素粒子 ニュートリノ

 天体物理学分野における小柴昌俊教授のノーベル賞受賞という明るいニュースが入ってきたので、予定を変更して関連する話をすこし……。

 最初に、簡単におさらいをしておきます。 周知のとおり宇宙に存在する物質は原子で組成されているわけですが、その原子は「プラス+の電荷をもつ原子核」と「マイナス−の電荷をもつ電子」で構成され、原子核は「陽子と中性子」で組成されています。

 【 図 】 原 子< 原子核+ 電子− ※ 原子核+< 陽子 中性子 (ともに1mm/1兆)

   物質を構成している最小単位の物質が素粒子。ニュートリノは電子の仲間に属する「電気を持たない素粒子」(レプトン族)。 ……また、原子核の陽子・中性子を構成しているのがクォークと呼ばれる素粒子(クォーク族)。  // ニュートリノ=イタリア語で小さな中性子の意味。

 ⇒ ニュートリノってなんですか? スーパーカミオカンデ「よくある質問」

 ニュートリノはその存在すら疑われている仮説の物質でしたが、日本の岐阜県にある神岡地下観測所が1987年、大マゼラン星雲で起こった超新星爆発からのニュートリノ観測に成功したことで、一躍世界に注目されました。そのさい、観測で得た値が「理論値の半分」しかないことも立証し、宇宙物理学・天文学の世界に衝撃を与え、これらの成果が「ニュートリノ天文学・物理学」の基礎になりました。

 宇宙から飛来する「素粒子ニュートリノ」を観測するため、1983年岐阜県神岡鉱山の地下1000メートルの深さに建設されたのが神岡地下観測所です。設置されているのが「ニュートリノ観測装置=カミオカンデKamioka Nucleon Decay Experimet)

 ― 直径15.6メートル、高さ16メートルの水槽に純水3000トンを満たし、高速荷電粒子が水中で発するチェレンコフ光を捕らえて、水槽内で起きた様々な現象を観測する」 ということです。

 この岐阜県の神岡地下観測所が、今回ノーベル賞を受賞した小柴教授のグループが属する現在の「東京大学宇宙線研究所」や「 神岡宇宙素粒子研究施設」の前身となっています。また旧カミオカンデも新観測装置スーパーカミオカンデ (Super-Kamioka Neutrino Detection Experiment)にリニューアルされ鋭意活躍中です。

 ニュートリノにかんする詳細
宇宙ニュートリノ観測情報融合センター (RCCN)
神岡宇宙素粒子研究施設 / 東京大学宇宙線研究所



 宇宙の誕生とその後については「宇宙背景放射」をご参照ください。

 宇宙物理学入門の書籍
 『宇宙はどこまで見えてきたか』 野本陽代 著 (岩波書店) ★おすすめ
 『ドキュメント 超新星爆発』  野本陽代 著 (岩波書店)
 『ニュートンからホーキングへ』 桜井邦朋 著 (祥伝社)
 『地球・宇宙・そして人間』  松井孝典 著 (徳間書店)

※ 野本陽代(のもとはるよ)さんの本はこのほかにも数冊あり、素人にも分かりやすく、宇宙を学ぶ「基礎篇」として恰好です。


2002.10.20







 サイエンス file

宇宙背景放射 UFO 目撃体験 素粒子 ニュートリノ
コロンビア号帰還せず 野生パンダのライフスタイル アインシュタイン・リング
  *** 今西錦司のアンチ進化論 あかりがとらえた渦巻き銀河


 アート file

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 文 学 file

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