントとして地域神経内科で何を学ぶのか、ということをお話ししたいと思います。
若い頃はそんな慢性期なんてやらないで、急性期の疾患をしっかり診ていたい、というのはよくわかります。しかし誰が急性期疾患になるのでしょうか? そして急性期疾患になって病院に行けば何の問題も無くなって帰宅できるのでしょうか? こと神経に関して言えば、脳卒中、脳炎、髄膜炎、てんかん、頭痛、めまいなど、急性期疾患と言われるもののその後は、多くの場合後遺障害を残し、そのケアが必要となります。そして依然として病気の素地を引きずりながら、時にはまた急性増悪してしまうのです。ですから慢性期は急性期の続きであるのと同時に、慢性期は急性期の前触れでもあるのです。通常その慢性期をケアしていくのは、かかりつけ医の仕事ですが、そのとき急性期を治療した神経内科の医師がきちんと定期的にアドバイスをしていけば、そのケアは実にうまく行くと思いませんか。しかしそれは大変なことでもあります。今日多くの勤務医が、病院を投げ出す理由のひとつに「担当する患者さんはどんどん増えていって身がいくつあっても持たない」ということがあります。しかし患者さんの側から言えば、二度と悪くならないように時にはしっかり専門の医師に診てほしいのです。この両者の相反するとも言える状況を、さらにそこにかかりつけの先生まで入れて考えれば、自ずと答えは出てきます。たいへんなことも1人で背負わないで、分担するのです。神経内科の専門的なフォローといっても、ひとつのガイドライン的なものを定めれば、定期的なフォローの仕方は決まってきます。そのときに将来それぞれの患者さんの特徴を踏まえ、どれくらいのリスクを予想してフォローするか、そこが専門医の専門医たるところだと思います。実際の方法としては、急性期を過ぎた患者さんがかかりつけ医に帰るときに、どのくらいの時期にフォローが必要かが決まったら、地域神経内科の外来窓口にその予約を取ります。その外来は、東部病院や済生会神奈川県病院の、急性期を診たレジデントが一定期間ずつ分担して担当します。ある時期にしっかりと診て評価する、そして検査結果に基づいて、将来への安心できるケア体制を考えてかかりつけ医に繋いでいく。そうしたことがキチンとできるようになること、その外来予測の眼を育てること、これが地域神経内科のレジデント研修のひとつの目標です。

もうひとつ重要な地域神経内科の研修があります。それは神経疾患の全体像を知ることです。現在の急性期病院は在院日数のしばりがあり、たとえば脳卒中でも自宅に帰る前にはリハビリ病院に転院することがよくあります。また多発性硬化症や重症筋無力症のように一度増悪した場合には、その回復にかなり長い時間がかかる場合があります。そのようなとき急性期病院だけにいたのでは、慢性期のリハビリでどのような問題が生じるのかを、じっくり観察することはできません。何となく良くなっていくのだろう、では病気のひとつの側面を見落としていることになると思います。実際患者さんが良くなっていけばいったで、寝たきりのときにはなかったような問題点が出てくるものです。よく急性期は疾患を診て、慢性期は障害を看ると言います。後者の場合、リハビリの先生にお世話になることが多いのですが、神経内科医にも患者さんとともに障害について考えるということがとても重要だと思います。このHPの冒頭に掲げた「cure, care, share」も、単に治る、治らないよりも、いかに病気や障害について患者さんとともに考えることができるのかということを問いかけているのです。本来病気は急性期や慢性期ということだけで診療が区別されるべきではなく、障害については一連として考えていくことが大切です。私たちが医療の仕組みの中で、そのような区別をして患者さんを診療しているだけであって、患者さんは同じ患者さんです。私達としては、たとえ施設は異なっても、ひとつの病気の全体を診ることができる神経内科医の育成を目指して、東部病院と神奈川県病院でバランスのとれたレジデント研修ができるように支援していきたいと考えています。メールをお待ちしています。
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済生会

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済生会横浜市東部病院のHP http://www.tobu.saiseikai.or.jp/
カットはフリー素材集http://www.cutchips.com/からお借りしました。