
桜の花が舞い散る中で交わした、危うく、儚げな希望。
約束
「…あ―ぁ、留年しちゃった―…」
「それは仕方がないだろう、出席日数が足りなかったんだからな。」
「…うぅ、まぁそうなんだけど。」
「別に良いじゃないか、闇に飲まれていたという理由で、
本当ならレッド寮行きになるのを免れたんだぞ?」
「そうだよね…感謝しなきゃだよね…」
「あぁ。」
「……………行っちゃうんだよね……」
「卒業だからな、しょうがないだろう?」
「えへへ、出来れば一緒に卒業、したかったんだけどね…」
「…あぁ、俺もだ。」
風に揺れる髪。暖かい空気、気持ちの良い潮風。
「ねぇ、亮?」
「何だ?」
「卒業したら…プロリーグ行くんだったよね?」
「あぁ、そのつもりだが。それがどうかしたか?」
「…約束してほしいんだ。僕が卒業するまで、舞台の上で待っててほしい。
卒業したら一番に、君のところへ飛んでいくよ。」
「プッ………」
笑顔を浮かべて、言った。
本気だったのに、亮は小さく吹き出して。
「ちょっ…!僕は本気なんだよぉ?!」
「あぁ、解ってるっ、解ってるから可笑しいんだッ…」
手を口に当てて必死に爆笑を堪えている。……切ないだけなんだけど。
「だが、その約束は守ろう。」
「え?」
「お前を、舞台の上で待ち続けてやる。一番に、決闘するのは俺だからな?」
「分かってるよ。僕もそのつもり。」
笑いあって。そうして僕らは立ち上がった。
「次に会う時は、決闘場でだね。」
「お前との決闘戦績は引き分けだったな。」
「じゃあね、亮。元気で。」
「あぁ、そっちこそ。」
満開の桜の木の下で握手を交わした。離れていく背中を、一人で見送って。
行ってしまった、離れてしまった。
けれど、この心にあるのは、確かな約束。
<完>
あとがきという名の懺悔
短い。短すぎる。おかしいよこれは。
というわけでショートショートストーリー。
最初の詩は、私の書いたある作品から引っ張ってきました。
…残念ながら、このサイトには掲載してませんが。
ルーズリーフにちょこちょこと書き溜めていったものだし、
打ち直すのも面倒なので(笑)
それでは。