日本画家・松井冬子 

[出演] news23金曜深夜便 日本画家:松井冬子

 深夜便冒頭の画面に映しだされた作品はしんとした幽玄な世界でしたが、制作過程で面相筆を闊達に使う “筆さばき” には、内面の力がみなぎっている印象を受けました。筑紫哲也さんとのトークでは和服姿。落ち着いているような、妖しいような。…… 美 貌。
 ⇒NEWS23 金曜深夜便 日本画家:松井冬子 2006.03.10

 新進気鋭の日本画家といえば、以前、その1人として美術手帖で特集された町田久美さんをご紹介( ポップな日本画 町田久美 〜美術手帖〜 )しましたが、その町田さんや松井さんら現代日本画家の展覧会が、東京都現代美術館で3月26日まで開催中です。 そのあと「日本×画展」開催。

第15回奨学生美術展 佐藤美術館
会 期:2006年10月4日(水)〜11月19日(日)

夏休み特別企画=日本×画展(にほんガテン!)横浜美術館
7月15日(土)〜9月20日(水) [終了]

日本画家 松井冬子 公式サイト
= 公式サイトでも随時インフォメーションが更新されています =

参考:松井冬子vs佐々木 豊-art access
2006.03.11 初稿

[出演] 新日曜美術館 ゲスト:松井冬子さん

 新日曜美術館「穢い絵だが生きている〜大正画壇の鬼才・甲斐庄楠音〜」
ゲスト:松岡正剛/日本画家・松井冬子/6月25日(日)

 端正な姿を描き出す伝統的な美人画の世界に、一線を画す作風でクサビを打ち込んでみせた日本画家・甲斐庄楠音(かいのしょうただおと)。番組は、妖しい女の情念を描きつづけた原点が、病床に伏す父のシモの世話をする母の姿にあったこととか、生涯でただひとり愛したトクという女性が成金男に“てごめ”にされ、強引に結婚させられるというショッキングな出来事を契機に画風が暗さを帯びるようになったことなど、いくつかの興味ぶかいエピソードをはさみながら進められました。

 23歳で国画創作協会に出した「横 櫛」で鮮烈なデビューを飾るものの、32歳の時、先輩にあたる土田麦遷から「きたない絵は会場を汚す」と展覧会への出品を拒否され、画壇から遠ざかることに。しかしその後、日本映画の巨匠・溝口健二の知遇を得て、衣装・小道具・時代考証などを担当することになり、ヴェネチア映画祭で銀獅子賞を受賞した溝口監督の代表作「雨月物語」(原作・上田秋成)では、京マチ子演じる魔界の姫の着る華麗な和服をデザイン。これがアカデミー賞衣装部門にノミネートされています。

 いっぽう映画界で活躍するかたわら、楠音がひそかにライフワークとして何十年もの時間をそそぎ続けたのが、21人の女性の群像を描いた「畜生塚」(未完)という幅5メートルほどの屏風作品で、死の直前まで描き続けています。この「畜生塚」も含めて楠音の作品には、人肌に丸みを出す油彩(西洋画)の技法が駆使されており、アップでみると国吉康雄風のマチエールを感じさせる作品もありました。

 実際、楠音は20歳代のころ、相当にダ・ヴィンチやミケランジェロの研究・模写をしていた(=松井さんの談話)そうで、女性の底ふかい内面を描きだすのに、そこで習得した西洋画の技法を大胆に役立てたようです。 ……ちなみにゲスト出演された松井冬子さんのいでたちは、あかるい、あでやかな和服姿でした。

参考:甲斐庄楠音研究室

 注 記) 楠音とトクの別れの経緯に関する解釈は他にもあるようですけれども、番組のナレーションでは、上述のとおり「強引に肉体関係を持たされた」ことで縁組を結ばされた、という主旨の説明でした。

 補 記) この回の番組の表題にも使われている「穢(きたな)い」 ―という言葉の真意は、仏教でいうところの「穢土(えど)」に通ずる「けがれたこの世=現世」といったところにあり、聖書における原罪とかなり近い意味合いのものと考えていいだろうと思います。……この点も踏まえていうと、楠音の作品は「きたない」というより「コワイ」と表現するほうが、意味的には適切だろうと思います。

インフォメーションNHK日曜美術館30年展09.09−10.15同展会場 東京藝術大学大学美術館



松井冬子 みずからを語る





VOGUE NIPPON - Women of the Year 2006 (リンク消滅)



● YouTube 自画像を語る

 平成14年の卒業制作。テーマは自画像。 背景に描かれているのは、これでもかというぐらい使い込まれて、ひどく擦りきれた屋久杉。白のスカーフのように顔を包み込む、ながい白髪。闘っているような、しかし、うつろなまなざし。 神経質に浮かびあがる眼の下の青い血管。 まるで砂嵐のなかにでもいるような表情をしている。

 わずかに見える下着については……。
 松 井 「女性にとっての下着とは、ナルシシズム以外のなにものでもない」

2007.11.17


美術手帖 次号予告(1月号 12/17発売予定)

[特集]
松井冬子 / 絵画に描かれた痛み
2005年の個展デビュー後まもなく、アート界にとどまらない評判を呼び、時代の寵児となった画家・松井冬子。成山画廊での待望の個展を控える彼女の現在と未来の展望に迫る。第2特集では、岡村桂三郎、三瀬夏之介、山本太郎らが「日本画」の現在を語る。  (同誌 web site 案内文より)

2007.11.25


美術手帖(1月号)
特集 松井冬子 絵画に描かれた痛みと贖罪


ビジュアル 松井冬子作品/奇想の対談 辻惟雄×松井冬子/アトリエ訪問インタビュー 恐怖や痛覚を糧とする芸術のかたち|ききて=松井みどり/松井冬子を撮る・語る|中川真人/松井冬子を観せる・語る|成山明光 ……ほか。

2008.01.15


::: ETV 特 集 ::: 4月20日(日)
痛みが美に変わる時〜画家・松井冬子の世界〜


2008.04.13


松井冬子サイン会の模様/新宿・紀伊國屋
(ETV特集オンエア冒頭で紹介されたサイン会の様子)


2008.04.23


2008年 6月1日(日)15:00〜
画集刊行記念 松井冬子サイン会〜青山ブックセンター


2008.05.18


2010年 8月28日(土) pm11:30〜
NHK トップランナー 画家・松井冬子〜アトリエ訪問ほか


2010.08.07


2011年 12月17日(土)〜 2012年 03月18日(日)
松井冬子展 ― 世界中の子と友達になれる ― 横浜美術館


2011.08.21







 アート file

マン・レイ パウル・クレー エゴン・シーレ
ルネ・マグリット グスタフ・クリムト ジョルジュ・スーラ
ジョルジョ・デ・キリコ アンリ・ルソー展 ゴッホの災難.ゴッホ展
写真家ブラッサイの世界 生誕100年記念ダリ回顧展 葛飾北斎と安藤広重
東郷青児と竹久夢二 佐藤渓の「心象録・詩」 日本画家 松井冬子
日本画家 町田久美 束芋の「ヨロヨロン」束芋 イラストレーター 常田朝子
イラストレーター 田辺ヒロシ 古賀春江 シュールな童心 版画家 池田満寿夫の世界展
田中一村グラフィックな世界 写真家 植田正治 海外巡回展 青木繁 わだつみのいろこの宮
カオルコ個展 in NewYork 資生堂/香りと恋心〜バルビエ展 レオナール・フジタ展

 文 学 file

ル・クレジオ サン=テグジュペリの世界 メリメの「マテオ・ファルコネ」
曽野綾子さんのこと 安部公房〜砂の女〜 原 民喜  「夏の花」
林 芙美子 パリ日記 岡本かの子 試論1・2 川上弘美 「蛇を踏む」
金原ひとみ「蛇にピアス」 綿矢りさ「蹴りたい背中」 谷崎潤一郎「痴人の愛」
こどもの詩 〜川崎 洋 篇〜 寺山修司の世界〜虚空〜 中原中也賞「びるま」日和聡子
坂口安吾 洋書仕様「桜の森…」 追悼 塚本邦雄 水銀伝説の終焉 詩人・金子光晴「ねむれ巴里」







blog
index
Counter