その中に宇宙を感じることまでできると言われる一杯の抹茶。そのお茶について紹介します。



抹茶は、お茶の成分を抽出せずにまるごと食べるスタイルと言う点で全てのお茶の中でも 珍しいタイプのものです。



製法

原料は玉露と同じように日光をさえぎる覆いをかけて栽培した茶樹から摘んだ茶葉。 それを日本茶の特徴である「蒸す」作業を行って茶の酸化発酵を止めます。そして、 「揉念」をせずに乾燥させて(この状態を碾茶といいます)、石臼で引きます。



薄茶と濃茶

抹茶は二種類の点て方があります。一般的によく知られているのは「薄茶(うすちゃ)」で、もう一つが「濃茶(こいちゃ)」です。
以下にそれぞれの説明をします。


薄茶(うすちゃ)
分量  茶 茶杓一杯半
 湯 柄杓半分
動詞  点てる(たてる)
外観
 ・甘味と苦味のバランス
 ・粉の味が最後に口に残る程度
 ・香りが立ち上る
 ・熱い
特徴  流派にもよるが、概して表面を泡立たせる。
 抹茶としてはカジュアルな飲み方。
備考



濃茶(こいちゃ)
分量  茶 茶杓三杯
 湯 柄杓少々
動詞  練る(ねる)
外観
 ・粘度が高くとろりとしている
 ・濃い分苦味が強いが、温度が低いので甘味も強い
 ・香りが広がる
 ・ぬるい
特徴  ツヤよく仕上がるよう練り上げる。
 古代からの茶の飲用方法であり格式高いスタイル。
 茶席においては何人かで同じ茶碗を回し飲みする。
 (信頼関係の上に成り立つ行為)
備考  粗悪な茶を使用すると甘味が出ず苦いだけの茶となる。
 濃茶用の茶を用いるのが望ましい。
 本来「茶を一服差し上げる」と言えば濃茶のことを指す。


コラム 抹茶を手軽に楽しもう



成分と効能

抹茶は茶葉をそのまま摂取するので、非常に栄養価が高い飲料です。

以下の表、グラフは抹茶と煎茶の成分を比較したものです。
(抹茶・・・100g、煎茶・・・100gを湯で抽出したもの)
科学技術庁資源調査委員会編 五訂日本食品標準成分表準拠 「食品成分表」より抜粋

煎茶に限らず、湯への抽出成分を摂取する他の多くのお茶はほとんど栄養はありませんが、抹茶は実に種類豊富な成分が多量に含まれていることが分かります。

抹茶を含め俗に日本茶といわれる緑茶は、渋み成分タンニンの一種であるカテキンを主成分とします。このカテキンは抗菌効果、抗酸化作用があり、風邪や老化の予防に効果があります。また血圧やコレステロールを抑制し、ガン予防にも効くと言われています。
緑茶は紅茶などのように発酵させていない分、多くの栄養を残していますが、ビタミンが特に豊富であり、美肌効果が期待されています。
さらに、カフェインも可食部100gを見たとき、含有量がコーヒー1.3gであるのに対して抹茶は3.2gも含み、覚醒効果もあります。眠気覚ましに抹茶を飲むのも良いかもしれません。

このように抹茶が栄養豊富であるところに、毎日の飲茶が健康の源と言われる所以です。