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      アマチュア無線でRC FPVを楽しむ 
                
JI1BZN / JA7CME 

 
                                                                       

本ページは海外インタネット通販で購入した安価な5.8GHz帯無線機を使って、
FPV RC飛行機を楽しむためのガイダンスです。筆者の経験と知りうる知識で
紹介していますが、個人の判断と責任において実行してくださるよう御願い申し上げます。

                                      2016年月4月29日改定
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   戸澤洋二技術士事務所 代表    戸澤洋二 技術士(電気電子)情報通信分野
 
       
 ytozawa@t-net.ne.jp  または 
 stmaster@ohmeastro.com
          〒198-0041 東京都青梅市勝沼3-141-37  tel:090-8648-6147 fax:0428-22-4848  

             千葉大学(株)自律制御システム研究所 技術顧問
             ミニサーベイヤーコンソーシアム 技能検定指導教官
                  
青梅電脳通信台    Face book

禁無断転載:   本HPのデータおよび照会内容については個人の無線局申請や
国交省航空局への申請に使っていただいて構いませんが、個人のホーページやブログ
等に無断で転載することを禁じます。
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                  多摩電動飛行機研究会(東京都日の出町のグラウンドで定例会)
                FPVアマチュア無線クラブ(5.6GHzアマチュア無線でFPVを楽しむ会)
                Drone Impact Challenge(ドローンレースを楽しむ会)

                  総務省の電波監理(違法電波は摘発されます)
                 改正航空法 2015/12/10施行(FPVを楽しむには国交省への申請が必要です





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近年欧米ではDroneRaceという遊びが大流行しています。機長が300mm足らずの小型のドローンにカメラを
積んで、5.8GHzのISMバンドの無線機で機体の前方映像をパイロットに伝送し、パイロットはヘッドマウント
ディスプレイ(ゴーグルモニタ)やLCDモニタで前方を見ながら操縦して、決められた障害物のある周回コース
でRacerを複数機飛ばしてタイムを競うものです。まるでスターウオーズの世界がそこにあります。






2015年11月7日に千葉県香取市で開催されたDrone Impact Challenge
実行委員会開催のDIC Drone Race2015の様子がNHK他各TV局から放映されました。


 
NHK取材内容 , 日本テレビSensors

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     技術レポート 「5.6GHzATV無線機のナローバンド化検討」

現在日本で5.6GHz帯のアマチュア無線を使用してFPVドローンレースを楽しむためには電波法の用途別バンドプランの規制と無線機器の特性の関係から、3波(5705・5740・5800MHz)の使用による3機同時出走しか出来ていない現実があります。
海外でのドローンレースでもRaceBandと称して、5.6GHz帯のハムバンド(5650-5900MHz)を使っていますが、日本のようにバンド内の用途別規制が無いため、37MHz離調による8バンドが有効です。

筆者はFPV アマチュア無線クラブ代表の酒井淳一郎氏とともに、海外同様日本でも3機以上の同時出走を実現すべく、バンドプランの見直しお願いを総務省電波基盤局およびJARL日本アマチュア無線連盟に再三行ってきましたが、ハードルは高く、一朝一夕には実現しないことを実感しました。
しからば、現在流通している無線機を現用バンドプランに合致させるべく改良するしか術はないと判断し、無線機の性能見直しと、改造改良による性能変更を実施、今般良好な結論に至りましたので、成果をこのレポートにより報告します。

本検討結果により、5.6GHz帯のアマチュア無線バンドプランに合致しながら現在の3波(3機)同時運用から5波(5機)同時運用が可能になり、日本のドローンレースにおいて5機同時出走が可能になります。

Japan Ham Band Race仕様のF3F改造VTX/VRX

 

1

2

3

4

5

6

7

8

Band1

5705

5740

5780

5805

 

 

 

 

Band2

5695

5715

5740

5780

5805

 

 

 

Band3

5695

5715

5740

5775

5790

5805

 


 2016年4月23日  筆者追記


2016年6月にはHD映像を遅延なしで伝送するデジタルvideo無線機が市場に出てきます。
日本のFPVの楽しみ方は上記のF3FNarrowBand無線機とデジタル無線機により大きく変化してくると思われます。
「日本で行うFPV Drone Raceに使用する無線周波数」にまとめました。

 2016年4月29日 筆者追記

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日本でも最近大流行の兆しがありますが、いかんせん5.8GHzバンドは日本の電波法の基では安易に使うことが出来ません。
しかしながら、大半のユーザーが違法を承知で楽しんでいるという実態があることは困ったものです。

DroneRaceは業務用でも産業用でもなく、全くのHobbyの世界でありますから、Hobbyで無線を使うとなったらアマチュア無線です。
本家の米国でもアマチュア無線バンドでRegal Drone Raceをやる傾向にきています。
米国と日本では5.6-5.8GHz帯の周波数関係が少し違っていますが、米国は8CH、日本では7CHがRegal Frequenciesです。
詳細は本HP後半記載してありますので、ご覧ください。

今年は日本のDroneRace元年とも言うべき年であり、各地で欧米並みのスリリングな合法FPV Drone Raceが
開催されてきています。参加するにはアマチュア無線の資格と総務省により許可された無線機(VTX)が必要です。

日本の5.6GHz帯アマチュア無線バンドのFPV運用は運用規則上問題ではないか?という声も未だに聞きますが、
FPV というカテゴリーが昔の法律に明文化されていないのは当然であります。 いまや本来のアマチュア無線の
「通信」という目的は使命を終えようとしている中で、新たなラジコン模型で楽しむFPVというカテゴリーは低迷する
アマチュア無線や理科学離れしている日本の子供たちに新たな世界を切り開こうとしているともいえます。

筆者が2013年11月に5.6GHzアマチュア無線バンドで初めてFPVの無線局の許可を総務省に打診したときには
理解を得るために大変苦労をしました。半年の時間をかけてJI1BZNという5.6GHzATV FPV無線局の許可が
降りたときは半世紀以上前にはじめてハムのコールサインが発行されたときの感激を思い出しました。

2015年8月現在、すでに1,000名近くの方が5.6GHz帯のFPVアマチュア無線局を開局しており、更に急増中です。
日本全国の総務省各地方総合通信局からFPV で使用されることを認識した上でこれだけの人に無線局免許状が
発行されている実績と実態はもはやFPV のATVが法的解釈でどうかという話ではありません。
違法局の撲滅とスリリングなDroneRaceを楽しむためには5.6GHz帯のATV(アマチュア無線TV)しか選択肢が
ないのであります。

アマチュア無線の資格取得と無線局の開局は決して難しいことではありません。
本HP 参考にして、違法でFPVを楽しんでいる諸氏は一日も早くアマチュア無線を開局して合法により楽しんで
いただきたたいと願ってやみません。

2015年8月19日 筆者追記
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アマチュア無線局の開局申請では工事検査が省かれ書類審査のみですが、それゆえ提出書類で無線機が法的
に合致するかを網羅する必要があります。 国内のメーカーの装置であって、技適も取れているような機材では
全く問題ありませんが、本ページでは海外ネットで購入できる安価な機材での無線局免許取得ですから、書類を
揃えるのは容易ではありません。
しかしながら、一度実績ができて、必要書類ができていれば、申請から認可まではスムーズです。


申請に必要なデータとしては、

① 工事設計書
② 送信機の詳細なブロックダイアグラム
③ 送信機を構成する主要回路部品の性能を保証するためのデータシート
④ 送信機の回路構成を説明する補足資料(特に周波数の設定)
⑤ 改造箇所の明示(ブロックダイアグラム中、あるいは別紙, 写真

又、必要に応じては送信機の性能を示すデータも提出が必要な場合もあります。


実績のない送信機の型名のみや、表向きのカタログ等を提出しても許可にはなりません。特にWebで公開されて
いないような特殊な送信機の最終段のデバイスの場合は、デバイスの型名、印加電圧、性能を示すデータシートの
提出が必要になります

多くの実績ができたTS-832などの送信機の申請に関しては、デバイスのデータシート提出は不要です。


5.6GHz帯のアマチュア無線局申請はこのHPを参考にすれば
可能ですが、戸澤洋二技術士事務所では申請書類の作成について、

申請書類作成支援を有料で承ります
 

また、代行申請については当事務所とタイアップしている
行政書士八角浩史事務所が請け負いますのでお問い合わせください。


詳細はココ をご覧ください。

●月刊誌 ラジコン技術2015年2月号から6月号まで 「アマチュア無線でFPV を楽しむ]を連載しました。
「ドローン&マルチコプター完全ガイド」コスミック出版に [5.6GHz帯FPV 機器で鳥の視点を楽しむ」を掲載しました。
「HAM world 創刊号」電波社 に「災害現場で活躍が期待される5.6GHz帯利用のドローン」を掲載しました。



● 日本の5.6GHz帯アマチュア無線バンド専用のATV送信機が開発され発売になりました。

   1)TS5823J 小型軽量 200mW ATV 7CH仕様・・・ATV の5.6GHz帯7CHのみが運用できる

   2)TS586J 小型軽量 600mW ATV 7CH仕様・・・ATVの5.6GHz帯7CHのみが運用できる

 改造等の作業も必要もなく、現場でATV のCHを任意に選択できます。TSSの実績あり。
系統図および解説書が付属しています。

 Hobby Net Japanにお問い合わせください。 TTS-5823JS5823JFPV_5.8Ghz_200mW-TS5823_JAPAN仕様-7chFPV_5.8Ghz_200mW-TS5823_JAPAN仕様-7ch
  http://www.hobbynet-jp.com/japan/index.html

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2015年12月10日より「改正航空法」が施行されました。。無人飛行機(ラジコン飛行機)
を楽しむ人達にとっても多くの制限がかかってきますが、
国交省へ申請することにより、
今までどおりの楽しみ方が出来ます
ので、国交省航空局のホームページを熟読すべきです。
疑心暗鬼にならずにきちんとルールとモラルを守って運用しましょう。
FPV でラジコン飛行機を楽しむには総務省の「電波法」がネックになっていました。
なんとかアマチュア無線という手段を持って今日まできましたが、今度は国交省の
「航空法」が私たちが楽しむFPVに制限をかけて来ました。FPV 運用は「目視外操縦」
であり、申請して許可を受けなければ違法になってしまいますのでご注意ください。
 FPV を楽しむにあたって、国交省への無申請、アマチュア無線の無資格または
総務省への無申請は今後「通報」等によって摘発を受けるとかなり重い罰金刑
になります。ご注意ください。

2016年1月20日 筆者追記

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FPVは目視外飛行なので田舎の山の中のような人口集中区域(DID)外であっても、
承認書なしの場合は法律違反
になってしまいます。
国土交通省航空局への申請は結構厄介で、総務省への無線局申請よりもはるかに
手間がかかりますが、これをやらないとせっかくFPVのために入手した無線従事者
免許も無線局コールサインも使えないのです。

FPVドローンレースを楽しむ、あるいはクラブ運用をするときの国交省への申請については、
多摩電動飛行機研究会が承認を受けた申請手順は実績が多々あります。
特に機体の登録に関しては機体をタイプ別に分類して、
各人の機体を個別に登録する必要性を省きました。 ここを参考にしてください


戸澤洋二技術士事務所では航空法での「目視外運用」を行うための
国交省への申請書作成のための技術支援を有料で承ります。
申請資料作成のガイダンスおよび資料の作成補助を行います。

また、代行申請については当事務所とタイアップしている
行政書士八角浩史事務所が請け負いますのでお問い合わせください

 
詳細はココ をご覧ください (別紙1はここ) 。
 
  2016年1月21日 筆者追記

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国交省への申請手続きが面倒と言う方には、200g以下の模型飛行機をお奨めします。
200g以下の機体は「無人飛行機」ではなく「模型飛行機」というカテゴリーに分類され、
航空法が適用されませんから、人口集中地区でも飛ばすことが出来ますし、
FPVによる目視外飛行も申請が不要です


U199 ドローンクラブ

最近はドローンレーサーも200g以下で製作して国交省の申請なしで楽しむ人が増えています。
しかしながら、電波法は遵守が必要なので、アマチュア無線免許手続きは要ります。

   2016年4月10日 筆者追記
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アマチュア無線によるFPV運用の楽しみ方、ドローンの情報、改正航空法について
セミナー、講演を行っています。

2015年2月11日     東京電気企業技術士会「ドローンの現状と今後の展望」
2015年11月15日   マイクロウエーブミーティング「5.6GHzFPV の楽しみ方」
2015年12月4日    神田Dアカデミー 「改正航空法の概要」
2015年12月22日   東京都西多摩地区青色申告会 「ドローンの現状と今後の展望」
2016年1月11日    名古屋セミナー「FPV の楽しみ方と改正航空法の申請方法」
2016年2月7日     埼玉県東松山市「JARL埼玉支部技術交流会」 「FPVでRCアマチュア無線を楽しむ」
2016年2月19日    Dアカデミー「FPV の楽しみ方と改正航空法の申請方法」
2016年2月23日    青梅市法人会「空の産業革命 ドローン」
2016年3月13日    JARL栃木支部大会(宇都宮市)「FPVでRCアマチュア無線を楽しむ」

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1.はじめに

ラジコン模型飛行機は飛行する機体を見ながらぐるぐる頭上を回すものと思っていましたが、FPV(FirstPersonViewFight)というものが登場してラジコン飛行機の概念が変わってきました。

機体に搭載したカメラで飛行前方を捉え、この映像を無線で地上の操縦者に送ってくるというものです。操縦者はこの映像を映像モニタで見ながら、機体を操縦しますので、まるで鳥なったバードビュや飛行機の操縦席に座ったコックピットビューが楽しめます。

機体を制御する無線の到達範囲内であれば、ぐるぐる回すばかりではなく、一直線に飛行させることができます。

5.8GHz帯のISMバンドを使用して海外では近年盛んに楽しまれている技術ですが、日本国内では電波法上の規制があり、映像を伝送する無線機は安易には使えないのです。 5.8GHz帯のビデオ送信機はインタネット通販等で簡単に入手可能ですが、無資格無申請で使用すると電波法に抵触し、摘発された場合には2年以下の懲役、100万円以下の罰金が科せられます。2015年にはこの5.8GHz無線機を違法に使用して摘発された方も出ていますので、ご注意ください。

特定小電力という枠組みの中では2.4GHzのWi-FiをはじめとしてVHF帯からミリ波帯まで幅広くありますが、全て技術基準適合証明(技適)の取得が必要になります。無資格無許可で使える電波は微弱電波であり、映像を伝送するには脆弱です

 

2.映像を無線で伝送する

 

映像を無線で伝送するには従来のアナログTVのようなアナログ伝送と地デジTV や無線LANのようなデジタル方式があります。

カメラのアナログ映像をデジタル変換して画像圧縮を加え伝送するのが今流行の技術ですが、カラー映像を無線伝送するにはそれなりの帯域幅(無線周波数を占有する幅)が必要なので、使われる周波数はおのずとマイクロ波帯のような高い周波数が使用されます。

マイクロ波は空間での減衰が激しいので、遠方まで飛ばすためにはそれなりの電力やアンテナの工夫が必要になってきます。

2.4GHzのWi-Fiバンドを使っての技適の無線機は誰でも無資格で使えてよいのですが、出力が小さいので、数百mを伝送させるのは困難のうえ、RC の2.4GHzに妨害を与えますから、難点があります。最新のWi-Fi技術のIEEE802-11nを使ったFPV 用のダウンリンクも最近市場に出てきましたが、相当環境の良い場所(海上のような見通し、他のWi-Fiが使われていない場所)でないと性能が発揮できません。

 

3.RC飛行機でFPV をするためには・・・

 

       業務用に許可になっている1281.5MHzの無線機を使用・・・・三級陸上特殊無線技士以上の資格が必要な上、無線局の開設が必要、無線機は非常に高価

       技適証明のある無線機使用・・・・あまり距離がでない上、高価

       アマチュア無線を使用・・・アマチュア無線技士の資格が必要なうえ、無線局の開設が必要、市販されているアマチュア無線機でFPV の仕様に合致する無線機はない。

 

4.アマチュア無線でRC のFPVを楽しみたい

 

さて、RC でFPV を楽しむためには無線機が必要であり、①③の場合には、資格と無線局免許が必要になってきます。

所詮趣味の世界であるから、大変な苦労による国家試験は御免こうむりたいし、また高額な投資も勘弁願いたいのです。

そう考えたとき、海外で使われているRC のFPV用に開発されて安価で手に入る無線機を簡単な試験等で得られるアマチュア無線資格にて運用できないか・・・という発想は誰にでも出てくるのです。

しかしながら、ネット販売 で入手できる中国製の安価な無線機を使ってアマチュア無線局を開設した、という例は2014年以前にはありませんでした。どうして?と言う疑問は本項を読み進めば段々に理解できます。

多摩電動飛行機研究会(個人研究会です・・・)では、中華製の安価な無線機を使って、カラー映像伝送のアマチュアテレビ(ATV)のアマチュア無線局を総務省へ申請し、無線局免許状と無線機に貼る無線局免許証票が発行されました(2014年4月)。   QUAD UFOコプタによるFPV 実験

 

本項では、参考のため、当局の無線局開設に必要な手順と技術についてレポートします。

 

5.アマチュア無線でFPVをやると目的外運用なの??

 

アマチュア無線で許可をとっても、RC飛行機等に無線機を搭載して電波を出すのはアマチュア無線業務上、「目的外」ではないか? という声が聞かれます。

法的な解釈がどうであるかは調査しておりませんが、筆者の考えを述べてみます。

 

筆者がアマチュア無線局を大昔に開局したのは今から半世紀以上前の話です。

当時、アマチュア無線の装置で国産で市販されていたものは組み立てkitでした。

私は当時中学一年生でしたから、高価なkitを買う小遣いはないので、ひたすら市内の廃品回収業者を徘徊して、部品を集め、無線機を自作し、電波管理局に申請して開局にこぎつけました。当時のアマチュア無線家のほとんどの機材は自作でした。

市内のアマチュア無線クラブに入会しましたが、会合では技術論議が盛んに行われました。

無線機の技術や無線工学、アンテナの設計、興味ある話ばかりでした。

無線で他局と「通信」してQSL(交信カード)を交換するのは、自作した無線システムの性能を確認するための「手段」ともいえました。要するに、当時のアマチュア無線というものの「目的」は無線機設計製作という技術への興味にあったわけです。

やがて、無線機が高度化すると、自作派は減少し、アマチュア無線機はすべて「買い物」になってしまい、アマチュア無線の本来の目的と手段は逆転し、やることは「通信」だけになってしまいました。

さらに時代が進んで、携帯電話やインターネットの時代になると、もはや「通信」もアマチュア無線ではその座を追われてしまいました。

現在短波帯を使ってアマチュア無線を楽しんでいる人の目的はなんでしょうか?

やはり、大枚はたいて買った無線機やアンテナという自前の「設備」の性能を確認すべく、海外との交信を楽しんでいるのです。

アマチュア無線の運用規則では真っ先にこのように記載されています。

アマチュア局は、金銭上の利益のためではなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う自己訓練、通信及び技術的研究のためのものです(電波法施行規則第4条第1項第24号)。


アマチュア無線の本来の目的は「無線技術の興味によって行う技術的研究」であって、通信で楽しむだけではないのです。

「無線:Radio Wave」は情報無線通信「Radio Communications」分野だけではなく、無線応用「Radio Applications」の分野があります。ですから、「通信および技術的研究のためのものです」と記載されています。

無線応用とは、例えば、レーダー機器、医療応用・・・HF電波を使って癌細胞を散らす、マイクロ波で水虫を治療する、などなど、また、監視用のカメラ映像の中継、無線給電、プラズマ応用、・・・・・・・・あげたらきりがないくらい無線の応用は研究されています。

アマチュア無線家でこういった技術研究に取り組む人は多々います。

ですから、FPVは目的外通信とか断定するのはアマチュア無線を無線通信という狭義でしかとらえておらず、早計であると筆者は考えます。アマチュア無線に許されたあらゆる無線周波数帯という資源を使って、Hobbyの世界から社会貢献できる技術が生み出されるべきと思います。

近年のラジコン飛行機技術は無人飛行機技術であり、とても興味深い世界に突入してきています。マルチコプターはすでに盛んに報道や撮影の世界では使われてきており、ソチオリンピックではたくさんのマルチコプタが飛行していました。

まさしく「技術的研究」の世界が広がってきています。かつて無人飛行機は軍事目的研究でしたが、近年では災害対応や、日常の世界にも貢献できる技術として、日本でも主要大学が競って研究しています。

これら無人機はラジコン飛行機であり、無線技術をなくしては研究が成り立ちません。

また、無人飛行機研究において、アマチュアのHobbyでの研究家がかなり先進的な結果を生み出していることも事実です。

こういった背景から、アマチュア技術家に与えられた唯一の特権であるアマチュア無線技術を「限定」してはなりません。FPVをアマチュア無線で楽しむのは、上記の運用規則にあるように、まさしく「個人的な無線技術の興味によって行う自己訓練、通信及び技術的研究」そのものであり、無線実験を楽しむものであると考えます。

RCを楽しむ人たちにアマチュア無線の従事者資格を持つ人が多いのには理由があります。

みなさん、かつてはアマチュア無線を楽しみましたが、その変遷に失望しました。そして、今RCの世界に面白い技術が投入されてきて、またアマチュア無線家の消えかけた情熱が再燃してきているのでしょうか・・・・ 

6.アマチュア無線の周波数バンド

前記のように映像を無線伝送するためには無線周波数帯域を広く占有する必要がある関係から、マイクロ波帯が使われます。アマチュア無線のバンドは幅広くありますが、映像伝送が許可になる周波数帯は下記のようです。

ここで、映像を伝送する電波型式はF3F(映像のみ)、F8W(映像+音声)です。

(総務省告示の周波数帯)   ( )内はF3F, F8W等の映像伝送が許可になる周波数

   1,260MHzから1,300MHzまで(1,273MHzから1,290MHzまで)

     2,400MHzから2,450MHzまで(2,407MHzから2,424MHzまで)

     5,650MHzから5,850MHzまで(5,690MHzから5,725MHzまで)

     10GHzから10.25GHzまで(10.025GHzから10.08GHzまで)

 

     は前出業務用の1281.5MHzも含まれています。海外ネットで入手できる無線機にも1280MHzが使える製品があります。

     は操縦用プロポと混信する可能性が高いので、避けます

     5.8GHzはネットで各種の無線機の送受信機セットが1万円程度で入手できます。

     10GHz帯は特殊なので、避けます。

 

ということで、ネット販売では一番ポピュラーな5.8GHz帯の無線機でアマチュア局を開設することにしました。

 

7.なぜ、5.8GHzなのか?

5.8GHzという周波数バンドはWi-Fi帯でもそれほど混んでいなく、また減衰が激しいため、見通し以外では遠くまで飛ばないことが、ほかの用途の5GHz帯の無線設備に妨害を与えないという点で、よいと考えます。

5GHz帯では無線LAN(5150-5725MHz)のほかにもATCシステムやDSRCのシステムの周波数帯(5770-5880MHz)があります。アマチュア無線バンド(5,650MHzから5,850MHz)は無線LANの周波数帯と同じですが、そもそもRC-FPVは市街地や屋内でするものではないので、大丈夫と考えますが、留意は必要です。
そもそも、2.4GHzや5GHzというマイクロ波帯の周波数利用はISM帯(工業・科学・医学の応用)でもあり、様々な電波利用が許可になっています。

すなわち、近距離通信波(遠くに飛ばない)なので、みんなで譲り合って、うまく使ってくださいね・・・というバンドです。

アマチュア無線のこのバンドは5,650MHzから5,850MHzですから、5.8GHz帯ではないですね。

海外ではそう呼んでいるので、本項でも5.8GHz無線機として話を進めます。

 

8.送信出力について

 

アマチュア無線の5.6GHz帯では空中線出力が2Wまで許可になりますが、前出のように、「譲り合って使うバンド」でありますから、不必要な大出力は避けるべきです。

 

FPVは海外では数十km先まで飛行機を飛ばしたり、成層圏まで上げたりと、とんでもないレポートも見かけることがありますが、砂漠のど真ん中でやるのは構わないでしょうが、日本でFPV-RC を楽しむには安全を確保した自己ルールが必要と思います。

 

FPVでは飛行する機体が視野から外れても操縦することが可能ではありますが、飛行機が飛行するルートを把握して、ルート上の安全を見極めておくことが必須です。

2.4GHzのRCプロポのアップリンクの制御範囲は送信機付属のWhip Antennaと機体に積んだワイアアンテナの組み合わせでは、せいぜい500mから800mです。

機体を操縦する無線リンクが切れたら、FPVで視界が見えていたとしても、操縦不能になり、機体は墜落します。

したがって、FPVの無線リンクの到達範囲は2.4GHzのRC操縦リンクの範囲以内で十分です。

この関係から、TESTをしてみた結果では、5.8GHz無線機の映像ダウンリンクでは200mWから500mWぐらいで十分という結果が出ました。

海外サイトでも販売されているRC用に開発された5.8GHzの無線機の出力がおおむね200mWから600mW程度なのはこういった実験に基づいたものではないかと推察されます。

ここで、BOSCAM社の5.8GHzFPV無線機の仕様を見てみましょう。

 

 

Features:
• 32 channels: Cover A, B, E bands and F bands
• Two switching buttons for the band and channel
• Two digits display for  the band and channel
• Power off memory for last channel and band
• dual Independent video and audio signal outputs

Specs:
Video format supported: NTSC/PAL
Antenna connection: RP-SMA, jack (module side, both TX and RX)

Transmitter TX TS832 specs:
Power input: 7.4-16V (3S Lipoly suggested)
Transmitting power: 600mW
Antenna gain: 2dbm
Working current: 220mA at 12V
Video bandwidth: 8Mhz
Audio bandwidth : 6.5Mhz
Weight: 21g
Dimension: 54x 32x 10mm(excluding antenna)

Receiver RX RC832 specs:
Power input: 12V
Working current: 200mA max
Antenna impedance: 50Ω
Antenna gain: 2db
Rx sensitivity -90dBm
Video impedance: 75Ω
Video format: NTSC/PAL auto
Dimension: 80x 65 x15mm
Weight: 85g

Frequency range:
FR1 5865,5845,5825,5805,5785,5765,5745,5725
FR2 5733,5752,5771,5790,5809,5828,5847,5866
FR3 5705,5685,5665,5645,5885,5905,5925,5945
FR4 5740,5760,5780,5800,5820,5840,5860,5880

 

ここで、最後の項のFrequency Rangeでみると、前出③の5,690MHzから5,725MHzに合致する周波数では、5705と5725がありますが、5725は帯域がはみ出してしまうのでNGです。5705MHzは5,690MHzから5,725MHzの幅に対して、ビデオ帯域が9MHzでも十分な余裕があります。

5,690MHzから5,725MHzの周波数では幅が35MHzあるので、9MHzのビデオ帯域幅では理論上では3CH同時に使える計算になりますが、市販されている無線機のA,B E,Fバンドでは設定されていないのです。

しかしながら、こういった無線機は周波数シンセサイザーという回路により自在に任意の周波数を合成できるので、無線機の周波数書き込み回路のソフトをいじることにより、5705以外でかつ5,690MHzから5,725MHzに納まる周波数が使える無線機に改造することは技術には可能ではないかと考えます。

 

ここで、「改造」と言う言葉がでてきましたが、技適の無線機を改造することは違法行為ですが、ネット販売の無線機はもともと許可を受けた機器ではないので、アマチュア無線家の「技術」によって、好きなように改造し、目的に合致した無線機に作り直し、総務省に申請して認可を受ければ、立派な免許を受けた無線機になるのです。

むしろ、若干なりとも「改造」を加えないと、許可が出る無線機になりませんので、少し無線の知識が必要です。

文章が冗長で、先へ進みませんが、許可を受けるために、少し勉強をしましょう。

 

9.アナログATV(FM-TV)の方式

 

昔のアナログTV の映像変調方式は振幅変調が使われていましたが、BS放送や、ATV、ネットで買えるFPV無線機はFM(周波数変調)方式で、FM放送と同じです。FM-TV方式は回路が簡単な上、送信機の出力回路の電力効率が良いので、ATVにはもってこいの方式と言えます。

FPVのカメラから出力される信号はNTSCのビデオ信号で、これは従来と同じ

振幅変調信号ですが、これを周波数変調して振幅変化がない波形にして出力したのがATV(FM-TV)の信号です。

 

FM-TV(電波型式F3F)では振幅は一定なので、カメラを繋いで変調信号を入力してもしなくても、送信機から出てくる出力は一定です。

つまり、400mWと謳っている送信機の出力を電力計で測定すると、カメラ信号の有無に無関係に400mW でるのです。

 

写真はBOSCAM社の600mWとうたっている5.8GHz送信機の出力を電力計で測定したものです。変調信号(カメラの信号)の有無にかかわらず、出力は一定です。



出力は434mWでした。600mWと言っていますが、実力はそんなものなのです。

まあ、よいほうです。製品によってはカタログ値の半分も出ない場合もあります。

 

FM-TVの周波数スペクトラム(無変調)は写真のようです。

 

 

無変調なので、5705MHzのキャリアだけが見えています。

カメラをつないでNTSC映像の変調を加えると、スペクトラムが広がります。

この広がりが「占有帯域幅」であり、要求仕様があります。

F3FでNTSC信号を送信するので、写真のようにキャリア周波数(中心周波数5705MHz)に対して+/-4.5MHzの広がりを見せるので、占有帯域幅は9MHzとします。

 

 

 

このスペクトラムのようにし単一キャリアのFMによる映像のみを送信する方式の電波型式がF3Fです。

一方、海外ネットで買えるFPV の送信機はオーディオ信号を重畳させて送信できるものがほとんどです。この場合の電波型式はF8Wとなります。

写真はF8Wの波形のスペクトラムで、中心キャリア周波数から離れたところに音声FM 変調のためのサブキャリアが見えています。

 

 

F8Wもアマチュア無線で許可にはなりますが、帯域幅をさらに占有する(約15MHz)のと、FPVでは音声を送信して通信するわけではないので、あまりおすすめではありません。しかしながら、大概の送信機はF8Wの変調波になっているため、改造をしないで申請するためにはF8Wを使わざるを得ません。

このF8Wのサブキャリアには他に使い道があります。
このサブキャリアに飛行機のテレメータデータを載せて地上に伝送しようとするものです。
例えば機体内部の各種のリアルタイムデータや、飛行中の機体のGPSによる緯度経度をデータ転送して、このデータにより、地上の受信設備のビームアンテナの追尾をするといったことが可能になります。 この場合はサブキャリアにデジタルデータを重畳させるので、電波型式はF9Wになります。

 

10.アマチュア無線でATV局免許を取得する

 

Step.1 アマチュア無線資格を取得する

 

アマチュア無線資格といっても一応国家資格なので、国家試験を受けて取得します。

アマチュア無線の試験は全国で実施されており、小学生でも合格する試験です。

マイクロ波帯でのATV局を開設するためには、4級アマチュア無線技士以上の資格が必要になります。

まずは、資格を取得しましょう。

http://www.jarl.or.jp/Japanese/6_Hajimeyo/6-1-8.htm

講習によって取得する方法もありますが、時間とお金がもったいないですから、全国で行われている試験を受けるのがよいと思います。
試験は4択問題ですが、一応本とか購入して少しは勉強も必要です。

 

Step.2 FPV無線機を入手する

 

前述のように海外ネット販売で容易に買える安価な5.8GHz無線機を使って、5.6GHz帯のアマチュア無線局を開設した例は以前はありませんでした。

その理由は、中国製の無線機の性能や品質が悪いからではなく、総務省へ申請するためのその無線機の「素性」が不明だからです。

ネットで買う無線機にはメーカー名も記載されていない場合さえもあり、説明書もない場合がほとんどで、たしかにうさんくさいのは事実です。

どういう仕様なのかも不明であり、ましてやマイクロウエーブの測定器で性能を測定したわけでもない、得体の知れない無線機をアマチュア無線とはいえ、役所が許可してくれるわけがありません。

その製品の詳細な資料を入手することは極めて困難ですから、これはもう分解して中身の回路構成を割り出すしか方法がありません。

回路構成と使用半導体等が判明すれば、アマチュア無線局申請のための工事設計書が作成できるのです。

 

筆者はネット市場から200mWから600mW出力と称する、5705MHzが発射できる送信機を何種類か購入して内部を調査しました。

この手の送信機の回路構成はどこのメーカーでもほぼ同じで、概ね下記のようになっています。

1) 電源部(12VDCから5Vや3.3Vを作る)

2) シンセサイザー部(周波数の合成)

3) 変調部(FM-TVの信号を作る)

4) 高周波電力増幅部(出力を所定の電力まで増幅する)

 

ここで重要なのは3)と4)です。

筆者が入手したすべての送信機の3)変調部にはRichWave社のRF-LSIが使われており、これのデータシートはインタネットで入手できました。

また、4)の電力増幅部はそのその送信機の出力によって、各種のMMICが使われていましたが、その型名がわかればインタネットでデータシートを探し出すことができます。

とりあえず、TS-832は出力は看板に偽りありだが、筆者が4個購入して出力を測定した限りでは、400-500mWであり、波形のスペクトラムがきれいであって、軽量でかつ安価であることと、電力増幅部にはまともなMMICが使われていることがいいと思います。


STEP3. アマチュア無線局を申請する

さて、アマチュア無線の試験に合格して、無線従事者免許証が届いたら、いよいよ無線局の開局です。アマチュア無線局の開局を申請して、無線局免許証と無線局免許証票が発行されれば、ようやく運用の開始です。

アマチュア無線局の開局申請にはいろいろなアプローチがあります。Webで探ると、七面倒くさそうな手続きと解説がたくさん出てきますが、本項ではすでに解説したように、海外通販で入手できる中華製の格安無線機を使ってFPVのための無線局を開局しようとするものですから・・・・・下記のようなHPは読む必要がありません。

http://www.soumu.go.jp/soutsu/shikoku/shinsei/amateur.html

国産のアマチュア無線機器もきちんと技適を受けていますから、開局はスムーズに行きますが、何しろ得体のしれない中華製5.8GHzTransmitterで局免許を受けるのですから、総務省にいきなりアタックしても無理です。

そこで、助けてくれるのがTSS殿です。

http://www.tsscom.co.jp/


TSS保証事業部は自作のアマチュア無線機器や改造機などの無線機器が適法なのかをチェックしてお墨付きを発行し、総務省との間に入って、貴方の無線局開局のお手伝いをしてくれます。
手伝いというのは語弊がありますし、代行でもないのです。あくまで貴方が提出した無線局開設申請書を吟味して、「保証」したうえで、総務省へ提出してくれるのです。
TSSができた経緯や役割等に興味がある方は調べてみてください。
とにかく、役所はほぼ何もしないといったほうがよいくらいです。
総務省のHPには相談フォームもありますが、本件で相談してもあまり意味がないので、お奨めしません。むしろTSSの相談フォームから質問があればするのがよいと思います。
とにかく、TSSを頼りにするしかありません。

1)申請書を入手する

TSSのHPや総務省のHPではweb申請というのがあって、一見便利そうですが、本項での目的の場合はやめたほうがよいです。
申請用紙を購入して、「紙」ベースで申請するのがスムーズに手続きが進みます。
開局手続きに必要な個人・社団用開局用紙はJARL、または全国のハムショップで定価 864円(税込)で販売していますがネットでも本屋さんでも買えます。

申請書は総務省のHPからもダウンロードできます。




http://www.jarl.or.jp/Japanese/9_Hanbai/rakuten/sinsei.htm




申請書を手にしてみると、案外に内容が薄くてびっくりさせられます。
基本的には3枚ほど書き込んで提出すればオシマイ・・・・といった印象です。

実際、素性がわかった無線機を申請する場合にはそうなのです。ほんの5分ほどで申請書作成なんか終わってしまいます。
しかしながら、5.8GHzの中華製無線機の申請はそうは簡単には行きません。

ここで、今回の主旨を改めて確認・・・
「5.8GHzの中華製の送信機でアマチュア無線局を開設する

2)購入した申請用紙の封筒にはいろいろ入っていますが、上記の主旨であれば、提出必要な書類は下記のものだけです


●TSS 殿宛のアマチュア局の無線設備の保証願書
●無線局事項書および工事設計書

 素性がわかった無線機なら、もうこれだけの書類でOKなのですが、申請する送信機の素性を明確にする必要がありますから、TSS がジャッジできる書類を添付してあげなければなりません。

3)
まず、その送信機がどんな構成をしているかを示す系統図(ブロックダイアグラム)が必要です

おもな回路構成を示すもので、特に主要緒元が決定される回路や使用デバイスの型名をブロックダイアグラムに記入しておく必要があります。
出力電力を決定する送信機の最終段のデバイスとそれに印加される電圧の記入も必要です。
これらのデバイスや回路モジュールがTSSの担当者が知りえる一般的な部品であればよいですが、そうでなければ、そのカタログやデータシートを添付する必要があります。

  TS-832のブロックダイアグラム


4)TSSへ申請する保証申請書のSample

送信機の名称は「TS-832改造」とします


5)工事設計書のSample




ブロックダイアグラムの中の重要なデバイス
 ・Richwave社 RTC-6705

  http://www.richwave.com.tw/product_description.php?PNo=39


Hittite社HMC406M

  http://www.hittite.com/products/view.html/view/HMC406MS8G

に関するデータシートをWebから入手して、主要部分を添付します。


TS-832については Ver.1.5以降は終段デバイスのMMICが上記のHMC406MからRTC6659Eに変更されていて、出力も600mW がきっちり出るようになりました。 従って購入されたTS-832の裏面に記載されているVer.番号を確認して、Ver1.5以降であれば終段デバイスはRTC6659Eで申請します。





5)必要な費用
TSSへの保証料4800円(銀行振り込み)
総務省への申請料4300円(収入印紙)
が必要です。
また、電波利用税をどのように支払うかの書類が入っていますから、5年分を一括で払う・・とします。免許が交付されてからコンビニで払い込む請求書が送られてきます(1500円)。
これらの書類をまとめてTSSに郵送すれば完了です。
総務省へはなんら書類の送付はいりません。

すでにアマチュア無線局を開局されていてコールサインが付与されている場合は、変更申請になります。
この場合はTSSへの保証料3000円のみで、総務省への申請料は不要です。


昔開局していてすでに無線局免状が失効してしまっている場合には、新規に開局申請の必要があります。
エリアによっては過去使用していたコールサインを復活させて申請できる場合があります。



6)TSSからメールで問い合わせや、追加資料の要求がある場合があります。
7)およそ1か月でTSSの保証審査が終わると、その旨の通知が封書できます。

TSSからは毎週末に所轄の総務省の総合通信局へ保証が完了した書類が送付されます。

8)その後約1週間で総合通信局から無線局コールサインが付与された無線局免許状が届きます。
無線従事者免許は終身免許ですが、無線局免許の期間は5年です。
申請した送信機の数量の無線局免許票が同封されています。




届いた免許状には  4SA 5750MHz 1W と記載されています。

4SAは代表の電波型式、5750MHzは5.6GHz帯のアマチュア無線バンド(5650-5850)の中央周波数です。
実際には工事設計書で申請した周波数、電波型式、出力電力が使用できる仕様ですのでお間違いなく。

受理された工事設計書は総合通信局のデータベースに保管されています。



9)電波利用税の請求書がのちにきますので、コンビニ等から振り込みます


11.FPVを楽しむ

冒頭に書いたように、模型飛行機にマイクロウエーブ送信機を積んでTVカメラの映像を地上の操縦者に伝送し、飛行機からの映像をモニタで見ながら飛行機を操縦するのがFPVですが、FPVを楽しむためには様々な条件もあり、筆者が実験して経験した範囲から提案と注意事項がありますので、熟読してください。

1)飛行機をFPV操縦で飛行させる範囲に人家がないことを確認すること
2)飛行範囲は2.4GHzプロポのカバー範囲内であること(概ね半径600m以内)
3)飛行前後には無線局のコールサインボードを撮影送信する、またはOSD(On the Screen Display)にコールサインを重畳すること
4)飛行させる飛行機は自律飛行が可能なオートパイロットを搭載していること
(オートパイロットFC:FlightControllerにより操縦用の送信機から手を放しても基本的に空中停止、あるいは直線飛行が可能であること)
5)オートパイロットではRTH(Return to Home)機能、Fail Safe-RTH機能があること
(飛行機の位置をロストあるいは、2.4Gリンク切れの場合、自動で帰還できること)
6)FPV 映像にはOSDを備えること(メイン電源の電圧、飛行時間、Homeからの距離、RSSI、Homeへの方角、高度などは必須)

以上の飛行安全確認と機体の装備がなくてFPV操縦をすると危険ですから、十分に準備をすることが肝要です。特に5)のRTH機能は重要です。





筆者が2014年5月現在運用しているFPV機を紹介します。

空撮Quad Copter 「鉄人500号」
機体:TAROT IronMan 650 をサイズダウンしてスパン500mm
FC: NAZA-M+GPS
OSD: MultiWii SE2+UblokGPS+MinimOSD
Motor:E-Max MT2213 -935KVx4
ESC: HobbyWings18Ax4
Prop: 10 x4.5
BATT: 3S-2200mAhx2
FPVカメラ:A0118N(170度)
空撮カメラ:GoPro Hero3BE+FeiyuTech G3 2axisGimbal
全備飛行重量:1800g
飛行時間:7分








http://youtu.be/nJju7C1k_2o




デモ用UFO Quad Copter「UFO2」
機体:自作(\100ショップの材料) スパン450㎜
FC: NAZA-M+GPS
OSD: Breeze OSD+GPS
Motor: Sunny Sky X2212II 980KV x4
ESC: HK Blue Series 12A x4
Prop: 9x4
Batt: 3S-2200mAh
FPV カメラ: A0118N
空撮カメラ: Mobius WideB-Lens
全備飛行重量: 1100g
飛行時間:5分

http://youtu.be/MC9Gut-48e0




BIXLER2 
機体:HK Bixler2 スパン1500mm
FC: ArkBird 
OSD: ArkBird OSD , GPS
Motor:1300KV 
ESC: 20A
Prop:8インチ
Batt: 3S-2200mAh または1300mAh
FPVカメラ: A0118N
空撮カメラ: Mobius WideB-Lens
全備飛行重量: 750g
飛行時間:20分







http://youtu.be/sM7-VygKDw4


Cessna195
  機体: 1/8Scale Cessna195 Cocacola仕様 バルサ製スパン1350㎜
FC: ArkBird 
OSD: ArkBird OSD , GPS
Motor:4842-800KV 
ESC: 40A
Prop: 12x6E
Batt: 3S-2200mAh 
FPVカメラ、空撮カメラ: Mobius WideB-Lens
全備飛行重量: 1800g
飛行時間:10分








http://youtu.be/gJt9_d-F4OQ






12.5.7GHz帯アマチュア無線バンドでFPVができるATVは何CHとれるか?


ラジコン飛行機は基本遊びの世界です。
遊びというものはなんであれ大勢でやると楽しいのは当たり前です。
技術的な論議もみんなでやれば楽しいのです。
FPVも何人か集まって楽しもうとしたときに、筆者が申請した5705MHz一波だけでは順番にやるしか手段がありません。
1.2GHz帯でも1波しか取れません。2.4GHzも同様ですが、操縦用プロポと干渉するのでNG です。
せっかく2.4GHz帯の周波数拡散方式のプロポが出現して、昔のVHF帯のようにバンドを気にしなくてよくなったのですが、FPVはCHが一つではさみしい限りです。
電波法無線局運用規則には表があって、運用形態が決められています。
アマチュア業務の5.7GHz帯のところだけを抜き出してみました。
下記の表と注意書きを見てみましょう。

この表で見る限り、確かに青字の注釈16のところはF3FのATVが使用できる周波数である。でもよく見ると、赤字の周波数には注がなく、全ての周波数であることからすれば、ATVが使えると読み取れる。

すなわちATVが使えるアマチュア無線の周波数は下記であるように読み取れる。

5,690MHzから5,725MHzまで・・・(35MHz)

5,730MHzから5,755MHzまで・・・(25MHz)

5,770MHzから5,810MHzまで・・・(40MHz)


全部で100MHzもあり、10MHzで並べたら10CHも使えるという計算になる。

ここで、もう一度BOSCAMの無線機の32CHの周波数を見てみよう。

FR1 5865,5845,5825,5805,5785,5765,5745,5725
FR2 5733,5752,5771,5790,5809,5828,5847,5866
FR3 5705,5685,5665,5645,5885,5905,5925,5945
FR4 5740,5760,5780,5800,5820,5840,5860,5880


つまり、5705、5740、5745、5780、5785、5790、5800 の7波が使えることがわかる。



   ● 2016年4月現在内部の解析ができている送信機を下記に示します。

   他にも解析が済んでいる特殊なVTX もあります。 
     VTXの解析の相談に乗ります。  メールでお問い合わせください。
型名 メーカー 出力 CH 数 変調LSI PA MMIC PA の電圧
TS832 SKY Zone 600mW 32 RichWave RTC-6705 Hittite HMC-406M 5V
TS351 Boscam 200mW 同上 RichWave RTC6671 3.3V
TX-51W Boscam 1000mW 同上 Hittite HMC-408LP3 5V
TS352 Boscam 500mW 8 同上 SiGe 5004L 5V
TS5823 SKY ZONE 200mW 32 同上 RICHWAVE RTC-6671 3.3V
RC-600 ImmersionRC 600mW 7(注1) ABestIC AW15800 Hittite HMC-406M 5V 周波数はFatShark系
TX5802 200mW 32 RTC-6705 Richwave RTC-6659 5V モジュール基板
ALIGN HED00001T ALIGN 1500mW 32 RTC-6705 SiGe 5004L 5V
FatShark250mW FatShark 250mW 7( 注1) RTC-6705 Hittite HMC-406M 5V
TS5828 BOSCAM 600mW 32 RTC-6705 Richwave RTC-6659 5V
TS586 600mW 32 RTC-6705 Richwave RTC-6659 5V
HAWKEYE600mW HawkEye 600mW 32 RTC-6705 Richwave RTC-6659 5V
TS586J HobbyNet 600mW 7 RTC-6705 Richwave RTC-6659 5V Japan Ham Band
TS5823J HobbyNet 200mW 7 RTC-6705 RichWave RTC6671 3.3V Japan Ham Band
TX5810-100 100mW 8 RTC-6705 RichWave RTC6671 3.3V 1.9g
SPMVA1100 25mW 7( 注1) RTC-6705 RTC-6705 Direct 3.3V 110FOVカメラ付き3.5g
LT200 200mW 32 RTC-6705 RichWave RTC6671 3.3V カメラつきのセット安価軽量
BOS600 BOSCAM 600mW 32 RTC-6705 RichWave RTC6659 5V 小型
TX-5D SKYZONE 600mW 32 RTC-6705 RichWave RTC6659 5V HDMI接続
AMIMON CONNEX AMIMON 1W OFDM -  16QAM OFDM SiGe SE5010L 5V DTV  電波型式D1D 
AOMWAYmini200 AOMWAY 200mW 32 RTC-6705 RichWave RTC6671 3.3V
Thuderbolt TS5832 BOSCAM 2,000mW 32 RTC-6705 SiGe SE5010L 5V
FOXEER TM25 FOXEER 25mW RaceBand 40 RTC-6705 RTC-6705 3.3V
PRIME 40CH Prime 25/350/600mW RaceBand 40 RTC-6705 RichWave RTC6659 5V 可変出力
Kylin600mW Kylin 600mW 32 RTC-6705 RichWave RTC6659 5V
TL300N2 TARROT 300mW 32 RTC-6705 RichWave RTC667 3.3V
VM231T 25mW 32 RTC-6705 RTC-6705 3.3V
TX5824/5817 WARKELA 25mW 8 RTC-6705 RTC-6705 3.3V TX5825/TX5818は申請できません

(注1) :FatShark系 






18. 発射周波数の生成メカニズムと周波数の保全について

発射周波数に関しては、所謂周波数シンセサイザーなるものが1980年代に開発されてから、日本の電波法では、許可以外の周波数が
安易に出な いように指導がされています。
これはアマチュア無線に限ったことではなく、官公庁向けの業務用無線機でも同じで、免許以外の周波数が不用意に出ないことが義務付けられます

また、許可範囲の発射周波数がどのようにプリセットされて合成されるのかのメカニズムをTSSから問われる場合もあります。

19.周波数CHを固定するための改造と提出写真

18章で説明したように、アマチュア無線で許可された周波数帯以外の周波数が安易に発射されないように送信機を改造しておく必要があります。TS-832のような押しボタンSWの場合は、

①周波数を設定後、押しボタンSW を取り外してしまう
②押しボタンSWをアルミ板等でカバーする

また、TS-352のようなDipSWを使っている場合は、

①DipSWを外して、CHをワイアリング(半田付け)する
②DipSWをアルミ板等でカバーする

といった処置が必要で、その改造処置の写真をTSSへの申請時に添付する必要があります。

参考例です。(この写真は使用不可です、自身で撮影して添付してください)




20.コールサインをOSDに表示する、送信機をリモートでON/OFFする

アマチュア無線局なので、コールサインの送出が必要です。

また、電波妨害等が発生したときに、プロポ(送信機)にて直ちに機上のFPV送信機をOFFすることが必要です。

これは2.4GHzプロポの空きCHを使って行います。

実際の例です。



自作した送信機ON/OFFユニット




動作の様子




22.電波型式と周波数CHについて
(21014/10/5追記)

5.6GHz帯のアマチュア無線バンドでFPVができる電波型式はF3F(FM-TVの映像のみ)とF8W(FM-TV映像+音声)ですので、両方の電波型式を申請することは可能ですが、ひとつの送信機でF3FとF8Wを切り替えて使う改造は大変なので、実際にはどちらかしか使えません。

F3Fは帯域を多く使わないのと、前例のある業務用の1281.5MHzがF3Fだったため、当初筆者はF3Fでないと許可にならないと思って いたため、F3Fで申請した経緯がありました。
大概の中華製のTX は音声サブキャリアのあるF8Wであるため、無理矢理部品を外してF3F で申請したのですが、最近では総務省の理解も進んだので、F8W ですんなり許可になります。
本来、FPV で映像のみを伝送するなら、帯域を多く使わないF3Fのほうがベターなのは当然ですが、送信機の改造が苦手と思われる方は申請はF8Wのみでやってください。工事設計書の電波型式の欄にはF8Wのみを記載します。
この場合、送信機の内部回路の改造は一切ありませんが、周波数の固定(アマチュア無線バンド内の1波に固定)のためのCHボタンSWの取り外し、またはアルミカバー等の「改造」は必要なので、工事設計書ではやはり、「TS-832 改造」です。

12項で示したように、TS-832 などの32CH送信機では7波(下記の表の赤文字)が5.6GHz(5750MHz)アマチュアバンド内で使用が可能ですが、実際には帯域があることと、受信機の選択度が良くないために、仲間が集まっての同時運用は下記の周波数CH表のうち、

FR1 5865,5845,5825,5805,5785,5765,5745,5725
FR2 5733,5752,5771,5790,5809,5828,5847,5866
FR3 5705,5685,5665,5645,5885,5905,5925,5945
FR4 5740,5760,5780,5800,5820,5840,5860,5880

5740と5745、5780と5785、5780と5790と5800、といった周波数の組み合わせによる同時運用では混信しますので留意が必要です。クラブや仲間内で同時運用で楽しむ場合は、考慮が必要です。


日本アマチュア無線連盟(JARL)との意見交換

{5.6GHz帯のバンドプランについて}

現在のハムバンドの5.6GHz帯は5650-5850の200MHzがあるが、バンドプランにより用途が指定されていて、ATVは限定された帯域しか使えない。.
F8WによるATVは占有帯域幅の関係で、35-40MHz間隔での運用でないと混信する。FatSharkバンドのように20MHz間隔では混信する。
米国の5.6GHzのハムバンドは300MHzもあり、37MHz間隔で8CHをレースバンドとして運用し始めており、レースバンド仕様と称した従来の32CH+8CHのVTX の販売も出てきている。
日本のハムバンドではご存知のように現在市販されている32CHのISM CHのうち7CHが使えるが、実際にレースをしようとしたならば、混信を考慮すると3CHしか使えず、3機同時出走しか出来ない。

しかしながら、200MHzの日本の5.6GHzハムバンドも40MHzスパンで5650-5850を逸脱しない割り振りとするなら、
5670-5710-5750-5790-5830 の5CHが混信なしに使え、35MHzスパンなら6CHも取れる。

現在のバンドプランでは「衛星アシスト」運用が帯域を占用していてネック?になっている。この衛星アシストというのはアマチュア無線衛星の上り下り回線リンク用であり、かなりのビームアンテナでの運用なので、地上波である無指向性の低EIRP出力のFPV  ATVが妨害するとは思えない。

JARLにこのバンドプランを変更できないか打診してみた。

JARL見解:バンドプランはアマチュア無線ユーザーと協議して決めたものであり、それなりの大義名分がなければ変更は出来ないが、例えば「衛星アシスト」のバンドに「低EIRPのATVも使用可」という追加条件を入れることは要請次第では不可能ではない。

ということで、年一回のバンドプラン見直しのチャンスに乗じて、FPV アマチュア無線クラブが署名運動等の行動によりJARL経由で総務省へバンドプラン変更案を提出してゆくことにより6CH確保も夢ではないという手ごたえを感じた。

欧米のRaceでもハムバンドによるRace Band Channelが出てきている。
Frequencies: 5658, 5695, 5732, 5769, 5806, 5843, 5880, 5917MHz (RaceBand)
この周波数CHを使って国際レースをやるとなったら、日本勢もこの周波数CHを使ってゆかざるを得ない。

All RaceBand channels legal using a Ham license within the USARaceBand Channel
s 1-6 legal using a Ham license within the EU 

日本の5.6GHzのハムバンド(バンドプランを無視したオールバンド)が5650-5850ですから、上記の周波数では,5658, 5695, 5732,5769, 5806, 5843 が使える。F8Wなどの4SAの電波型式では占有帯域幅が17MHz以内であり、5658,5843のバンドエッジも何とか使えそうだが、VTXの吟味も必要になる。最近出回っている600mWの高効率VTXは無理にMMIC-PAを飽和させて使っているので、サイドバンドの拡散が大きいようだ。レースなど複数同時運用の場合は電波の質の良い小出力のVTXが好ましいと考える。米国のレースでは250mWが主流のようだ。


なお、2015年10月9日にアマチュア無線等を監督する総務省本省総合通信基盤局電波部と意見交換し、近年のFPVが全世界的にハムライセンスによる5.6GHzバンドが使用されていること、日本でも急激にDroneRaceが流行してきて、FPVのためにアマチュア無線従事者免許を取得して、開局するするひとが急増中であることをお知らせすると共に、今後さらにFPVのATVアマチュア無線利用について支援を戴くよう要請し、十分なご理解を戴いたことをここに記します。

2015年10月15日 筆者追記