尾瀬紀行
残雪の尾瀬・燧ケ岳登行(19)

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 尾瀬紀行(37)裏燧林道 「裏燧のブナ林」  ,



 西田代付近から会津の山並



 美しい若木のブナ林



西田代があり、次に、小さな林を挟んで横田代となる。

雪原の中、横田代の標識が頭だけ見せていて、『 見晴7.4km⇔⇔2km御池 』とあった。
次がノメリ田代で、オオシラビソなどの木立の多く、ここの傾斜湿原では階段状になっているのが判る。 
雪解けとともに池塘や湿性植物が現われてきそうである。


ここを過ぎると、太古の昔へ押し入ったような、鬱蒼とした大樹の生い茂る樹林帯に突入する。 
概ね、ブナの大木であるが、ところどころにトド松やダケカンバが混ざりあった原生林である。 


未だ、陽が昇って間もないというのに中間で光が遮られ、足元は何となく薄暗さを感じる。
そして、小鳥のさえずりと足元に軋む雪の音が妙に悲しげに聞こえてくる以外は、全く寂々とした世界である。

大自然の懐にスッポリ収まっているような、もっと純粋な気持ちで大きく胸を張って、自然の息吹き、躍動感を感じるはずであるが、ヤケに前方ばかり気になって仕方がないのである。 変化の無いモノトーンの世界のせいか、それとも帰路に執着しているせいか意気が上がらないのである。
やはり会津駒の断念や左足不調の影響によるものか・・?。


そんな時、年輪の嵩んだブナの大木に、ここを通過した人達によるメモリーマークが小さく彫られているのに気が付いた。 

この、このブナの原生林、ブナの大木を見ると、登山道の脇のブナの幹が、ある箇所ではほとんどすべてと言っていいくらいナイフで傷つけられているのだ。
名前を彫りこんだものがほとんどでであるが、なかには五・七・五の句や訪れた日を記されている。

5年前、10年前(昭和40年後半からみて)から昭和一桁台のものも結構ある。 
我らの生前のものであり、考えるまでもなく今では相当のご年配者に達しているであろう。 

そんなことを考えながら思わず幹を撫ぜ、何故か励まされているように心が和む。
だが、生きている生物に人間の勝手で傷をつけることは批判されても、決して褒められることではない。


それにしても人の移り変わりは激しく感じられのに、これら、大自然の不動の姿はどうであろう・・!。 
自然の偉大さや時の流れの映りようから見ると、人間なんてまるで「カゲロウ」のようだとはよく言われる。 

否、カゲロウついでに、人間は地球から見ると「シロアリ」と喩える人もいるようだ。 
人間のみが他の生物の循環社会から食み出し、しかも、地球を蝕んでいるからであろう。
それに比べるとブナの大木にマーキングするぐらいは、存外、許されてもいいのかもしれない。


次回、「天神田代




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 尾瀬紀行(38)裏燧林道 「天神田代」  .



 天神田代から渋沢温泉小屋への分岐付近



やがて、「天神田代」へ達した。 
標識がチョコンと頭をだしていたので気が付いたが、うっかり見過ごしてしまうほど小さく、ほとんど湿原らしいものはないようだ。 
この辺りの田代(湿原)の中でも森林化が進んでのであろうか。

ただ、天神田代からは燧ヶ岳の双耳峰が天を突くように迫力をもってそそり立ち、天神田代の名前の由来にもなったのではないかと、思わず納得してしまうほどだ。


天神田代付近は、渋沢温泉小屋渋沢大滝方面との分岐点でもある。 
標識によると御池から3・3km来たことになる。 
尚、尾瀬ヶ原(見晴)まで6・1km渋沢温泉小屋までは2・3kmとあった。

天神田代でチョッと休憩した後に、ここから兎田代から三条の滝へ向かう予定である。



天神田代を過ぎてブナ林からトドマツなどの混成林の中、燧裏林道をひたすら歩くが、この辺りから緩い下りなので歩が自然と早まる。

裏燧橋」が見えてきた。
比較的大きい「渋沢」(シボ沢とも云うらしい)に架かる橋で、滑りやすくチョット危なっかしい木製の橋を渡る。
通常は深い涸れ沢らしいが、今の沢は雪で覆われていて恐怖感はさほど無い。
それでも、無雪期など雨が降り続くと物凄い濁流になるようで、普通の人は怖くて渡れないらしい。
 
この橋は、後に台風などの大雨で激しい土石流に襲われ、当時の面影は無くなってしまったらしく、現在は立派なコンクリートのつり橋が架かっているらしい。


渋沢は、「渋沢大滝」を経て渋沢温泉に通じている。 
近くに雪が積もったベンチがあったので、雪を払い初めての大休止をとる。 
橋の付近から平ケ岳の眺めが良い。


この渋沢の下流に、燧ケ岳三大大滝の1つ、「渋沢大滝」がある。 
これから向かう三条の滝よりは規模がやや小さいが、ブナ林に囲まれた静寂の地にあって、一見の価値はあるという。 

ただ、温泉小屋と天神田代をつなぐ登山ルーとから別れて、更に滝までは往復1時間はかかるというから、よほどの好き者か覚悟が必要であろう。
その「渋沢温泉小屋」が大滝より下方にある。 


次回は「桧枝岐温泉




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