アルゼンチンサッカーの旅
ロシア代表対アルゼンチン代表
メッシの足の状態が良くないため、ベンチスタート。重要な南米予選2試合のための処置です。そんなわけでアルゼンチン代表のスタメンは アンドゥハル、サネッティ、ブルディッソ、オタメンディ、エインセ、マスケ、ボラッティ、マキシ、ホナス、クン、ディエゴ。
一方、ロシアのスタメンは1アキンフェエフ; 2アニュコフ,3コロディン,4イグナシェヴィチ,13ヤンバエフ; 11セマク,7デニソフ,8セムショフ,17ズィリアノフ; 10アルシャヴィン,16ケルジャコフ。
いきなり、裏を取られてピンチになったアルゼンチン。しかしながら、相手はボールをミートできず、枠から外れる。
ブルディッソとオタメンディは前には強いけど、裏には弱い印象。ブルは裏を取られることは少ないが、
裏への対応があまり上手くないので、コーナにしてしまったり、前にしっかり返せない。
裏への対応というのはセンターバックからみて、現在ボールを持っている選手のモーションから蹴るのを予測して、
蹴る瞬間に上手いポジショニングを取ることで対応するのだが、これがなかなか難しい。
しかも、世界のトップレベルになると、相手も絶妙なところに蹴ってくるので、とても難しい対応になることが予想できるだろう。
今日のアルゼンチンに関してだが、これまで同様にボール運びができていない。
ロシアはセンターサークル付近からプレスをかけるやり方をしており、センターバックは割と自由に持てるのだが、
そこから展開もできないし、中盤のマスケとボラッティもパスミスが多く、組み立てることができない。
ほとんどの場面でロングボールが目立つ展開になった。
リケルメがいる場合はリケルメが下がってきて、一度低い位置でキープし、SBや中盤の選手が押しあがることによって
ボールを運ぶことができるのだが、誰もボールが収まらないので、中盤でミス→ロシアの攻撃という形が目立った。
そんな展開だったが、今日はメッシがいないので、2トップのコンビネーションが非常に良かった。
何が良いかというと動き出し。
例えば、アグエロが引いたときにミリートはうまく前線に入り込むとか、ポストでもらう瞬間に片方が裏を飛び出しを狙っているとか
そういうことだ。
この試合の最初のチャンスは前線で相手のボールをカットして、ミリートとアグエロで崩してシュートを放った場面だったが、
2トップの流れるようなコンビネーションをみせた。
この試合に関してはボール運びがあまり出来てないために、良い場面というのが少なかったのは残念だが、ゴールの匂いを感じさせた。
あとこの試合はアグエロがトップに張り付かなくても良くなったので、中盤に引いてきてタメを作ったりしてなんとかボールを運べる工夫をしていた。
アグエロの良いところはやはりしっかりと前線にきたボールをキープし、チームの押し上げや速攻の起点になれるところだ。
この試合も出来る限りのことをしっかりとやっていた。
反対にミリートはサイドで起点になろうと頑張ったが、上手くはいかず。
チーム全体を通してはうまく行ったという感じはなかったので、テベスがいればなという感じだった。
テベスはボールが運べないときは引いてきて組み立てに参加したり、
前線でしっかりとボールを収められるので、チームが苦しいときに非常に有益な存在となる。
前半に関してはマスケのミスが多く、中盤でしっかりと組み立てができなかったこと、マキシがうまくビルドアップに加われなかったことなど
前線へのボール運びの悪さが非常に目立った。
守備に関してもボラッティとマスケが上手く連携ができていないので、後手に回り、ロシアに左サイドを崩され、先制されるという形だった。
反対に右サイドはサネッティが安定した守備を披露。
サネッティはもともとファウルせずに相手をしっかり抑えるという能力は素晴らしい選手なので当然といえば当然か。
この試合に関してはボールがうまく回らないのでドリブルで運ぶ場面も目立った。
中盤ではグティエレスが守備やキープなど献身的なプレーが目立ったが、やはり試合を組み立てるような高い技術力が足りないという印象だった。
それでもグティエレスの献身さは素晴らしかったが…。
そんなアルゼンチンであったが、前半終盤にエインセのクロスのこぼれをアグエロが拾って、見事なシュートで同点ゴール。
交代選手の存在感
オタメンディとブルディッソ(軽い怪我)に代わり、パパとディアスが入る。エインセがセンターバックに入り、パパが左サイドバック。
前半に存在感をあまり見せることができなかったミリートもリチャと交代。
すると、後半開始早々にマスケのロングから、相手がミスをして、リチャへのボールがこぼれたところをパパが拾って、もう一度リチャへ。リチャが個人技でゴールを奪う。
パパの積極的な攻め上がりとリチャの個人技で獲った点になった。
パパはしっかりとビルドアップに参加できるし、前線に活発に上がるので、攻撃に厚みを加える存在としてかなり期待できる。
反面、守備のときにパパの裏はちょっと危なく、守備に課題を残すところだが、あの積極的な攻め上がりは大きな効果をもたらすだろう。
リケルメがいれば、彼の力を最高に引き出せることは間違いないだろうなー。
後半開始の逆転劇で完全に流れはアルゼンチンになり、ボールが回るようになる。
マキシも組み立てにしっかりと参加するようになったし、アグエロとリチャも起点となるためにしっかりとプレーしていた。
徐々にチームの形が良くなってきていたが、マラドーナは前半あまりうまく入り込めなかったマキシに代えてダトロを投入。
すると、またまた交代が当たり、ボラッティがボールを奪って速攻からアグエロがドリブルで持って行き、リチャの動きを上手くおとりに使って、
ダトロにパス。ダトロが素晴らしいシュートを決める。
その後もダトロはキープやボールをもらえる位置によることでポゼッションの円滑さをチームに与えた。
ダトロでなくてもリケルメ、アイマール、ダレッサンドロなどでも十分大きな効果を発揮できることは言うまでもないだろう。
誰がみても分かるとおり、このチームの課題は周りを動かせる選手の存在だろう。
ベロンもその一人であることは確かなので、ベロンしだいではうまくいく可能性もあるが、年齢的にW杯で多くの期待をするのは難しいだろう。
アイマールでもダトロでもパストレでも誰でも良いので、中盤とDFの間をうまくつなげる人物を置くべきだ。
この後に、アグエロ→ラベッシが入ったが、ラベッシの必要のないドリブルなどでボールを失う場面も目立った。
ラベッシの積極的な仕掛けは悪くはないが、中盤での無駄なドリブルはチームを自滅に導くだけで、何の可能性もない。
あのように中盤でドリブルをすることが許されるのはメッシだけだ。
チームでボールが回っているときのドリブルは害でしかないだろう。
試合のほうは終盤にFKからロシアがゴールを決め、3−2となった。
1点差に迫られる後も、しっかりと落ち着きがあり、ダトロの見事なキープなどで時間稼ぎをして、無事に勝利を飾った。
全体的にみて、メッシがいなかったから影響からかはわからないが、サネッティの上がりが頻繁にみれたことや
FWの連携の良さを感じられた。
考察
メッシは世界最強のドリブラーであり、世界一といわれる選手である。しかしながら、アルゼンチン代表ではその姿をみせておらず、
反対にアグエロやミリートなどとのコンビネーションの悪さを見せ付けるだけの存在となっている。
そして、この試合においてアグエロはメッシがいなければ、素晴らしいプレーを魅せれることを証明した。
今、思うことはバシーレ代表時にメッシを外してリケルメと2トップを組ませることができれば、
最高のサッカーをみせれたのではないかということだ
メッシはトップ下としてはキープやボールをもらえる位置によるような動きをみせることができないし、
2トップの一角としては連携を上手くすることができない。
要するに非常に使い勝手が悪い選手だということだ。それでもメッシは使わなければならない存在であることは確かである。
現代表にはアグエロ、リチャ、ミリート、テベス、サラテ、サビオラ、クレスポ…ほかにも優れたFWをたくさん抱えている。
以前から最高のコンビネーションをみせる2人組みを2トップにするべきだという主張をしてきたが、
今回の試合でそれは間違いないということが証明されたのではないだろうか。
いくらメッシが凄くてもメッシ+アグエロではアグエロがマイナスになるので、結果的にはメッシ一人分のようなものになる。
その2人のコンビはアグエロ+ミリート、アグエロ+リチャ以下となっていると考えてもおかしくはないだろう。
FW問題ともう一つ重要な問題はボール運びである。
これまでの試合はリケルメ不在を大きく感じさせる試合であったが、今回ダトロが良い面をみせてくれた。
マキシはゴール前に果敢に顔を出してくれるし、ホナスは守備や攻撃での献身さが目立つ。
しかしながら、彼らではやはり厳しいと感じる。
現在の代表はアトレチコみたいなものであり、シモンのところがホナスなのでさらに酷い状況である。
リケルメが使えない現在においてパストーレ、アイマール、ダレッサンドロ、バリエントスに期待するしかない方法はない。
どうしてもメッシを使うならば、アイマールだろう。相手を追い越す動きができるパストーレもメッシと合う可能性があるだろう。
今更、マラドーナがパブロやダレを復帰させることは考えにくいので、アルゼンチンの未来はパストーレに懸かっているのかもしれない…。
