尾瀬紀行
残雪の尾瀬・燧ケ岳登行(9)

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 尾瀬紀行(17)燧ケ岳 「長英新道」



 雪の大江湿原



長蔵小屋に隣接する大きな休憩所は、未だ朝早いこともあってハイカーは一人の姿を見せていなかった。 
鳴りのあまり良くない携帯ラジオを聴きながら、やや、さみしい朝食を摂る。
直後、猛烈な睡魔が襲ってきて、テーブルにうつ伏せになって真っ暗い、無意識の世界に吸い込まれた。

ハッと気が付くと時間にして僅か15分程度の事であったが、頭の中の霞が取り払われた感覚で清清しくも思われた。
気が付くと炊事場のおばさんが、まだ眠気を残しているようにのんびりした仕草で片付けものをしている。
「これから燧ケ岳のテッペンへ向かうのですが、天気予報のほうは如何ですかね」
「今、7時のニュースをかけますから、その後で天気予報をやりますから聞いておくんなせい」と、そっけない返事が返ってきた。
予報は「晴れ・時々曇り」といい、先ず先ずを示していた。



現在の長蔵小屋は東岸、大江湿原の南にある。
大江湿原は未だ雪の中であるが、沼山峠へ向かうルートは既に歩道が露出していて、遥かに先へ延びていた。

その大江湿原を横切り、沼北岸を行く歩道は樹林中に入るとまもなく木道で浅湖(あざみ)湿原を横切る。 
この湿原を巻くように「長英新道」が始まっていた。 

ガイドブックによると、この新道コースは距離的には比較的長いが、なだらかなので初心者でも楽しみながら登ることが出来ると記してあり、時間的にも沼尻コースと余り変わりが無いようだ。 

尚、長英新道とは長蔵小屋二代目主人・平野長英氏の名を付したものでる。 
この歩道は昭和35年につけられたというから、尾瀬の登山史の中では比較的新しいものであろう。
それまでは、沼西岸の沼尻平に始まるナデッ窪がこの山の登山に用いられていたらしく、古き明冶22年、平野長蔵氏が初めてこのナデッ窪から登ったことが、尾瀬の開拓をはじめ長蔵小屋創設のきっかけでもあったらしい。
そして、最初に建てられた初代の長蔵小屋は沼尻であったこのは前に記した。


地図を観察しても長英新道は妙味、変化には乏しいようにも思える。 
つまり、地形的には尾瀬沼の展望は得られるが、尾瀬ヶ原は無理があるような気もする。
どちらかといえば沼尻からのナデッ窪の斜面のほうが急な登りが予想されるが、視界はこちらのほうが期待できそうなのである。
従って、小生はこのまんま沼尻コースを採ることにした。

次回、「沼尻休憩所




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 尾瀬紀行(18)燧ケ岳 「沼尻休憩所」 ,



 オープンを間近に控えた「沼尻休憩所」



この長英新道を横に見ながら更に前進する。
アザミ湿原(浅湖湿原)であろう雪原を横切る。 

アザミとは浅い湖の意味で浅湖と書くようで、沼に大きく入り込んでいる大入洲半島の付け根部分を占め、北岸道では大江湿原に次いで大きい湿原であるとか。 

一般に、沼や沢、川の水辺に接する部分で湿原が形成されている部分は、最も初期の段階にある湿原地帯で、概ね沼沢地のように湿潤となっているという。

勿論、木道が直線的に延びているようであるが、今は雪原地帯となっているため木道から反れて足跡が付いている。 夏道とは違って雪に覆われているため、厳密に木道を通らなくてもよいのかも・・?。


間もなく、林の中の階段状を緩やかに登るようになる。 
大入洲半島は尾瀬沼へ大きく張り出している高台になっているようで、小高い丘を何度か上り、下りをしながら雪の中を歩む。

気が付くと、軽装(山支度ではない)の女性二人がのんびりと先を歩いている。 
間もなく追いついて、どちらともなく軽く朝の挨拶を交わす。

「どちらへ・・?」
「これから原っぱをへ抜けて、三条の滝へ参るつもりです」

20歳前後のうら若き女性達で、昨夜は長蔵小屋へ泊まったらしい。

「小生は、この先の沼尻から燧(燧ケ岳)の天辺(てっぺん)へ参るところです」
「ああ、やはりそうですか、お気をつけて」
「三条の滝方面は、チョット雪が深くなるかもしれませんよ。 それじゃお先に」

・・と、こんな調子であった。


この周辺は燧ヶ岳の溶岩が流れ込んだような地形が沼の水面や湿原部より高くなっていて、複雑な台地状を形成している。 
そのため、シラビソ林と小さな湿原群が交互に現れ、道は林を出たり入ったりしている。 
特に新緑の季節のウォーキングなどは楽しそうな処でモある。

小高い、丘のようなところを2,3箇所越えて、オンダシ沢とかいう沢を渡り超えると、間もなく大きく開けた沼尻平の湿原に出る。 
そして燧ケ岳下の沼尻休憩所に達する。
今は五月の始めで残雪に囲まれた山小屋休憩所は、未だオープン前で深閑としている。


沼尻は尾瀬沼の展望が開けた場所で、本来の時期なら対岸の遠くの山並みが湖面に映えて美しいところであろう。 
沼尻湿原湖畔のベンチで昼食を取るのも良いようだ。
沼尻休憩所は、かなり大きく重厚な建物である。
尾瀬沼と尾瀬ヶ原の連絡路の中継点とし一休みするには格好の場所柄であろう。 
シーズンともなるとこの休憩所では軽食や飲み物、それにトイレが利用できるので有難いところでもある。


次回、「尾瀬の沼と原




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